第2回極域科学; 会場・会期: 2011年11月14日（月）-18日（金）: 国立極地研究所2階大会議室および国立国語研究所２階講

Fritts, Dave C.

Hoffmann, Peter

IUGONETプロジェクトチーム

Riggin, Dennis M.

冨川, 喜弘

堤, 雅基

小山, 幸伸

新堀, 淳樹

林, 寛生

田中, 良昌

菊池, 崇

辻, 裕司

長妻, 努

Kyoto University Research Information Repository

Title磁気嵐時におけるグローバルな地磁気変動と電離圏擾乱ダイナモについてAuthor(s)新堀, 淳樹; 田中, 良昌; 辻, 裕司; 菊池, 崇; 小山, 幸伸; 林,寛生; 冨川, 喜弘; 長妻, 努; 堤, 雅基; Riggin, Dennis M.;Fritts, Dave C.; Hoffmann, Peter; IUGONETプロジェクトチームCitation (2011)Issue Date2011-11-15URL http://hdl.handle.net/2433/151130RightType PresentationTextversionauthorKyoto University磁気嵐時におけるグローバルな地磁気変動と電離圏擾乱ダイナモについて新堀淳樹・田中良昌・辻裕司・菊池崇・小山幸伸・林寛生・冨川喜弘・長妻努・堤雅基・Dennis M. Riggin・Dave C. Fritts・Peter Hoffmann・IUGONETプロジェクトチーム極地研シンポジウム(2011年11月15日)I. はじめにI.1  太陽風-磁気圏-プラズマ圏-電離圏-熱圏結合の描像http://de.wikipedia.org/wiki/Datei:Ionosphere-Thermosphere_Processes.jpg電離圏・熱圏下部・中間圏太陽風や磁気圏などの上方からの電磁エネルギーの流入と下層大気からの力学的エネルギーの流入が拮抗する領域極域-赤道域間の結合も強く、複雑な開放系2I. はじめにI.2  磁気嵐に関連したグローバルな電離圏電流の起源(1) 磁気圏ダイナモで作られる巨視的電流系(2) 電離圏擾乱ダイナモによる電離圏電流R-1、R-2電流系が作る大規模電離圏電場の赤道電離圏への侵入[e.g., Nishida, 1968; Pellat and Laval, 1972; Kikuchi et al., 2008]○IMFの極性に非常に良い相関があるBz<0⇒東向き赤道ジェット電流 (dawn-to-dusk電場の侵入)Bz>0⇒西向き赤道ジェット電流 (dusk-to-dawn電場の侵入)磁気嵐時に発生する極域熱圏高度のジュール加熱で生成される熱圏風が駆動する電離圏電流(電離圏ダイナモ電場)[e.g., Fejer, 1983; Sastri, 1988; Fejer , 2002; Zaka et al.,, 2009]○IMFの極性に無関係で、長時間にわたって現象が継続する西向き赤道ジェット電流 (dusk-to-dawn電場の形成)3I. はじめにI.3  磁気嵐時の電離圏ダイナモの作る磁場変化磁気嵐回復相後期で地磁気静穏日変化(Sq)を弱める電流系が形成[Le and Mazaudier, 2008]2001/11/25 12:30 UTにおける地磁気等価電流マップ太陽風速度IMF BzDstAUAL熱圏風擾乱による電離圏ダイナモ効果4I. はじめにI.4 磁気嵐時の熱圏下部・中間圏の風速場変動の報告例観測点数 測器地磁気活動との対応メカニズム その他Hoock[1970]1点(極域)流星サブストーム中に南向き風速増大述べていない親論文事例解析Ma et al.[2001]2点(中緯度) MF磁気嵐の5日後、東向きの風速増大詳細な物理過程は述べられていない統計解析(1995-1999)91例Zhang et al.[2003]3 点(極域)MF流星磁気嵐時に夕方側で風速が変化(対流構造に類似)磁気圏対流によるイオンドラック効果事例解析2002/4/18Balan et al.[2004]3点(中緯度)MF流星(MU)南北風の日変化を弱める傾向東向きの風速増大太陽潮汐と逆向きの高緯度起源の潮汐が増加事例解析2001/3/31Panchevaet al.[2007]2点(極域)流星SEPとともに南向き風速の増加中間圏上部の温度低下高エネルギー粒子効果に伴う大気加熱による大気循環の変化事例解析2003/10/29I. はじめにI.5 磁気嵐時の熱圏風変動に関する研究の問題点1．解析に使用している流星・MFレーダーは、ある特定の領域に限定→極域-赤道域にわたるグローバルな風速場の変動が不明→地磁気擾乱時の熱圏風がどのような時間・空間発展するのかという動的姿の詳細は不明2．イベント解析が多く、統計的な描像は不明3．地磁気指数等の比較解析は行われているが、全球的な地磁気変動との相関解析は行われていない→多量でかつ分野の異なるデータ収集、統合解析環境の不十分さのため、これまでできていなかった？6I. はじめにI.5 本研究の目的両極域－赤道域の広範な領域にわたる地磁気とMLT領域の風速場データを解析することで、磁気嵐前後のグローバルな電離圏電流とMLT領域の風速場の時空間変動の特徴を調べ、その因果関係を明らかにする。ここでは、IUGONETプロジェクトで開発されたプロダクト(解析ソフトウェア)を最大限に活用した。http://www.iugonet.org/figures/20100628_observations.png(改変)両極域から赤道域を連結する地上観測ネットワーク7II. 観測データ・解析手法○太陽風・IMFデータ：1分値 (CDAWeb)○地磁気指数：AE、SYM-H指数・・・1分値 (WDC京都)Kp指数・・・3時間値(WDC京都)○地磁気データ：1分値WDC京都、NSWM(NICT)、CARISMA、IMAGE、GEMA〇熱圏風データ：昭和基地MFレーダー・・・1時間値(NIPR)Rothera基地MFレーダー・・・1時間値AndenesのMFレーダー・・・1時間値コトタバンの流星レーダー・・・1時間値(京大RISH)II.1  使用観測データ8II. 観測データ・解析手法IUGONETの解析ソフトUDASを駆使◎地磁気静穏日変化(Sq)と背景磁場の除去dX or dY=X_storm or Y_storm - X_sq or Y_sq◎環電流・磁気圏界面電流の効果を出来るだけ除去低緯度の観測点の擾乱場成分を差し引く◎熱圏下部・中間圏における風速に対しても1年間の地磁気静穏日(120日)の平均的な風速データを差し引き、地磁気擾乱に対する中性風の変動を求めるX=H*cosDY=H*sinDII.2  解析手法9III. 磁気嵐時のグローバル地磁気変動III.1  2002年5月23日の磁気嵐時における地磁気変動の特徴SYM-HHUA-dX太陽風動圧IMFdX[nT]10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00Universal TimeA B AB磁気赤道EEJCEJR1R210III. 磁気嵐時のグローバル地磁気変動706050403020III.2  磁気嵐回復相時の等価電流系(13:20 UT)12 MLTUpward FACDownward FACR-11000 nT100 nT10 nTR-2R-2NBz11III. 磁気嵐時のグローバル地磁気変動III.3  磁気嵐後の電離圏擾乱に伴う地磁気変動(03:20 UT)2002/05/24中緯度(20-60度)：東向き電流赤道域(0-20度)：西向き電流12 MLTUpward FACDownward FAC磁気赤道1000 nT100 nT10 nT12III. 磁気嵐時のグローバル地磁気変動III.4  磁気嵐後の電離圏擾乱に伴う地磁気変動(03:20 UT)12 MLTUpward FACDownward FAC磁気赤道1000 nT100 nT10 nT磁気嵐で発生した熱圏擾乱によってSq電流系とは逆の電流系が発達[Blanc and Richmond, 1980]電流ドリフト速度0    6   12   18     248060402080604020磁気緯度13IV. 磁気嵐時の熱圏下部・中間圏風変動IV.1  地磁気擾乱時の両極-赤道域の中性風変動上から順にAE指数、SYM-H指数、Andenesの東西、南北風(75-95 km)Rotheraの東西、南北風(75-95 km)昭和の東西、南北風(75-95 km)コトタバンの東西、南北風(75-105 km)磁気嵐の途中から両極域の風速が変化(回復相で顕著)回復相で高度90-100kmの赤道域の風速も変化2004年10月2日の地磁気擾乱イベント実線：主相の開始時点線：回復相の開始時14IV. 磁気嵐時の熱圏下部・中間圏風変動IV.2  地磁気擾乱時の両極-赤道域の中性風変動高度90㎞における両極域と赤道域の東西、南北成分の風速変化南極のRotheraと昭和基地：半日潮汐の出現北極のAndenes：潮汐成分は無変化?背景風は、両極域ともに変化赤道域(コトタバン)：東西成分に1日潮汐変動が出現南北成分も磁気嵐前後で変化実線：主相の開始時点線：回復相の開始時15IV. 磁気嵐時の熱圏下部・中間圏風変動IV.3  地磁気擾乱時の両極-赤道域の中性風変動(平均場)東西風(90km) 南北風(90km)北極南極南極赤道回復相主相 回復相主相16IV. 磁気嵐時の熱圏下部・中間圏風変動IV.4  過去の研究(モデル計算)との比較(東西成分)東西風(90km)[Blanc and Richmond, 1980]電流ドリフト速度0    6   12   18     248060402080604020磁気緯度磁気嵐後から両極域の風速が東から西向きに変化(モデル結果を支持)回復相主相V. 考察V.1  磁気嵐時の地磁気・中性風変動の描像主相 回復相SYM-H時間①磁気嵐前 ②主相・回復相初期 ③回復相後期Sq電流系 R1+R2電流系 擾乱ダイナモ電流系? ?地磁気① ② ③1年間の静穏日(120日)の平均値からのずれ18V. 考察V.2  他の磁気嵐イベント2002/9/7 2002/10/219V. まとめ○IMF Bz の方位と赤道ジェット電流の方向が1対1に対応し、磁気嵐回復相前期の地磁気変動は、R-2電流系が卓越する〇磁気嵐回復相後期では、通常のSq電流系とは逆向きの電流系がオーロラ帯から赤道域で卓越する。〇この期間の高度90㎞の熱圏風は、回復相開始から1日後に極域から赤道域に向かう南西方向へ変化し、2－3日以上も継続する。〇 磁気嵐回復相で、極域では半日周期の潮汐、赤道域では1日周期の潮汐波動の振幅が大きくなることが判明し、極域での変化は、南極側で顕著であった。V.1  本研究で得られた新しい事項20V. まとめV.2  今後の方針○個々の磁気嵐イベントの解析(統計解析)磁気嵐の大きさ、季節・太陽活動依存性はあるのか?熱圏風変動の起こる条件、高度範囲〇中緯度の中性風データの解析過去の研究で報告されている東向きの風速増大は本当か?⇒稚内、山川のMFレーダー、信楽MUレーダーのデータ解析〇100㎞以上の熱圏風速変動の解析北極、南極域の流星レーダー解析等〇赤道域の解析の強化赤道大気レーダー(電離圏FAI観測)21A. 付録A.1  他の磁気嵐イベント2002/11/21 2002/12/1922

磁気嵐時におけるグローバルな地磁気変動と電離圏擾乱ダイナモについて

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/151130/1/iugonet_20111115_shinbori.pdf

磁気嵐時におけるグローバルな地磁気変動と電離圏擾乱ダイナモについて

Abstract

Similar works

Full text

Available Versions

Kyoto University Research Information Repository