北村, 敬一郎

山本, 敏男

服部, 淳彦

池亀, 美華

田畑, 純

矢野, 幸子

鈴木, 信雄

Community Repository of Fukui

 26
P-06 
 
宇宙におけるウロコの破骨細胞の形態及び細胞活性の変化 
 
○鈴木信雄 1・池亀美華 2・田畑 純 3・北村敬一郎 4・矢野幸子 5・山本敏男 2・ 
服部淳彦 6 
 
1金沢大・環日セ・臨海、2岡山大・院・口腔形態、3東京医科歯科大・院・硬組織構造生物学、4金沢大・
保健・検査、5宇宙航空研究開発機構、6東京医科歯科大・教養・生物 
 
魚のウロコは、哺乳類骨組織と類似した硬組織を有し、特に淡水魚のカルシウムの貯蔵庫として機能
する。近年、我々はキンギョのウロコの培養系を確立し、過重力及び 3次元クリノスタットを用いた疑
似微小重力に対しても骨組織と同様の応答を示すことを明らかにしてきた。一方、宇宙空間では著しい
骨量減少が生じることが知られ、その機序として破骨細胞の骨吸収活性の促進が示唆されているが、未
だ不明な点が多く残されている。その理由の１つとして、宇宙実験では破骨細胞の培養系維持が困難で
あることが挙げられる。そこで我々は、キンギョの再生ウロコを用いて、破骨細胞に対する微小重力応
答を解析した。 
破骨細胞のマーカーの一つである酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ（TRAP）活性ならびにアクチン
リングのほとんどは溝条に沿って観察され、波状縁形成も確認された。その破骨細胞の形態学的な変化
を詳細に調べると、破骨細胞当たりの核数、アクチンリングを有する破骨細胞の割合、溝条縁に沿って
アクチンリングが観察される割合、ならびに溝条の幅は、宇宙空間で遠心機を用いて 1G にした対照群
に比べ µGの方が有意に大きかった。さらにウロコ単位面積当たりの TRAP 酵素活性においても µG群
の方が有意に高かった。 
以上より、微小重力環境下でウロコの破骨細胞は大型化し、その吸収活性は促進されることが判明し
た。 
 
 
 


宇宙におけるウロコの破骨細胞の形態及び細胞活性の変化

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