京都大学0048新制・課程博士理学博士理博第133号新制||理||94(附属図書館)1948京都大学大学院理学研究科物理学第二専攻(主査)教授 町田 茂, 教授 湯川 秀樹, 教授 林 忠四郎学位規則第5条第1項該当Kyoto UniversityDA

Shirafuji, Takeshi

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Title Green's Function of Bilocal Field Equations( Abstract_要旨 )Author(s)Shirafuji, TakeshiCitationKyoto University (京都大学)Issue Date1968-03-23URL http://hdl.handle.net/2433/212834RightType Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University【31 】氏)学 位 の 種 類学 位 記 番 号学位授与の日付学位授与の要件研 究科 ･ 専攻学位論文 題 目志し士孟桝博藤肌学白3理理 博 第 133 号昭 和 43年 3月 23日学 位 規 則 第 5条 第 1項 該 当理 学 研 究 科 物 理 学 第 二 専 政Green'SFunctionofBilocalFieldEquations(二点局所場の方程式のダーリン函数)(主 査)論文 調査 委員 教 授 町 田 茂 教 授 湯 川 秀 樹 教 授 林 忠四郎論 文 内 容 の 要 旨現在の素粒子論は, 場の量子論の枠組の下で構成されているわけであるが, 後者の理論にはそれが建設された当初より40年来, いわゆる "発散の困難" が内包されている｡ 周知のように場の量子論は, 相対論と量子論の上に組立てられているが, それが対象とする物質要素としてほ古典論における質点模型によっている｡ たとえ量子論によって波動性が現われても原理的には幾何学的な点に収縮した状態を造りうる構造になっており, これが発散の困難をうむ原因に連なっている｡ 一方において素粒子に対する点模型はこのような原理的な困難を含む以外に, 今日までに相ついで発見されてきた数十種の現実の素粒子もしくは励起状態と呼ばれる物質の要素の多様性を説明することは殆んど不可能であると考えられている｡ いわば点模型に立つ現在の局所場の理論では諸々の質量, スピンをもつ個々の素粒子に対し, 夫々局所場が対応すると考えるわけであるが, 何散にこれ らの性質をもつ素粒子が自然界に存在するかは説明しえず, 理論にとってそれはいわば偶然にすぎないという欠陥をもつ｡ しかし, 現実には, このような物質の複雑な存在様式や, それらの問の相互作用の構造を統一的に説きあかすことこそが素粒子論の緊急の課題となってきている｡ この課題にこたえて, ここ数年来最も有力視されてきたアプローチとして複合模型の考えがある｡ それは見出されている現存の素粒子は,直接点模型に対応する文字通りの素粒子ではなく,むしろその背後により基本的な三つの要素が存在しており, 現存の素粒子はそれらの複合体であるとする説である｡ところでもう一方のアプローチとして,ここで改めて素粒子の点模型の原理的な問題に立ちかえり,素粒子に基礎的な拡がりを与えることによって発散の問題を解決すると同時に, 拡がりの内部状態の相違によって, 素粒子の多様性をも説明しようとする考えがある｡ この種の先駆的な研究は1949年 Yukawaによって非局所場の理論として展開された｡ ところで相対論や量子論の要請をみたしながら, 素粒子に空間的な拡がりを持ち込むことは, 非常に困難な問題である｡上述のYukawaはBornの相反性原理を手がかりとして bHocalfieldと言われる二点に関係をもつ非局所場を導入することに成功した｡ その後の研究でこの非局所場の自由場の構造はかなり明確になり, むしろ各種のスピンをもつ局所場に分解されてしまうこ- 84-とが示された｡ しかし, 最も興味ある相互作用をもつ場合については, 今日まで大きな進歩は認められなかったが, 最近に至ってこのような拡がりをもつ素粒子の伝播は現在高エネルギ- 物理学の現象論的分析の中で注目されているレジェ極現象と関係があることが指摘された｡ 申請者は, この問題に焦 点 を おいて, bHocalfieldのグリーン関数の数学的構造の分析の結果, レジェ極現象との関連を明確にした｡ この研究は, したがって, 今後拡がりをもつ素粒子の相互作用の問題を追求る上で極めて重要な地位を占めるものということができる｡論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨bHocalfield の伝播を研究するのに, 申請者は, グリーン関数の方法を通用する｡ そのため bHocalfieldの従う基礎方程式, 即ち重心運動の四元運動量を内的構造から生じる質量演算子と結ぶ関係式の存在を仮定し, これらグリーン関数のみたすべき方程式が導びかれるO これまでブリ- ン関数 の方 法 は,この -号bi-local"模型 によく似た通常の二体粒子系にひろく用いられているわけであるが, 申請 者 は,bi-1Ocalfieldの伝播を規定するのにこのアナロジーを採用するわけである｡ 本来相対論的な拡がりをもつ系の伝播をどのように規定するかは未知の問題であって, 本論文のグリー ン関数の設定は一つの興味ある見解である｡ この取扱いは従って非局所場のみならず, 文字通り二個の粒子に分解可能な通常の複合体に対しても適用可能な方法である｡つぎにこのグリーン関数の一般的な性質について, これの従う基礎方程式のもつ時空間対称性- ローレンツ変換の下での性質から重要な結論がもたらされる｡ その性質は系の四元運動量が, モ時間的〝か モ空間的〝かによって大きな相違を示す｡ まずそれが モ時間的〝な時は系は, littlegroupとして三次元回転群0(3)をもつ｡ 従ってグリー ン関数は, この領域では0(3)の既約ユニタリ表現に対応する二体の相対角運動量の固有状態で展開が可能である｡ 即ちよく知 られた部分波分解の方法が成り立つ｡ それに対して四元運動量が モ空間的〝な時は, 系の 1ittlegroupは三次元ローレンツ群0 (2,1)にわかる｡ 従ってグリ- ン関数はこの領域では, 二体の相対座標について, この0 (2,1)の表現の固有状態によって,適切に展開されることになり, むしろ前の部分波分解はそこでは一般に発散する結果をもたらす. ところで0(3)の回転群の表現はよく知られた整数もしくは半整数角運動量に対応するユニタリ表現でつ くされるが, 0 ( 2 , 1 ) のいわゆるノン･ コンパクト群の表現においては, ユニタリ表現以外にこれまで量子論ではなじみのない任意の複素数値の角運動量に対応するノン･ユニタリ表現が現われる｡ 後者が, 今日高エネルギー物理学の現象論的分析の中で葺要な役割を演じているレジェ極現象に対応している｡ ところでグリー ン関数の中で, このノン･ユニタリ表現に対応する部分は, 基礎方程式の解の斉次項として,いわば微分方程式の解0)不定項として現われている. 申請者は, 従って物理的に非常に重要な意味をもっこの不定項を決定する原理を考察する｡ そもそもこの種の不定性は, 数学的には境界条件によって決まるものであるが, 申請者は, これに相当するものとしてグリーン関数のもつ解析性に着目する｡ 即ちこの不定項の形を決める原理として, 上に述べた二つの領域で与えられたグ リー ン関数が解析的に相互に接続可能であるという要請をおく｡ そしてこの要請は実際不定項の形を決定するのに十分であることが証明される｡- 8 5 -申請者は, 上述のように, bHocalfieldの基礎方程式のもつローレンツ群の下での不変性に基づ いて, 群論的な方法を駆使して, それのもたらすグリー ン関数, 即ち bHocalfieidの伝播が明確にレジェ極現象に対応する部分をふくむことを厳密に示した｡ このことは, 申請者の物理的洞察力とそれを実現化する数学的能力を十分証明すると同時に, この成果は今後この分野の研究にとって大きな役割を果すものと言える｡参考論文2-5は, S 行列理論の手法を用いて, 素粒子の複合性を研究したもので, この方面における申請者の学識と練達をうかがわせるのに十分である｡よって, 申請者白藤孟志の提出論文は学位論文として価値があるものと認める0- 86-

二点局所場の方程式のグーリン函数

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二点局所場の方程式のグーリン函数

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