京都大学0048新制・課程博士博士(工学)甲第18272号工博第3864号新制||工||1593(附属図書館)31130京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻(主査)教授 功刀 資彰, 教授 中部 主敬, 准教授 横峯 健彦学位規則第4条第1項該当Doctor of Philosophy (Engineering)Kyoto UniversityDGA

Sun, Haomin

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Title Study on Upward Air-Water Two-Phase Turbulent FlowCharacteristics in a Vertical Large Square Duct( Digest_要約 )Author(s)Sun, HaominCitationKyoto University (京都大学)Issue Date2014-03-24URL http://dx.doi.org/10.14989/doctor.k18272Right学位規則第9条第2項により要約公開Type Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University京都大学論文題目(論文内容の要旨)軽水炉の更なる安全性を向上するための最重要課題のーつは熱水力安全性解析の高度化であり、高信頼性のデータベースに基づく高精度な気液2相流モデルの開発が喫緊の課題である。従来の熱水力解析コードは、気液2相流モデルとして 2流体モデルやドリフトフラックスモデルを用いており、円管内の鉛直上昇気液2 相乱流の局所計測データベースに基づいてモデル構築されてきた。一方、軽水炉の炉心の燃料集合体内の冷却材流路はサブチャンネルと呼ぱれる非円形断面流路であるが、現在までに非円形断面流路内の鉛直上昇気液2相乱流に関するデータベースが殆ど報告されていないため、円管内鉛迫上昇気液2相乱流の局所計測データベースに基づく構成方程式(相関式)を用いた気液2 相流モデルを適用した炉設討'・安全性解析が行われている。本論文は、これまで不十分であった非円形断面管内の鉛直上昇気液2相乱流について、大口径の正方形断面管を用いることで、気相と液相両方の局所流動パラメータの詳細計測を可能にするとともに、管軸方向の 3 断面における気液2相流特性に関する局所計測データベースを構築し、非円形断面管内の気液2相流動特性を把握するとともに、非円形断面管に対する新たなドリフトフラックスモデル相関式を提案した成果を纏めたものである。本論文は6 章から構成されている。第 1章では、現在の汎用的な熱水力解析コードで用いられている気液2相流モデルである 2 流体モデルとドリフトフラックスモデルの概要およびモデリングすべき項や相関式を明示するとともに、既往の管内鉛直上昇気液2相乱流実験に関するレビューを行い、非円形断面管内の鉛直上昇気液2相乱流データベース構築の重要性について言及し、最後に本研究の目的や論文膳成について述ベている。第 2 章では、試験部として建設した大口径正方形断面(136 加X 13 6 肌)管を含む実験ループの構造および構成機器とその性能、並びに実験流動条件に関して纏めている。特に、試験部入口での導入気泡径が及ぼす下流流動特性ヘの影縛とその重要性を指摘するとともに、予備的な可視化実験を行ってより均一な径の気泡導入方法を開発し、本実験試験部入口に設置した気泡導入器にも適用して均一な気泡径分布を実現している。気泡流からキャップ気泡流まで幅広い流動条件でのデータベースを構築するため、気相と液相の見かけ速度に基づく流動条件の組み合わせを決定し、管軸方向 3 断面における気相と液相に関する局所計測が可能な実験計測系を構築している。第3章では、気液2 相流局所計測システムと計測手法について述ベている。具体的には、4針式オプティカルプローブを用いて計測断面内における気相の局所流動パラメータであるボイド率、単位時問当たりの気泡数頻度、気相平均速度、気泡径および界面積濃度を計測する方法について記述し、さらにX型熱フィルムプローブを用いて液相局所流動パラメータである液相平均速度と乱流レイノルズ応力の計測方法について記述している。また、管内からの水漏れを防止しつつ、これらのプローブを2方向に移動できる高精度X-Y移動機構を開発し、正方形断面の四分一領域内の 121地点での詳細計測を実現している。第4章では、計測データの精度評価と計測結果を詳述するとともに、大口径正方形断面Study 伽 Upward Air-1'ater TWO-phase Tur加 lent Flow chancteristics in a verticalL釘ge squale Duct(大口径正方形管内の鉛直上昇気液2相乱流流動特性に関する研究)博士(工学) 氏名 孫昊旻京都大学管内を鉛直上昇する気泡流・遷移流・キャップ気泡流について、各々の流動特性を詳細に検討した結果を纏めている。具体的には、プローブによる局所計測で取得したボイド率と主流方向気相・液相平均速度から断面平均ボイド率と気相・液相の見かけ速度を各々求め、差圧計から得られた平均ボイド率および気相・液相流量計から得られた平均流速とを比較し、両者が十分な精度で一致していることを確認す、るとともに、本実験計測の精度を明らかにしている。また、気泡流においては、ボイド率分布の計担1味吉果から気泡が管壁、特にコーナー部分に集中しやすい傾向を有していることを明らかにしている。気泡流の気泡径分布と主流方向液相平均速度分布の計測結果から、気泡流の気泡径が小さいことおよびコーナー部で液相平均速度勾配が最大となることを明らかにし、揚力がコーナー部に気泡集中する主原因であると指摘している。また、この気泡のコーナー集中により、浮力効果によって気液両相が加速され、コーナー部付近で主流方向の気相・液相平均速度がピークを持つことを明らかにしている。小口径管内の鉛直上昇気泡流の場合、管壁に顕著なボイド率ピークが存在しても、壁面摩擦が比較的に大きいために管壁近くで速度ピークを持つことはほとんどない。したがって、コーナー部付近で速度分布がピークを持つという現象は壁面摩擦が相対的に小さくなる大口径正方形断面管内鉛直上昇気泡流の特徴であると結論づけている。また、気泡上昇に伴う後流渦によって、気泡集中するコーナー部村'近の乱流が顕著に促進され、単相乱流と大きく異なる乱流運動エネルギー分布を示すことを実験的に明らかにしている。ただし、非円形断面管内単相乱流に特徴的に発生する第2種2次流れの原因である乱流横方向成分の断面内非対称分布は気泡流においても認められるため、気泡流における第2種2次流れの存在を示唆するものと老察している。次いで、気泡流からキャップ気泡流ヘ遷移時の流れ場の特徴として、上流域で気泡流と同様に気泡はコーナ一集中するが、その際に気泡同士の合一が進み気泡径の大きいキャップ気泡の発生することを明らかにしている。このキャップ気泡が揚力によりコーナーから管中心方向ヘ移動する際、その後流に小気泡を同伴して気泡クラスターを形成するため、コーナーから管中心方向に向かってボイド率が一旦減少し、気泡クラスターが存在するコーナー音併寸近に新たなボイド率分布のピークが形成され、所調ボイド率管中心ピーク分布ヘの遷移がコーナーから開始することを明らかにしている。最後に、キャップ気泡流の特徴について、後流に小気泡を同伴するキャップ気泡は揚力によって流速の大きい管中心方向ヘ移動・集中し、最終的にポイド率や主流方向気相平均速度が管中心でピークを形成することを明らかにしている。また、管壁中心に比ベて、コーナー部のキャップ気泡の頻度が著しく小さいことを見出し、気泡クラスター形成の原因は揚力のほかに、気泡径の大きいキャップ気泡はコーナーに侵入しにくい、すなわち「comerB側nded EHecU の存在を提唱している。以上のように、大口径正方形断面管内鉛直上昇気液2相乱流の気泡流からキャップ気泡流までの幅広い流動様式に亘って流動特性を詳細に明らかにしたのは世界初の成果である。第 5 章では、取得した気泡流の局所計測データベースを用いて、既往のドリフトフラックスモデルにおける分布パラメータとドリフト速度の相関式を詳細に検討した結果について述ベている。具体的には、取得した局所訓,則データベースを用いて分布パラメータとドリフト速度を算出し、それらを既存相関式と比較し、大口径正方形断面管内気泡流に適用可能な相関式を新たに提案し、その有彭上性を実証している。第6 章は結論であり、本研究で得られた主な成果と大口径正方形断面管内気液2相乱流の詳細な流動機描について総括するとともに、今後の課題について言及している。博士(工学) 氏名 孫昊旻

大口径正方形管内の鉛直上昇気液2相乱流流動特性に関する研究

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/188585/1/gkogk03864.pdf

大口径正方形管内の鉛直上昇気液2相乱流流動特性に関する研究

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