京都大学0048新制・課程博士博士(情報学)甲第19122号情博第568号新制||情||100(附属図書館)32073京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻(主査)教授 山下 信雄, 教授 太田 快人, 教授 永持 仁学位規則第4条第1項該当Doctor of InformaticsKyoto UniversityDFA

Yamakawa, Yuya

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Title Studies on Optimization Methods for Nonlinear SemidefiniteProgramming Problems( Abstract_要旨 )Author(s)Yamakawa, YuyaCitationKyoto University (京都大学)Issue Date2015-03-23URL http://dx.doi.org/10.14989/doctor.k19122RightType Thesis or DissertationTextversionETDKyoto University （ 続紙 １ ）                             京都大学 博士（情報学） 氏名 山川 雄也 論文題目 Studies on Optimization Methods for Nonlinear Semidefinite  Programming Problems （論文内容の要旨） 非線形半正定値計画問題(非線形SDP)は，半正定値計画問題を一般化した問題であり，制御や統計などに応用をもつ重要な問題である．しかしながら，その解法の開発は始まったばかりであり，従来の半正定値計画問題や非線形計画問題と比較して，十分な成果が得られていない．  本論文は，非線形SDPに対して主双対内点法とブロック座標降下法を提案し，それらの手法の妥当性を理論的解析と数値実験により明らかにしたものであり，全6章から成っている． 第1章は序論であり，非線形半正定値計画に関する既存の研究成果および論文全体の構成を概説している．第2章では，本論文で用いる数学的事項をまとめ，既存の主双対内点法の詳細を紹介している．  第3章では，非線形SDPに対し，シフト付きバリアKKT条件に基づく主双対内点法を提案している．この手法では，各反復でシフト付きバリアKKT条件を近似的に満たす点列を生成する．その点列の生成のために，微分可能なメリット関数を提案し，その理論的な性質を解明している．特に，メリット関数の停留点がシフト付KKT条件になること，さらに，適当な仮定の下で，そのレベル集合が有界となることを示している．これらの性質に基づいて，メリット関数の停留点を求めるためのニュートン型手法を開発している．さらに，提案手法が，既存の解法よりも，緩い条件で大域的収束することを証明している．また，数値実験に提案手法の有効性を確認している． 第4章では，第3章で提案した主双対内点法を，局所的超一次収束性が保証できるように改良している．既存の主双対内点法と同様に，各反復で２回ニュートン方程式を解く．しかしながら，既存手法では係数行列の異なる方程式を解くが，提案手法の係数行列は同じである．その結果，各反復における計算量は既存手法に比べ半分程度になる．既存手法と同じ仮定のもとで提案手法が超一次収束することを証明している． 第5章では，非線形SDPの応用として混合分布に対する最尤推定問題を考えている．扱うモデルは推定パラメータのL1正則化項や制約条件を含む一般的なものであり，既存の手法であるEMアルゴリズムで解くことができない．また，問題の規模が大きいときには，内点法も使えない．そこで，EMアルゴリズムを一般化したブロック座標降下法を提案している．さらに，各反復の小問題に対して，その特別な構造を利用した効率的な解法を与えている．また，混合ガウス分布の最尤推定問題に対する数値実験を行い提案手法によって適切なパラメータ推定ができることを確認している． 第6章は結論であり，本論文のまとめと今後の課題を述べている．  注)論文内容の要旨と論文審査の結果の要旨は１頁を３８字×３６行で作成し、合わせ て、３,０００字を標準とすること。 論文内容の要旨を英語で記入する場合は、４００～１,１００wordsで作成し 審査結果の要旨は日本語５００～２,０００字程度で作成すること。  （続紙 ２ ）                             （論文審査の結果の要旨） 本論文は，制御や統計などに現れる，非線形半正定値計画問題(非線形SDP)に対して主双対内点法とブロック座標降下法を提案し，それらの手法の妥当性を理論的解析と数値実験により明らかにしたものであり，得られた結果は以下のとおりである． １． 非線形SDPに対し，シフト付きバリアKKT条件に基づく主双対内点法を提案した．この手法では，各反復でシフト付きバリアKKT条件を近似的に満たす点列を生成する．その点列を生成するために，微分可能なメリット関数を提案し，その理論的な性質を解明した．特に，メリット関数の停留点がシフト付KKT条件になること，さらに，適当な仮定の下で，そのレベル集合が有界となることを示している．これらの性質に基づいて，メリット関数の停留点を求めることができるニュートン型手法を開発した．さらに，提案した主双対内点法が，既存の解法よりも，緩い条件で大域的収束することを証明した．また，数値実験によって提案手法の有効性を確認した． ２． １で提案した主双対内点法を，超一次収束性が保証できるように，改良した．既存の主双対内点法と同様に，提案手法では，各反復で２回ニュートン方程式を解く．既存手法では，２つの方程式の係数行列は異なるが，提案手法ではそれらの係数行列は同じである．その結果，各反復における計算量は既存手法に比べ半分程度になる．既存手法と同じ仮定のもとで，提案手法が超一次収束することを証明した． ３． 非線形SDP の応用として混合分布に対する最尤推定問題を考えた．扱うモデルは推定パラメータのL1正則化項や制約条件を含む一般的なものであり，EMアルゴリズムを適用することができない．また，問題の規模が大きいときには，内点法も使えない．そこで，EMアルゴリズムがブロック座標降下法とみなせるという知見に基づき，EMアルゴリズムを一般化したブロック座標降下法を提案した．さらに，提案手法の各反復に現れる部分問題に対して，その特別な構造を利用した効率的な解法を与えた．また，混合ガウス分布の最尤推定問題に対する数値実験を行い，データが過少であっても提案手法によって適切なパラメータ推定ができることを確認した． 以上のように，本論文では，非線形半正定値計画問題に対して，内点法とブロック座標降下法を提案するとともに，提案手法の理論的性質を解明し，数値実験によってその妥当性と有用性を確認しており，得られた成果は学術上および応用上極めて優れている．よって，本論文は博士（情報学）の学位論文として価値あるものと認める．また，平成27年2月19日に実施した論文内容とそれに関連する内容についての試問の結果合格と認めた．                         注)論文審査の結果の要旨の結句には、学位論文の審査についての認定を明記すること。   更に、試問の結果の要旨（例えば「平成 年 月 日論文内容とそれに関連した   口頭試問を行った結果合格と認めた。」）を付け加えること。 Webでの即日公開を希望しない場合は、以下に公開可能とする日付を記入すること。 要旨公開可能日：     年   月   日以降 

非線形半正定値計画問題に対する最適化手法の研究

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