京都大学0048新制・課程博士医学博士医博第379号新制||医||158(附属図書館)2045京都大学大学院医学研究科外科系専攻(主査)教授 本庄 一夫, 教授 木村 忠司, 教授 半田 肇学位規則第5条第1項該当Kyoto UniversityDA

Makino, Naohiko

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TitleEffects of Hepatic Periarterial Neurectomy upon Hepatic BloodFlow and Regeneration of the Liver after Partial Hepatectomyin the Dog( Abstract_要旨 )Author(s)Makino, NaohikoCitationKyoto University (京都大学)Issue Date1969-01-23URL http://hdl.handle.net/2433/213021RightType Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University氏 名学 位 の 種 類学 位 記 番 号学位授与の日付学位授与の要件研 究 科 ･専 攻学位 論文題 目牧 野 尚 彦)まき の なお ひこ医 学 博 士医 博 第 379 号昭 和 44年 1 月 23日学 位 規 則 第 5粂 第 1項 該 当医 学 研 究 科 外 科 系 専 政EffectsofⅡepaticPeriarterialNeurectomytlpOnHepaticBloodFlowandRegenerationoftheLiverafterPartialHepatectomyintheI)og(肝動脈周囲神経切除の肝血行及び肝再生に及ぼす影響)(ー主 査)論文調査委員 教 授 本 庄 一 夫 教 授 木 村 忠 司 教 授 半 田 肇論 文 内 容 の 要 旨近年, 肝臓外科における肝神経黄の問題が関心を集めている｡ 既に1947年 来, 仏 の＼MaleトGuy は"肝動脈周囲神経切除術" が肝炎の予後を軽快せしめると述べ, これはおそらく肝脂質代謝の改善によるものと推定している｡ 一方, McDermott 等は, 肝動脈周囲神経黄が肝血行に重大な影響を有することを認め, 同神経切除にもとづく肝血流増大効果を臨床的に応用する可能性を提起している｡しかし, 肝神経叢自体の生理的意義がなお明らかでないので, このような術式の効果には, なお多くの議論が存するところである｡この報告は, まず肝動脈周囲神経叢の構成を明らかにした上, 同神経切除の肝血行に及ぼす効果を観察し, 次いで, この効琴の肝部分切除後肝再生に与える影響を検討せんとするものである｡方法 :実験は全て成犬を用い, 手術はネンブタール静麻下に行なった｡ 神経草の組織学的観察のためには, 蛍光法, 髄鞘染色, 鍍叙法を用いた｡ 肝動脈及び門脈血流量の測定には, 各 電々磁流量計及び超音波血流計を用いた｡ 肝部分切除峠左上 ･下葉切除, 即ち40%切除を行ない, 肝再生率は, 術後4過までにつき, 術前肝重量の百分比にて評価し, 再生肝の組織学的観察を加えた｡結果 :(1)肝動脈周囲神経叢の構成要素肝動脈周囲神経叢は殆んど交感神経性節後繊維よりなり, その分布は肝動脈系に最も豊富にみ られ るが, 同神経叢切除後には, 肝内における, これら交感神経要素の広範な脱落を認めた｡(2) 肝動脈周囲神経切除後の肝血流量の変化神経切断の影響は, 各被験個体によって一様でなかったけれども, 要約するに, 実験例の約60%において, 肝動脈血流量は神経切断後に20-30%の上昇を示した｡ しかし, 約30%の例においでは, 神経切断後にも血流に有意の変動がみられず, 他に少数ながら一過性に初期減少を示す例もみられた｡ 門脈血流量はいずれの例も特有の変化は示さなかった｡-237-(3) 肝部分切除時の肝血流の変化正常犬では40%肝切除と同時に肝動脈血流量は術前の30-40%の減少を示したが, 門脈血流量には著変がなかった｡ 即ち, 残存肝の単位重量あたりの門脈血流入量は増加するが, 肝動脈血供給はほぼ術前に等し い｡この変化は, 肝動脈周囲神経切除を併施しても, 基本的に異るところはなかった｡(4) 肝動脈周囲神経切除の肝部分切除後の肝再生に及ぼす影響肝再生が上記神経遮断によって, 特異的に影響されるが如き結果は得られなかったけれども, 神経切断群においては, 肝重量増加が対照群に比し, やや高い反面, 体重の減少がより高度である傾向を認めた｡再生肝の組織学的所見, 糖原あるいは脂肪含量は各時期において, 対照群と何等異るところはなか った ｡考按ならびに結論 :肝動脈周囲神経叢の構成及び分布よりして, その主要な作用は, 肝血管運動支配にあると推定 され るが, その遮断が定常肝血流量を増大させるか否かほ, 一様に決定し難く, 肝血管緊張支配の性格に対し検討を要する｡従来, 門脈血流量の増大は肝再生を促進すると論ぜられているが, 肝動脈周囲神経切除の効果が, 肝部分切除後の肝血流量上昇に大きな役割を涜ずるとは考え難い｡肝神経遮断後の肝再生に対して, 血行上の影響と別に, 肝代謝機能を介した影響については, 更に別途考慮の要があるものと思われる｡論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨肝動脈周囲神経叢の生理学的意義については議論のあるところで, 外科方面でも神経切除の治療効果を説 くものもある｡ そこで, 著者は同神経切除の肝血行におよぼす影響, さらには肝切除後の肝再生に与える影響について, 犬を対象として検討を加えた｡肝動脈周囲神経叢はほとんど交感神経節後線維よりなり, これの切除後は肝内の交感神経要素の広汎な脱落を, 特に蛍光法を応用して組織学的に確認した｡切除後の肝血流量の変化は個体差がはげしく, 肝動脈血流量は実験例の約60%で20%ないし30%の上昇を示すが, 約30%では有意の変動はみられず, また門脈血流量には特有の変化はない｡40%肝切除後, 動脈血流量は30% ないし40%の減少を示したが, 門脈血流量には著変はなかった｡ 神経切除を合併しても基本的にはことならない｡神経切除の肝再生におよぼす影響は肝重量増加がやや高くなる反面, 体重の減少がより高度である傾向を認めた｡ しかし推計学上は有意のものでない｡ 再生肝の組織学的所見 糖原あるいは脂肪含有量にはなんら影響は認串られなかった｡本研究は肝臓外科に貢献するところがある｡本論文は学術上有益であって医学博士の学位論文として価値あるものと認定する｡-238-

肝動脈周囲神経切除の肝血行及び肝再生に及ぼす影響

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/213021/1/yigak00379.pdf

肝動脈周囲神経切除の肝血行及び肝再生に及ぼす影響

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