京都大学0048新制・論文博士理学博士乙第1536号論理博第294号新制||理||116(附属図書館)2544UT51-45-U35(主査)教授 前田 坦, 教授 山元 龍三郎, 教授 国司 秀明学位規則第5条第2項該当Kyoto UniversityDA

Okuzawa, Takashi

Okuzawa, Takeshi

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TitlePropagation of Finite-Amplitude MagnetohydrodynamicWaves in the Non-Uniform Magnetosphere in Assoc iationwith the Sudden Commencement of Geomagnetic Storms(Abstract_要旨 )Author(s)Okuzawa, Takeshi; Okuzawa, TakashiCitationKyoto University (京都大学)Issue Date1970-01-23URL http://hdl.handle.net/2433/213313RightType Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University氏 名学 位 の 種 類学 位 記 番 号学位授与の日付学位授与の要件学位論文題 目論文調査 委員【79】奥 滞 隆 志)お く ざわ たけ し理 学 博 士論 理 博 第 294号昭 和 45年 1 月 23日学 位 規 則 第 5 条 第 2 項 該 当PropagationofFinite-Amplitu.deMagnetohydrodynamicWaves in theNon-Uniform Magnetosphere in AssociationwiththeSuddenCommencementofGeomagneticStorms(磁気嵐急姶部に関連した有限振幅磁気流体波の非一様磁気圏での伝播)(主 査)教 授 前 田 坦 教 授 山元龍三郎 教 授 国 司 秀 明論 文 内 容 の 要 旨地球の磁気圏の概念が確立し, その内部がプラズマで満されていることが判明して以来, 磁気圏に関する古典理論を電磁流体力学'の立場から書きなおす必要が生じ, 多くの人々がその試みをして きた. しかし, これらの人々の研究は, いずれも磁気圏全域にわたって磁場の乱れの振幅がその平均値に比べて十分小さいとして線型化して論じるか, 磁気圏媒質は一様であるとの仮定を用い簡単化して取扱ったものである｡ しかし, 最近のスペース ･プローブによる直接観測や, VLF帯電波の伝播による間接観測の結果は,いずれも上記のような簡単化が少なくとも上部磁気圏において不適当であることを示している｡本論文は磁気圏内外で磁場に直角方向に伝わる磁気流体波を, 媒質の非一様性および波の非線型性を合わせて考慮に入れて論じ, その結果を磁気嵐急始部分 (通常SSC と略記する) の解釈に役立たせようとしたものである｡最近スペース ･プローブによる観測から, SSC が太陽風内を伝わって来る衝撃波または不連続面によるらしいという証拠が断片的に示されている｡ 申請者はまず, 太陽風内の衝撃波が磁気圏内に侵入する前におこる弓型筏撃波面 (bowshock)および磁気圏界面 (magnetopause)との相互作用を調べ, その結果としてうける減衰を定量的に調べたO さらにそのように減衰をうけた衝撃波が磁気圏内を伝わる様子を調べるために, 磁気圏内の媒質を細分化し, その各層毎には媒質の一様性が成立していて, 各層に移る際にうける部分反射の積み重ねが全体の減衰になるという考えに基づいて, 磁気圏内で期待される入射衝撃波の減衰を計算した｡ その結果, 太陽風内に存在すると考えられるもっともらしい衝撃波は地球半径の2 -4 倍の地心距離に達すると, 弱衝撃波または正規波になることを確かめた｡ そこでこのような距離に典型的な初期波面を仮定して, フェルマーの原理により波の伝播を計算した結果, 波が地球の赤道部にむかって集中する傾向を見出し, 地上で観測されるSSC の赤道部増大の性質に寄与している事を示した｡他方SSC は太陽風内の衝撃波のみならず, 不連続面によってもおこされる可能性が観測から示唆されている｡ この場合, 磁気圏前面は高電気伝導性プラズマ粒子群にとって鏡面壁とみなし得ることに着 目- 2 1 9 -し, 壁を通る変移の問題とみるより, むしろ墳界壁の超音速運動によってその前方に新たな波が発生するという考えで, 仮想粘性を導入した基礎方程式を一次元ピス トン問題として解いた｡ その結果, 場所の函数としての波のプロファイルを明らかにすると同時にSSCの立上り時間を説明するのに都合のよい一つの因子をつけ加えた｡さらに現実の磁気圏に存在するといわれている媒質密度の急変面 (plasmapauseとよばれている) を考慮に入れることによって, この面と磁気圏界面との問で波の多重反射がおこり得ることを見出した｡ この結果は, 地上で観測される30-150秒周期の地磁気脈動のSSC時の振舞いが, このような密度急変面の存在に原因するであろうことを示唆している｡申請者はさらに, 上記の巨視的波動の振舞いから, 微視的波動およびその不安定性にまで研究を進め,主論文の最後において申請者が数値計算に際して導入した仮想粘性を物理的立場から検討している｡参考論文9編中, 最初の6編は有限振幅磁気流体波の伝播をくわしく取扱ったもので, 主論文の基礎となるものである｡ 次の2編は外気圏での等方波動の伝播や準線型理論の適用性を議論したもので, 最後のものでは磁気圏内の対流のシァ- がドリフト不安定に及ぼす影響を議論している｡論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨地上で観測される磁気嵐は, 通常SSCと略記される急始部分で始まる事が多い｡ この部分の説明として, 太陽粒子流と地球磁場との相互作用を詳しく取扱った Chapman-Ferraro理論がある｡ この理論では, 相互作用の結果, 地球磁場は圧縮されてその表面に電流が流れ, その磁場効果としてSSC現象を説明している｡ この考え方は基本的には間違っていないけれども, 問題を真空中で考えているので, 地球のまわりの空間がプラズマで満たされている事が知られている現在, そのままでは理解しにくい｡ 申請者はこの問題を磁気流体波の生成と伝播という立場から, 現実に近い磁気圏モデルに基づいて詳しく再検討した｡ このような立場からの取扱いはすでに他の人々によってもなされているが, 数学的取扱いの困難さのために, 非常に制限された条件 (或は仮定) の下に議論されているにすぎない. 特に線型の近似や一様媒質の仮定などは, いずれも現実の地球磁気圏には用いられないものである｡申請者の研究は大きく3つに分けられる｡ まず最初に, フレアのような太陽面現象によって出来たと考えられる太陽風内の衝撃波が, 地球の弓型衝撃波面や磁気圏界面のような2 つの不連続面を通過する時の波の減衰のようすを調べ, さらに磁気圏内に伝わるとその非一様性のために一層減衰して, 地心距離 2 -4RE (RE は地球半径) に達するまでに, 考えられるような太陽風内衝撃波はすべて正規波 (または弱衝撃波) になってしまう事が見出された｡ そこでそのような距離に初期波面をもつ波の伝播を計 算 した結果, 地球赤道に向って波が集中する傾向にある事を示した｡ この結果は, 地上で観測されるSSC の赤道付近での増大とよく一致している｡次にSSC やそれに似て嵐を伴わないSIとよばれる現象が衝撃波によるものだけでなく, 太陽風内の不連続面でもおこり得るとの予想から, 問題をピストン問題でおきかえて, 磁気圏界面での衝撃波の生成とその伝播を調べ, 次の結果を得た｡ (1)太陽風内の不連続面での圧力増大は, 磁気圏界面で新たに伝播性の磁気流体衝撃波を発生し得る｡ (2)そのような衝撃波は地心距離4 R B あたりで正規波 (または弱衝撃波)-220-に減衰する｡(3)磁気圏内外での圧力平衡から気体圧が磁場圧と同じ位大切であると考えられるので, 線型理論でなされる coldplasmaの仮定は有限振幅波を考える限り用いられない｡(4)波面の後方の温度分布から, 衝撃波によって leV 程度の粒子が 100eV まで加熱されると考えられる｡(5)磁気界面と衝撃波面との問の空間がS S C や S I の立上り時間の決定に重要な役割を果す｡ これらの結果は, いずれも観測結果の説明に都合がよい｡さらに現実の磁気圏に近いモデルとして, プラズマ圏界面が存在する場合についても同じような計算を試み, そのような圏界面の存在が, S S C に伴って現われる地磁気脈動の説明に非常に都合が良い事を示した｡ そして最後に, 無衝突衝撃波の層流論と乱流論の立場から, 衝撃波の減衰に対する物理的解釈について詳しく考察している｡このように, 本論文は最近のプラズマ物理学の知識を背景に, 現実に近い磁気圏モデルを用いて有限振幅磁気流体波の発生や伝播を詳しく検討し, その結果, 磁気嵐の急始部分の解釈に新しい知見を加えたもので, 地球磁気学の分野の進歩に貢献するところが少なくない｡参考論文 1 - 6 は主論文の基礎をなす研究であり, 参考論文 7 は等方モード波の伝播を, 参考論文8 は電子プラズマ振動を例にとって準線型理論を検討したもの, 参考論文9は磁気圏でのドリフト不安定を議論したもので, 申請者のすぐれた研究能力を知ることが出来る｡以上を総合して本論文は理学博士の学位論文として価値があるものと認める｡■ -221-

ジキアラシキュウシブニカンレンシタユウゲンシンプクジキリュウタイハノヒイチヨウジキケンデノデンパ

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