京都大学0048新制・課程博士理学博士甲第1157号理博第230号新制||理||150(附属図書館)3158UT51-47-A368京都大学大学院理学研究科化学専攻(主査)教授 山本 常信, 教授 高木 秀夫, 教授 辻川 郁二学位規則第5条第1項該当Kyoto UniversityDA

Tanaka, Hideho

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Title Thermal Behaviors of Magnon Side-Bands inAntiferromagnets( Abstract_要旨 )Author(s)Tanaka, HidehoCitationKyoto University (京都大学)Issue Date1972-01-24URL http://hdl.handle.net/2433/213835RightType Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University氏 名学 位 の 種 類学 位 記 番 号学位授与の日付学位授与の要件研 究 科 ･専 攻学位論文題目中翫苧田た理理 博 第昭 和 47年穂は士号0秀m博2?月 24日学 位 規 則 第 5条 第 1項 該 当理 学 研 究 科 化 学 専 攻ThermalBehaviorsofMagnonSide･BandsinAntiferromag･mets(反強磁性体におけるマグノン側帯の熱的な振舞)(主 査)論文調査委員 教 授 山 本 常 信 教 授 高 木 秀 夫 教 授 辻 川 郁 二論 文 内 容 の 要 旨反強磁性体による可視領域の吸収について最近興味ある実験が行なわれ, その理論的取扱いが数年来の話題の一つであった｡ それはスピン系が示す反強磁性や常磁性を, 分光学的手段をもって電子構造にまで掘下げて見るという新しい分野が開拓されたからである｡申請者は, 典型的な反強磁性体であるMnF2 において観測されたマグノン側帯を取り上げて, 現在の問題点のほぼ全貌を大づかみに理解するための理論を立て, 計算結果を実験と比較している｡田辺らによれば, 軌道状態問の遷移だけに注目すると選択則によって禁止されているものが, 同時に隣接するスピンの対の反転を考慮することにより許された電気双極子遷移となる｡ この機構に基づいて申請者は全吸収強度を全温度領域にわたって計算した｡ すなわち, Green函数の運動方程式をRPA近似で解く方法を複素電気感受率の虚数部分に応用して, スピン波領域から常磁性領域にわたって系統的な計算を行なった｡ その際必要とされたスピンの相関については,参考論文その1 で得られた結果が用いられた｡結果としては, まず5つの吸収帯の存在が見出された｡ 低温ではそのうち1つだけが優勢であるが, 温度の上昇につれてそれ以外の吸収帯も次第に成長する｡ 転移点近傍に到ってこれらの吸収帯は互に接近し,転移点の上では1本に合体する｡ 全吸収強度は5つの吸収帯を合わせると, 温度とともに増大し, 転移点の近傍およびその上でほぼ一定となり, 実験事実をよく再現するO論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨反強磁性体に関する最近の分光学上の発展は, FeF2における2-マグノン吸収の発見(1965)と, MnF2におけるマグノン側帯の発見 (1965)に始まる｡ これらの吸収はいずれも2つの素励起の同時的な励起による吸収であると解釈されて来た｡ すなわち, マグノンという言葉が示すように, 両者ともスピン波の存在と関係づけて理解され, そのため低温において特徴的な現象と見倣された｡ 事実, MnF2についての初期の測定では, 30K 附近で次第に吸収帯は巾広くなり, 転移点近傍では観測できなくなる｡ 従って以後- 94-の実験的ならびに理論的研究は主としてスピン波近似の成立する低温領域に限られ, 吸収曲線は一応満足な解釈を与えられたと見倣されていた｡ところが, 最近の M nF 2 についての実験によって, 吸収強度の温度変化が上述のものと異なる新しいマグノン側帯が見出されるに到った｡ この吸収帯は転移点の上まで持続し, 吸収強度は衰えない｡申請者はこの新しい事実にいちはやく注目し, 励起子とスピンからなる系の性質を, 田辺らの光吸収の機構に基づいて全温度領域にわたって系統的に調べることを試みたのである｡ このような目的のためには, 申請者が採用した二時間 Green函数の方法はまさにうってつけのものである｡ 申請者は長距離秩序のみを考慮した RPA近似を用いて Green函数の運動方程式を解いているが, これは最低の近似で全温度領域での吸収強度の大勢を知る目的のためには充分である｡ なおスピンの相関函数の表現としては参考論文その1 の結果がそのまま役立っており, この点も申請者ならではの手腕と言うべきであろう｡得られた結果について言えば, 全吸収強度が実験とよく一致する振舞を示すだけでなく, 吸収帯の構造に立入った考察がなされており, 個々の吸収帯の吸収強度も別々に求められており, 反強磁性体による光吸収についての従来の解釈の不完全が取 り除かれた｡ すなわち, 軌道励起に伴ってスピン対の反転がおこるならば選択則は満されるので, 一方軌道励起は有限のエネルギーを要するので, スピン状態が縮退しているか否かにかかわらず, 吸収は常に可能となる｡ この点は 2-マグノン吸収の機構と本質的に異なるところであって, これが申請者によってはじめて明確に指摘されたことは, 本研究の成果として格別評価されねばならない｡申請者と独立に, 殆んど時を同じくして, 望月と原田は同じ問題を同じ観点から取 り扱い, 転移点の上で殆んど一定の吸収強度を導いた｡ しかし彼等の採用した近似は申請者の用いたものに比べて粗いため,結晶の対称性もスピン系における素励起の状態密度も考慮に入れることができなかった｡ そのため申請者の研究は彼らのそれらに比べて造かに豊富な内容をもった結果を導いている｡参考論文その1は, 前に触れたように, 反強磁性体におけるスピンの相関を扱った労作であり, 残る3編はいずれも磁性体における転移点近傍の音波の異常性についての研究であって, 申請者のこの分野における研究能力と業績を示すに足るものと言えよう｡よって, 本論文は理学博士の学位論文として価値あるものと認める｡- 95-

ハンキョウジセイタイニオケルマグノンソクタイノネツテキナフルマイ

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/213835/1/yrigk00230.pdf

ハンキョウジセイタイニオケルマグノンソクタイノネツテキナフルマイ

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