京都大学0048新制・論文博士医学博士論医博第306号新制||医||107(附属図書館)1390(主査)教授 木村 忠司, 教授 半田 肇, 教授 本庄 一夫学位規則第5条第2項該当Kyoto UniversityDA

Ban, Toshihiko

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TitleÜber Blutgerinnungsstörungen beim extrakorporalen Kreislauf,mit besonderer Berücksichtigung der Frage desPerfusionsblutes und des gefahrlosen Durchführens derlängeren Perfusion( Abstract_要旨 )Author(s)Ban, ToshihikoCitationKyoto University (京都大学)Issue Date1966-06-21URL http://hdl.handle.net/2433/211910RightType Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University氏学 位 の 種 類学 位 記 番 号学位授与の日付学位授与の要件学位 論文 題 目伴飢医論昭【157】彦批士敏れ博学医 博 第 306 号和 41 年 6 月 21 日学 位 規 則 第 5 条 第 2 項 該 当●tJber B lutgerinnung sst6rungen beim extrakorporalenK reislauf, n it besonderer B eriick sich tig ung der F ragedes P erfusion sblutes und des gefah rlosen D urch f也hren sder langererL P erfusion(体外循環に際しての血液凝固系の障碍とその防止対策に就いての臨床的研究, 殊に充填血選択の問題と長時間体外循環の安全性確立のために)論文 調査 委員 数(㌔ 覧 村 忠 司 教 授 半 田 肇 教 授 本 庄 一 夫論 文 内 容 の 要 旨人工心肺装置をもってする開心術は今日極めて安全に施行され得るようになってきたとはいえ, なお 2時間を越える長時間体外循環の成績は必ず しも満足すべきものではなく, 重症例の増加 した今日その安全性の確立が極めて重要な課題となってきた｡体外循環後における最も不愉快な合併症は血液凝固障碍に基因する出血傾向の発現であり, 長時間体外循環の安全性を確立するためには本問題の解決こそが極めて重要な課題といい得るであろう｡教室において K ay-Cross型人工心肺装置を用いて行なわれた開心術症例は今日までに計155例に達 しているが, その中の35例について, 体外循環の血液凝固系に及ぼす影響について検討するとともに, かかる観点から人工心肺充填血の選択に関する問題について検討 し, 長時間体外循環■の安全性を確率すべく努力した｡一般に体外循環後の血液凝固系の変動は体外循環直後に最も強く, その程度は環流中の血液破壊の大なるものでは体外循環中止後 circulating anticoagulant の出現による H ypocoagulability の状態を呈 し,しかもその程度は血液破壊の程度の大なるものほど高度で, 同時に線維素溶解系の活性上昇を認めた｡ しかし, 環流中の血液破壊の程度が小なる場合には環流中止後かえって H ypercoagulability の状態を呈 したのである｡ さらに環流中止後, 血液凝固系が正常状態に復帰する過程において H ypocoagulability とH ypercoagulability の状態が交互に出現することが明らかとなった｡ したがって, かかる体外循環後の血液凝固系の変動は結局健常状態下では平衡状態を保っている Coagulation system と A nticoagulationsystem とが D issociation を惹起 した結果招来される現象であることが判明した｡前述のごとく, 体外循環後の最も不愉快な合併症である出血傾向の発現を抑制し, 安全に長時間体外循環を施行するためには, 体外循環中の血液破壊を可及的減少せしめるように努めることが最も肝要であるといえる｡ かかる観点から体外循環中の血液破壊の最大の原因となる心腔内吸引操作を可及的に避ける意味で, 長時間の体外循環を行なう必要のあるような場合(ファロー氏四徴症根治手術, 人工弁移植術)には- 393 -常に選択的冠環流冷却法により人為的に心停止 を惹起せ しめた上, 右房または左房よりの落差吸引を図りながら開心術を施行するように爾来努めることとした｡ また人工心肺充填血 につ いて も検討を加え,Plasm a expander によって適切に稀釈 した充填血をもって体外循環を行なうときは体外循環時の血液破壊の程度をより- そう減少せしめ得ることを明らかならしめ得た｡ この際充填血の稀釈の程度をいかほどにすべきかが大きな問題となる｡ そこでこの点についても検討 し充填血として, 5 % ブ ドウ糖加ヘパ リン也 :P .Ⅴ.P.+ イプシロン :Plasm a expander (結晶アミノ酸液または低分子デキス トラン) を10 :1 :2.5割合に混和 したものを用いることが最も適切であることを立証 した｡ しかしその後 M annitol が体外循環の時の腎障碍の発生防止に極めて有効なことが判明するに及び, 5 % ブ ドウ糖加- バ リン血 : P.Ⅴ.P.十イプシロンを10 : 1の割合に混和 したものに 20% M annitol を使用してそれを 1.5- 2 g/kg の割合にさらに添加したものを充填血として使用するのが最も合理的なる事実を知り, かかる充填血をもって, しかも上述のような操作によりファロー氏四徴症に対する根治手術, 多弁人工弁移植術等の長時間体外循環を極めて安全に施行 し得るようになった｡かくして, 現在では最早 3時間程度の完全体外循環は安全に施行 し得る段階に達 した｡論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨伴 敏彦は 2 時間以上にわたる長時間体外循環の安全性を向上せ しめる目的で, 当教室において今 日までに行なわれた 155名の開心術施行症例中, 35名について, 体外循環前後の血液凝固時間, プロトロンビン時間, フィブリノーゲン値, 血小板数, 線維素溶解系の示す態度. トロンポエラス トグラム, ヘマ トクリット値, 溶血度等を総合的に測定 し, 次の結論を得た｡1 ) 長時間体外循環の安全性を高めるためには体外循環中の血液破壊をできるだけ小ならしめることが最も大切である｡2 ) そのためにとるべき対策としては, (イ)血液破壊の最大の原因となる心腔内血液の吸引をできるだけ避ける｡ 回選択的冠環流冷却法により人為的心停止 を招来せ しめ, 右房または左房からの落差吸引を計る｡ H Plasm a expander により適切に希釈 したじゆうてん血をもって体外循環を行なうが, その希釈の程度は 5 % ブ ドウ糖加- バ リン血10に対 して P .V .P . とイプシロンの両者を 1の割合になるように添加,それに 20% M annitol を 1･5- 2 g/K g の割合にさらに添加する程度とした場合最良の結果を得た｡3 ) かかるじゆうてん血および対策を応用 してからフアロ- 四徴症, 人工弁の多弁移植など長時間体外循環の安全性は著 しく向上 しファロー四徴症においては最近の12例中死亡 2例, 弁移植 4 例中死 1例の成績をあげるに至った｡本論文は学術上有益にして医学博士の学位論文として価値あるものと認定する｡---394 -

体外循環に際しての血液凝固系の障碍とその防止対策に就いての臨床的研究, 殊に充塡血選択の問題と長時間体外循環の安全性確立のために

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