Abstract

雑誌掲載版 著作権は学会に帰属73歳男性.患者は肉眼的血尿で近医を受診,CT上で右腎腫瘍,腹部リンパ節転移を疑われ紹介入院となった.CTでは右腎に11×9×9cmの内部不整な充実性腫瘤を認め,下大静脈背側,傍大動脈,縦隔に多発するリンパ節転移を認めた.cT3bN2M1(stage IV)の腎癌と診断し,選択的右腎動脈塞栓術を施行後に天然型インターフェロンα(IFN-α:スミフェロン)の週3回筋注とシメチジン内服を開始したが,4ヵ月後のCTで腹部・縦隔リンパ節の増大を認め,スミフェロンをインターロイキン2(IL-2:イムネース)の週5日間点滴に変更した.しかし,その後,投与5週目にCTで両肺野に多発する転移と腹部・縦隔リンパ節の更なる増大を認めた.IFN-α,IL-2の免疫療法の無効から別の天然型IFN-α(OIF)の週3回筋注に変更し,シメチジン内服も継続したところ,1ヵ月後に肺転移巣は著明に縮小し,3ヵ月後には完全消失を認め,腹部・縦隔リンパ節転移巣は増大を認めなかった.現在,OIF投与より9ヵ月経過でリンパ節転移の不変状態を維持してい

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