京都大学0048新制・課程博士医学博士医博第303号新制||医||123(附属図書館)1677京都大学大学院医学研究科内科系専攻(主査)教授 脇坂 行一, 教授 高安 正夫, 教授 深瀬 政市学位規則第5条第1項該当Kyoto UniversityDA

Okuma, Minoru

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Title Studies on Experimental Immune Thrombocytopenia(Abstract_要旨 )Author(s)Okuma, MinoruCitationKyoto University (京都大学)Issue Date1967-05-23URL http://hdl.handle.net/2433/212221RightType Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University､ r I -. . I , _ …. _ . - ､ ､ ー氏)学 位 の 種 類学 位 記 番 号学位授与の日付学位授与の要件研 究 科 ･専 攻学位 論 文 題 目博巨" ま育-学大帥医稔みのる士医 博 第 303 号昭 和 42 年 5 月 23 日学 位 規 則 第 5条 第 1項 該 当医 学 研 究 科 内 科 系 専 攻StudiesonExperimentalImmuneThrombocytopenia(実験的免疫栓球減少症に関する研究)(主 査)論 文 調 査 委 員 教 授 脇 坂 行 一 教 授 高 安 正 夫 教 授 探 瀬 政 市論 文 内 容 の 要 旨近年免疫血液学の進歩に伴い, 栓球減少性紫斑病特に特発性桂球減少性紫斑病 (ITP)患者に於て抗栓球抗体が証明されその栓球減少に免疫学的機序 (特に自己免疫) の関与が重視される に 至 った｡ 然し本抗体産生機序は尚不明の点が多いため, 実験的に動物に於て免疫栓球減少症を作成 しその解明に資せんとした｡第- 篇に於ては, ヒト栓球より前川氏 Erythron-Alergy に準 じて抽出した燐脂質 (P)にウシ血清(S)を加えたもの (P+S)(第1群), Pのみ (第2群) 及びSのみ (第3群) をそれぞれ抗原としてウサギを感作後その抗原を用いて惹起注射を行ない末梢血液及び骨髄に於ける血球の変動を観察 した｡ その結果第 1群に於てのみ著明な特異的栓球減少を認め骨髄巨核球の減少及び質的変化 (成熟型の減少, 幼君型の比較的増加, 退行型の増加及び栓球形成障碍) を認めたが第2群では著変なく第3群ではアナフィラキシーによる一過性の白血球及び栓球減少のみ認めた｡ そこで第二篇に於て抗原分析を invivoで行ない次の結果を得た｡ 即ち Pのみでの感作は不能であるが, (P+S)で感作後惹起注射の直前にP又 はSのみ注射すれば,(P+S)による惹起注射後の栓球減少が阻止されることなどから, (P+S) は複合抗原(complexantigen)で Pは haptenの性格を有 し抗原の決定分子群では Sはその担体 (Schlepper)となっていることを明らかにし得た｡ ヒト, ウシ及びブタの栓球燐脂質は種族特異性を示さず細胞特異性を有 した｡ 抗原の蛋白質部分は卵白アルブミン (OA)でも栓球減少を惹起できたが, この際感作に用いた抗原の蛋白部分もこれと homologousなることを要 した｡ またウシ大動泳内皮の燐脂質では前記の (P+S)による栓球減少を阻止できず血管内皮と栓球の両燐脂質問に共通な決定分子群は証明できなかった｡第三篇では (P+ O A ) 感作ウサギの抗血清につき補体結合反応 (CF)を行ない, その抗体には, (P)と反応するものと (O A ) と反応するものが存し, 更に(P)には種族特異性のない事を明らかにした｡(P+S)感作ウサギでは, 抗体はγ- グロブリンで栓球に結合しており, 一部の例では血清中にも存することを栓球抗グロブリン消費試験で明らかにした｡ かかる感作ウサギ栓球から得た誘出液で被働感作されたウサギ-223-は東に(P+S)を静注されてのみ著明な栓球減少を認めたことから, この抗体は栓球と反応し更に(P+S)が加わって初めてこれを障碍すると考えられた｡ 以上の実験をモデルとして主として hapten関与の立場から抗原の考察を行ない ITPに於ける自己抗体産生機序に言及した0第四篇及び第五篇では薬物アレルギーによる栓球減少症の発生機序を明らかにするため臨床的に最も報告の多い quinidinesulfateを用いてウサギを感作し免疫学的検討を加えた｡quinidineのみの静注では感作に成功しなかったが, quinidineの溶液中に嫡置後 quinidine の溶液で洗推された自己栓球を用いて感作すると一部の例で quinidine溶液のみの静注で栓球減少が惹起できた (invivotest陽性)｡ このウサギ血清による被働感作可能で, 栓球凝集反応及びCFは血清, 薬物及び栓球の三者存在下にのみ陽性であった｡ 又抗グロブリン試験及び同消費試験も薬物を加えて抗体と反応させた栓球を用いて の み陽性で, 抗体はγ-グロブリンであった｡ 免疫反応に関与する薬物の態度を検討し更にその特異性を追求するため quinidine及びその誘導体 (dihydroquinidine, Cinchonine) とこれらの光学異性体 (quinine,dihydroquinine, cinchonidine)を用いて invivotest及び CF を行なうと右旋体でのみ陽性であった｡ 臨床上本症は投薬を受けた患者中極めて稀にのみ出現するが本実験でも感作ウサギの一部に於てのみinvivotest陽性で, これは, quinidineで修飾された自己栓球の抗原性が微弱なためと考えられた｡第六篇に於ては抗ヒト栓球モルモット血清をウサギに静注して, 抗ウサギ栓球モルモット血清を用いた場合と同株の栓球減少症を作成し得た｡ この事からヒトとウサギの栓球問に共通抗原性の存することが推定された｡ 更に上記モルモット抗血清とヒト, ウサギ, ブタ及びウシ栓球とのCF及び吸収実験からヒト栓球には種族特異抗原と共に種族間共通抗原の存することを明らかにし, この事実から栓球減少症の患者血清をウサギに静注して栓球数の経時的変動を検する ｢ウサギ栓球減少効果｣(Miescher)が抗ヒト栓球抗体の検索に供し得ることを確認した｡以上栓球燐脂質,quinidine及び抗ヒト栓球抗体を用いて実験的免疫栓球減少症を作成し, 抗原及び抗体に対する検討を行ない, ヒトに於ける免疫栓球減少症の発生機序に考察を加えた｡論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨免疫栓球減少症における栓球抗体の産生機序については, なお不明の点が多い｡ 著者は動物に実験的免疫栓球減少症を作成し, 抗原および抗体の分析を行なった｡ まずヒト栓球燐脂質 (P)とウシ血清 (S)で感作したウサギにおいて (P+S)の再注射により著明な特異的栓球減少のおこることを認め,(P+S)は接合抗原がPは haptenの性格を有すること, またヒト, ウシ, ブタの栓球 Pは種族特異性はないが細胞特異性があること, (P+S)感作ウサギでは抗体はr グロブリンで栓球に結合しており, 一部の例では血清中にも存することを明らかにした｡ さらにウサギにおいてquinidineと酵置した自己栓球で感作すると, 一部の例で quinidineの再注射により著明な栓球減少がおこることを認め, この場合には quinidineは haptenとして作用し, 栓球と quinidineの複合体に対して抗体が産生されること, またこの反応において quinidine およびその誘導体との問にはその立体構造に関して特異性のあることを証明した｡ さらに抗栓球血清を用いて, ヒト, ウサギ, ブタ, ウシの栓球間には種族特異性抗原とともに, 種族間共通抗原の存在することを明らかにした｡-224-以上本論又は免疫栓球減少症の発生機序について有意義な知見を提供するものであり, 医学博士の学位論文として価値あるものと認める｡-225-

実験的免疫栓球減少症に関する研究

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/212221/1/yigak00303.pdf

実験的免疫栓球減少症に関する研究

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