Abstract

出版社版過去5年間に手術を施行した下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)235例のうち,鼠径靱帯以下の末梢動脈血行再建を要した165例202肢を対象に,虚血性足病変の治療における問題点を検討した.71例はFontaine III度またはIV度の重症虚血肢であった.非糖尿病群は膝下膝窩動脈へのバイパス42%,足関節領域へのバイパス6%であった.糖尿病群は膝窩動脈へのバイパスは比較的少なく,足関節領域へのバイパスは50%を占めた.肢趾切断は,非糖尿病群9%,糖尿病群39%と糖尿病群が有意に多かった.下腿以上の大切断を要したのは,糖尿病群の4例であった.糖尿病合併下肢AS0に伴う足部病変は,潰瘍や壊死部分に感染を伴っていることが多く,切断端の創治癒には感染の制御が非常に重要であり,最近ではシャワー浴等の大量の流水による洗浄を基本としている.2003年から足部切断創の処置にvacuum-assisted closureを取入れ,良好な肉芽形成がみられ

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