In order to realize an accurate measurement of mechanical quantities related to the traveling performances of a wheel and to analyze mutual relations of those characteristics, a series of traveling experiments were carried out by using a rubber coating wheel and a soil bin test apparatus with shallow soil layer. It showed that the results would enable us to construct a database for verifying the applicability of the numerical analysis such as Finite Element Method. The results were compared with those of a steel wheel to discuss the influence of frictional property to the traveling performances. The maximum and average tractive forces could be expressed by a simple equation as a function of slip. The rubber wheel setteled more than the steel one when these were rotated, although the latter did more than the former in the state without rotation. Settlement of the rotated wheel had a linear relation with respect to the slip. There were similar trends in the relationship between slip and settlement and in the one between slip and tractive force. Traveling performances such as a tractive force or a distribution pattern of ground contact pressures were affected by the settlement characteristics of a wheel.浅い砂地盤において, ゴム皮膜車輸を一連のすべり率で走行させ, 走行性に関連する諸物理量を総合的に分析して次の結果を得た. (a) 同一条件における測定データは, 類似の傾向とほぼ同じ値を示し, 実験の再現性が比較的高いことを確認できた. (b) 低すべり率以外では, 過渡状態におけるけん引力は, 回転に伴って急激に増加し, ピークが表れてから減少した. 回転角―けん引力曲線の立ち上がり勾配は, すべり率が大きいほど急で, ピーク値も高い値を示した. 一方, 車輪のすべり距離で整理すると, 初期勾配はほぼ一定となった. (c) すべり率とけん引力の関係における特徴的な傾向は, ゴム皮膜車輪, 鉄車輪とも同じであることを示し, これを表現する簡単な実験式を与えた. (d) すべり率とトルクの関係は, すべり率と最大けん引力の関係に類似している. すべり率10%付近において, 走行抵抗は最小値を, 平均けん引力は極大値を示し, この点において平均けん引効率は最大になった. (e) ゴム皮膜車輪と鉄車輪を比べると, 初期沈下量は後者が, すべり沈下量は前者が大きい. これは, 前者のまさつ係数が後者のそれより大きいことに起因している. (f)すべり沈下量は, 回転開始直後は変化が大きいが, 次第に変化が少なくなり, ほぼ一定値に収束する. すべり沈下量とすべり率の直線関係が認められたので, 車輪回転角とすべり率をパラメータとして数式化を行った. (g) 沈下量とけん引力の関係はすべり率とけん引力の関係に類似している.これはすべり率とすべり沈下量の直線関係によって裏付けられる. (h) 接地応力分布において, 法線応力の最大値はすべり率の増加に伴ってわずかに減少し, その発生角は大きくなる. 一方, 接線応力はすべり率と最大けん引力の関係と類似の傾向を示し, 発生角は法線応力のそれとほぼ同じであった. これらは沈下量の変化とも密接に関連している. 本研究において, 沈下特性が走行性を把握するキーワードの一つであり, これに関連して土の変形解析が重要であることが示唆された. これについては解析を進めている最中である.走行性に関連するいくつかの物理量の特性と相互関係については, 引き続きより詳細な分析を行う予定である
