This report presents the case of an abdominal aortic aneurysm (AAA), in which the aortic neck was severely angulated. Furthermore, there was moderate stenosis and a severe angle with calcification of the suprarenal aorta. EVAR was performed with a commercial Zenith stent-graft, with a slight modification, because an open aneurysm repair was risky in general condition. No complications occurred during the follow-up period.症例は86歳，女性．腎動脈下に55mm，紡錘状の腹部大動脈瘤を認めた．高齢，冠動脈ステント後かつ慢性心不全のため開腹人工血管置換術は，周術期合併症や手術死亡の危険性が高いと判断した．動脈瘤の中枢頸部は径30mm，長さ15mm，屈曲高度を伴い，かつ腎動脈直上は高度屈曲，石灰化狭窄を認め，解剖学的にはステントグラフトの適応外であった．大口径のステントグラフト(ゼニス36mm)を用いれば，中枢頸部の圧着は可能であるが，腎動脈直上の高度屈曲，石灰化狭窄のため腎動脈上ステントが展開しない恐れがあった．そこで我々は，バックテーブルでステントグラフトを展開し，腎動脈上ステントを除去した後に，ステントグラフトをシース内に再格納し，腎動脈上ステントを除去したステントグラフトを腎動脈直下に展開することによって，動脈瘤治療の技術的成功を得た．現在までステントグラフトの脱落やエンドリークは認めず，術後経過は良好であった．ステントグラフトを工夫することにより，開腹人工血管置換術のハイリスク症例かつ屈曲高度を伴う解剖学的ステントグラフト適応外症例において，一つの治療オプションとなる可能性がある
