research

カガク ホウシャセン リョウホウ カンジュセイ ニヨル ショクドウガン チリョウ ノ コベツカ ニ カンスル ケンキュウ

Abstract

食道癌に対しては従来より手術治療法が標準治療とされてきたが、治療法の多様化と進歩に伴い、個々の症例に応じた治療法が選択されるようになってきた。特に化学放射線療法は外科治療に匹敵する程の治療成績が報告されるようになった。一方で効果 が不十分であったり、癌が再燃した場合にはsalvage手術の適応となるが、術死が12-15%と大変riskが高いため、治療効果をあらかじめ予測し、個別化治療を確立することが急務である。  本研究では、術前治療としての放射線照射と5FU+CDDPによる化学療法の効果を癌関連遺伝子変異、3DCT、PETにて評価し、治療効果予測を検討した。  これまでの検討で、以下の点が明らかとなった。 1)p21(-), (+)のCRT後組織学的Grade3は13.5% vs 44%とp21(+)で有意に治療効果が高かった。 2)治療前後のPETでの効果予測と組織学的評価の対比では特にPETではリンパ節の効果予測が正確にはできなかった。 3)照射野内外でのリンパ節への治療効果の検討で照射野外では効果が低かった。 4)PETのSV値の変化でCRTの組織学的効果を予測するのは必ずしも十分ではなかった。 5)CRT<40GyまでのA群、50Gy<のB群ではTunnel index 8.8% vs 11.6%,MIB-1 index 40.2% vs 12.3%、照射野内リンパ節の組織学的効果12% vs 20%であった。 6)3DCTによるvolumetryでの評価は臨床的治療効果を判定する上で有用であり、また組織学的効果判定との相関も認められた。 現時点では種々のBiomarkerや画像診断による食道癌に対するCRTの組織学的効果予測は必ずしも十分ではなく、今後更なる精度の高い効果予測法の確立が重要である

    Similar works