research

ドジョウ スイブン カクサン ケイスウ ソクテイホウ ノ ケントウ

Abstract

【はじめに】降雨や灌漑,土壌表面からの蒸発,植物根による吸水などによって引き起こされる土壌水の移動は,湛水下の水田作土や地下水面下などの特殊な場合を除けば,ほとんどが不飽和の土壌中で生じている.こうした不飽和土壊中での水の流れを解析するには,土嬢の透水係数あるいは水分拡散係数を知ることが不可欠である.よく知られているように飽和土壌中で、の透水係数は一定値をとり,測定は容易である.これに対して不飽和土嬢中での透水係数や水分拡散係数は,水分量変化に伴って数オーダー以上の範囲で変化するため測定は図難であり,数多くの測定法が提案されている.しかし,それらの多くは撹乱試料の使用,熟練を要する繁雑な操作,あるいは長期にわたる測定時間などの問題を含んでいる.こうした中でAryaらによって提案されている熱風法(hot air method)は,上記のような問題点もなく,特殊な実験装置も不用な実用性の高い方法と考えられる.しかしGrinsvenらにより測定試料中の温度分布による誤差を引き起こす可能性も指摘されており,この方法の妥当性の検討は十分でない.そこで本論では,まず水分拡散係数測定の最も一般的な方法である水平浸潤法と熱風法の測定値を月山黒ボクを用いて比較し,さらに測定中の温度勾配による水移動量を見積る.しかる後,これらの方法を使って中国東北部における代表的な土壌について水分拡散係数を測定し,その特徴を述べる

    Similar works