京都大学0048新制・課程博士博士(エネルギー科学)甲第19415号エネ博第323号新制||エネ||65(附属図書館)32440京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー基礎科学専攻(主査)教授 片平 正人, 教授 森井 孝, 教授 木下 正弘学位規則第4条第1項該当Doctor of Energy ScienceKyoto UniversityDGA

Yamaoki, Yudai

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TitleThe development of intelligent ribozyme and RNA aptamerwhose activities switch on in response to K?via quadruplexformation( Abstract_要旨 )Author(s)Yamaoki, YudaiCitationKyoto University (京都大学)Issue Date2016-01-25URL https://doi.org/10.14989/doctor.k19415Right学位規則第9条第2項により要約公開; 許諾条件により要約は2017-01-20に公開; 許諾条件により要旨は2017-01-20に公開Type Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University    （ 続紙 １ ）                             京都大学 博士（エネルギー科学） 氏名 山置 佑大 論文題目 The development of intelligent ribozyme and RNA aptamer whose activities  switch on in response to K+ via quadruplex formation （K+に応答して活性を自律的にスイッチングするインテリジェント リボザイムおよび RNA アプタマーの開発） （論文内容の要旨）  酵素やアプタマー等の機能性生体分子に関し、置かれた環境を感知してその活性を自律的にオン/オフする能力を付与する事ができれば、バイオエネルギーを有効に利活用する為の重要なツールとなる。本論文は、酵素活性を有する RNA 分子であるリボザイムと、特定のタンパク質を高い親和性で捕捉・不活性化する RNA 分子である RNA アプタマーに関し、カリウムイオンを感知して活性が自律的にオフからオンにスイッチングする機能を付与する事を研究した結果をまとめたもので、6 章からなっている。   第１章は序論で、生物が有する酵素やアプタマー等の機能性生体分子は非常に高性能であり、これらの活性をイオン濃度によって自律的にスイッチングする事ができれば、バイオエネルギーを有効に利活用する為の重要なツールとなる事を指摘している。その上で、カリウムイオンを感知して活性がスイッチングする機能を付与されたリボザイムとアプタマーを創製するという本論文の目的を述べている。   第 2 章では、カリウムイオンの添加に伴い伸びた１本鎖構造からコンパクトな４重鎖構造に遷移する RNA 分子の両端に、リボザイムの二つのサブユニットを連結した分子の特性を解析した。この分子においては、カリウムイオンを感知して中央のRNA 分子がコンパクトになり、それに伴い両端のサブユニットが近接して活性構造が再構築される為、切断活性がオフからオンにスイッチングする事を確認した。この際にオフ状態における残存活性の存在が問題となったが、中央の RNA 分子を２分子に分割し、オフにおいては活性構造が全く形成されない分子を創製する事で、残存活性を効率的に抑制できる事を示した。   第 3 章では、第 2 章で取り上げた分子に関し、オフ状態における残存活性を抑制しつつオン状態における活性をさらに高める為に、中央の RNA 分子を 2 分子に分割する代わりに、リボザイム分子に対する相補鎖 RNA 分子を設計・導入した。相補鎖によって形成された 2 重鎖部分が、カリウムイオンの添加によって構造遷移を生じてコンパクトな 4 重鎖を形成し、その結果リボザイムの活性構造が再構築されるようになるのかについて、カリウムイオンによる構造遷移の前後における水素結合の数の多寡に基づいてエネルギーの面から考察した。この考察に基づいて、上記の相補鎖を設計した。相補鎖を導入する事で、オフ状態における残存活性を抑制しつつ、オン状態における活性をさらに高めたリボザイムのシステムを創製できる事を示した。   第 4 章では、オフからオンへのスイッチングがアニーリングプロセス(系を高温に昇温し、その後徐冷する事で、系をエネルギーが最安定な状態に至らしめるプロセス)を経ないでも生じるようにする為に、自身もカリウムイオンを感知して構造変化を生じる相補鎖 DNA 分子を設計・導入した。この相補鎖においては、2 重鎖が一時的に開裂して 1 重鎖になった際、カリ    ウムイオンが存在する環境においては、安定な 4 重鎖構造を形成する為、再度 2 重鎖状態に戻る事がない。こうしてカリウムイオン存在下においては相補鎖がリボザイムから効率的に外れ、残されたリボザイムはアニーリングプロセス無しでも容易にオン状態に遷移する事ができる。この新たな相補鎖の導入により、カリウムイオンによるリボザイム活性のスイッチングが、室温でアニーリングプロセス無しに生じる事を示した。  第 5 章では、特定のタンパク質を高い親和性で捕捉・不活性化する RNA 分子である RNAアプタマーに関し、リボザイムに対して用いた上記のストラテジーを適用した。こうして創製した RNA アプタマー分子においては、タンパク質を捕捉する活性が、カリウムイオンを感知してオフからオンにスイッチングする事を確認した。これにより本ストラテジーが、様々な機能性核酸に対して活性のスイッチング能を付与する方法論として有効である事を示した。  第 6 章では、論文全体の要約と結論を述べた上で、本論文において創製された分子の今後の応用の展望について論じた。                                    （続紙 ２ ）                            （論文審査の結果の要旨）  生物が有する酵素やアプタマー等の機能性生体分子は非常に高性能であり、これらの活性をイオン濃度等によって自律的にスイッチングする事ができれば、バイオエネルギーを有効に利活用する為の重要なツールとなる。本論文は、酵素活性を有する RNA 分子であるリボザイムと、特定のタンパク質を高い親和性で捕捉・不活性化する RNA 分子である RNA アプタマーに関し、カリウムイオンを感知して活性が自律的にオフからオンにスイッチングする機能を付与する事を研究した結果をまとめたものであり、得られた主な成果は次のとおりである。                                   １．カリウムイオンの添加に伴い伸びた１本鎖構造からコンパクトな４重鎖構造に遷移する RNA 分子の両端に、リボザイムの二つのサブユニットを連結した分子の特性を解析した。この分子においては、カリウムイオンを感知して中央の RNA分子がコンパクトになり、それに伴い両端のサブユニットが近接して活性構造が再構築される為、リボザイムによる RNA 鎖切断活性がオフからオンにスイッチングする事を確認した。オフ状態における残存活性の存在が問題となったが、中央の RNA 分子を２分子に分割してオフにおいては活性構造が全く形成されない分子を創製する事で、残存活性を効率的に抑制できる事を示した。  ２．上記の系において中央の RNA 分子を 2 分子に分割する代わりに、リボザイム分子に対する相補鎖 RNA 分子を設計・導入した。これによりオフ状態における活性構造の形成を妨げて残存活性を抑制しつつ、オン状態における活性をさらに高めたリボザイムのシステムを創製できる事を示した。  ３．次に自身もカリウムイオンを感知して構造変化する相補鎖 DNA 分子を設計・導入した。これにより系全体の構造遷移が促進され、カリウムイオンによるリボザイム活性のスイッチングが、アニーリングプロセス(系を高温に昇温し、その後徐冷する事で、系をエネルギーが最安定な状態に至らしめるプロセス)無しに室温で自律的に生じる事を示した。 ４．特定のタンパク質を高い親和性で捕捉・不活性化する RNA 分子である RNA アプタマーに関し、リボザイムに対して用いた上記のストラテジーを適用した。タンパク質を捕捉する活性が、カリウムイオンを感知してオフからオンにスイッチングする事を示した。  以上本論文は、酵素とアプタマーに関して、カリウムイオンを感知して活性がオフからオンにスイッチングする機能を付与する方法論を開発し、その実証結果を示した。これらの成果は、新たな機能を付与した生体分子の設計・創製という基礎の面及びバイオエネルギーを利活用する高性能ツールの開発という応用の面で寄与するところ大である。  よって、本論文は博士（エネルギー科学）の学位論文として価値あるものと認める。また、平成 27年 12月 21日に実施した論文内容とそれに関連した試問の結果合格と認めた。  なお、本論文は、京都大学学位規程第１４条第２項に該当するものと判断し、公表に際しては、当該論文の全文に代えてその内容を要約したものとすることを認める。 論文内容の要旨、審査の結果の要旨及び学位論文の全文は、本学学術情報リポジトリに掲載し、公表とする。ただし、特許申請、雑誌掲載等の関係により、要旨を学位授与後即日公表することに支障がある場合は、以下に公表可能とする日付を記入すること。 要旨公開可能日： 2017 年 1 月 20 日以降 

K⁺に応答して活性を自律的にスイッチングするインテリジェントリボザイムおよびRNAアプタマーの開発

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/204592/1/yenek00323.pdf

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