research

タミルナドゥ州の異なる農業気候地域のための気候変動に関連する複合脆弱性指標の開発

Abstract

インドの農業は気象、特に降水量の変動に大きく影響を受ける。インド亜大陸の降水量の80%は6月から9月の3ヶ月間に起こり、南西モンスーンとなる。旱魃がある地域で問題となる一方、洪水も別の地域で人間生活と農業にとって被害を及ぼし、平均的に氾濫しやすい土地の約3分の1は農地である。洪水となる過剰な雨量、不作をもたらす旱魃、財産に損害を与えるサイクロン等、気候の負の影響へは迅速な対応が求められる。その時々に気候の影響に対する社会の対処能力が試される。歴史的に社会の対処能力は地域的に試されてきており、社会は気候の変動にレジリアンスを持つ様に適応してきた。脆弱性とはその地域にすむ人口の経済システムの状態であり、また社会経済的な特徴でもある。本稿では、脆弱性の社会経済的な観点から、地域の発展段階およびさらに発展する能力を計る指標に焦点を当てた。Anand and Sen (1994)によって人間開発指標(Human Development Index: HDI)を計算するために開発された脆弱性指標の方法を基本とし、人口の脆弱性、気候の脆弱性、農業の脆弱性、就業の脆弱性を含めた。タミルナドゥ州の異なる農業気候地域で1980-2001 年までの3期間の指標を7地域で比較した結果、高降水量地域が一番脆弱性が高いことが明らかになった。脆弱性指標は、脆弱性をモニターし、脆弱性を低下させるための対策を開発し、優先順位を考え、またそれらの対策の効果を検討する際に潜在的に有効な方法であろう。和文のものは、英文の内容を要約したもの

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