本證寺蔵「高野大師行状図画」考: 十巻本系写本の補考をかねて

Abstract

publisher奈良弘法大師空海の伝記絵巻には種々の作品があるが、最も多く流布したのは十巻本「高野大師行状図画」の系統である。現存作品に限ってみても、元応元年(一三一九) の年記を持つ白鶴美術館本をはじめとし、延暦寺本(応永十四年、一四〇七)、個人蔵本(文明六年、一四七四)、大蔵寺本(延徳二年、一四九〇)、宝集寺本(永正三年、一五〇六) 等があり、これ以降の作品も数点知られている。右の五本については、筆者は先に一考を試み、その転写系統を想定した越、その後、愛知県本謹寺所蔵の新出本(文明三年、一四七一)を調査する機会を得た。本稿では、この新出本を紹介するとともに、前稿で行った諸本の図様比較について、若干の補考を加えることにしたい

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