二階堂, 雄平

奈良輪, 大輔

Japanese

Japanese Red Cross Repository / 赤十字リポジトリ

187The Japanese Red Cross Medical SocietyO-4-13 せっかく日赤玉野にきたんじゃけー、もっと元気になられープロジェクト 岡山赤十字病院玉野分院  ○柳川やながわ　佳奈か な、緋田　秀美  コロナ禍で入院患者に行った有意義な時間の提供 当院は地域包括ケア病床が多くを占め、整形外科の手術後等、リハビリ目的に転院し、退院を目指す患者も多い。ADL が自立してきたら週末には外出や外泊をして気分転換を図っていた。しかしコロナ禍ではそれが制限され、ご家族との面会も出来ず、どうやって過ごすのかと患者から多くの不満も聞かれていた。 そこで当院では、この状況を利用して、健康への意識改革や健康に対する意識の向上を目指し、病棟内で ADL の自立した患者を対象に勉強会の開催を行った。 令和 4 年 11 月から令和 5 年 5 月までに、医師・看護師・薬剤師・栄養士・MSW・事務等から 19 回行えた。月に 2-3 回開催し、対象者の 9-10 割の方が複数の勉強会に参加出来た。また参加も健康に対する評価、終了時のアンケートは、全て任意とした。 その結果、勉強になった、退院後も気をつけたいという声が多く好評であった。制限に対する患者からの不満の声も減ったように感じた。 入院中の有意義な時間の提供が出来たのではないかと考える。今後は当院へ入院や受診をして良かったと思って頂ける医療の提供を目指し、地域に密着した活動をしていきたいと考える。O-4-14 個室・特別室病棟におけるNPS アンケート－テキストマイニングによる分析－ 日本赤十字社和歌山医療センター  ○藪本やぶもとあゆ子こ  【目的】A 病棟は全室個室の病棟である。質の高い看護の提供と顧客体験の改善を継続しロイヤルティの向上をめざしている。その指標として収益との連動性が高く、顧客の感情を可視化できる NPS アンケートを実施してきた。2021 年に実施したアンケートでは、患者や家族が入院生活で求めている視点をデータ化して明らかにするため、自由記述内容のテキストマイニングを行った。 【方法】対象者：A 病棟に入院し、アンケートに協力できる患者または家族。期間：2021 年 9 月 1 日から 11 月 30 日までの 3 か月間。方法：NPS 調査票によるアンケート。自由記述内容は Excel に入力しデータクレンジングを行った。テキストマイニングソフトウェア「KH Coder3」を用いて、性別、年代、NPS スコアを外部変数とし、その内容を分析した。 【結果・考察】退院患者数 172 名、アンケート回収数 153 名（回収率 89.0％）NPS は50.3。抽出された語は 307、品詞の数は 16 であった。抽出語の共起ネットワークの結果をスパニングツリーで見てみると、「ありがとう」「家族・面会」「看護師・親切」「静か・庭園」など、8 つのテーマに分類できた。外部変数別では、性別の共起ネットワークで共起性に差は見られなかった。年代別では 70 代～80 代では「ありがとう」「親切」の共起性が強く、20 代～40 代では環境面での共起性が見られるなど、抽出語の共起性に差が見られ、患者や家族が求める視点が異なることがわかった。時代の流れに合わせ、ニーズに応じた改善が必要である。NPS スコア別の 8～10 点では看護師の関わりが重視されており、今後も接遇面への配慮が必要と考える。個室・特別室病棟において、ロイヤルティを向上させるためには、患者・家族の声を把握し、差別化を行うなど効果的な改善を継続することが重要である。O-4-17 電子カルテシステム更新におけるハード費用圧縮の試み～再利用と保守見直し～ 福島赤十字病院  ○奈良輪な ら わ大輔だいすけ、二階堂雄平  【はじめに】電子カルテシステムの更新には億単位の費用がかかる為、いかに費用を抑えてシステム更新を行うかがポイントとなる。2021 年 9 月に実施した電子カルテシステムの更新の際に取り組んだ費用圧縮の対応とその効果について報告する。 【方法】通常、システムの更新の際に買い替えるパソコンやパソコン周辺機器（モニタ、マウス、キーボード、バーコードリーダ等）、プリンタについて継続利用できる製品状態であった為、一部を除き買い替えせずに継続利用する方針でメーカーと調整を行った。また、パソコン類の保守契約については、元 SE と元プリンタメンテナンスの技術者としてのスキルを活かし、保守を結ばずに職員で修理対応を行う場合の費用を試算し、結果保守契約を結ばない方針とした。 【結果】継続利用については、更新時の費用として 4 千万円の削減となった。また、職員による修理対応を行う事で保守契約の見直しを行った結果年間 750 万円、次回更新までの 7 年間でトータル 5 千 3 百万円の削減となった。 【考察】更新時に機器は買い替えるものとの認識を改めたことで、大幅な費用圧縮に成功した。しかし継続利用した機器については、経過年数と共に故障率は上がることが想定される。故障しないような使用方法のアナウンスや利用者個人が修理には費用がかかることを意識して丁寧に扱ってもらえるように運用周知に努める必要があると考える。O-4-18 武蔵野赤十字病院の情報セキュリティ戦略 武蔵野赤十字病院 1）、事務部 2）、膠原病・リウマチ内科 3）、消化器科 4）  ○岡田おかだ謙二郎けんじろう1）、山田　優馬 1）、尾喜　拓也 1）、杉田　秀文 2）、 　高村　聡人 3）、黒崎　雅之 4）  【はじめに】医療機関を脅かす情報セキュリティの脅威は高まるばかりである。厚生労働省においてもガイドラインの改版や医療法施行規則を改正し、サイバーセキュリティを確保するための措置を求めている。医療機関には、いよいよ形式的なものではなく実効性のある対策が求められている。本報告では、当院の情報セキュリティ対策の構築経過について報告する。 【目的】情報セキュリティインシデント発生に際し、迅速に対応できる技術的及び人的対応策を策定し、定期的に IT-BCP 訓練を行いその実効性を高める。 【方法】従来のセキュリティ対策に加え、主な対策を以下の 3 つに分類した。 ・脅威検知　マルウェアの侵入及び横展開を早期に発見し、動きを止める ・情報保護　バックアップデータの棄損を防ぎ、有事の際に迅速にカルテ参照環境を構築する ・人的訓練　深刻なセキュリティインシデントを想定した IT-BCP 訓練を定期的に行う 【結果】脅威検知には EDR（マルウェアの検知・隔離の仕組み）を導入し、24 時間 365日の監視。情報保護では、バックアップデータを当院が主体的に保護・監視・復旧できる環境を構築した。人的訓練においては、サイバー攻撃 BCP 対策にかかる規程を整備したうえで実施を予定している。 【考察】サイバー攻撃の被害を受けた他院の事例から、ランサムウェアの侵入を許せば確実に 2 か月程度の診療機能停止を余儀なくされる。当院の規模であれば被害額も 20億円程度が想定される。そのような脅威から診療機能を守るために最も大切なのがセキュリティ人材の育成と考える。本稿執筆時点では、まだ環境構築中のものもあり IT-BCP 訓練も行われていないが、脅威に対する技術的対策だけでなく、病院全体としての人員体制を構築・推進していきたい。O-4-15 術後疼痛管理チームのよる術後疼痛回診が担当医師、看護師に与えた影響 那須赤十字病院  ○浅利あさり　圭介けいすけ、萱嶋　香子、住田　直樹、堀中　大輔、糸村　秀太、 　後藤　加奈、赤羽　孝之、戸村さよ子、清水　美子、柿沼　貴広  【目的】術後疼痛管理チームによる術後疼痛回診が担当医師、看護師にどのような影響を与えているのかを明らかにする 【方法】調査対象は、術後疼痛管理チーム加算に算定される患者が、術後、入院する担当医師、病棟看護師に対しての全数調査。文献検索、術後疼痛管理チームスタッフで話し合い、質問用紙を作成。該当医師、看護師の中で同意を得られた者を対象としアンケート調査を実施。調査内容は、術後疼痛管理チームの活動が術後疼痛管理に対してどのような影響を与えているのか、今後、術後疼痛管理チームに臨むことがあるのか、とした。調査に先立ち、所属機関の研究倫理審査委員会を受審し承認を得た。 【結果と考察】配布数 143 に対して回収数 80（回収率 55.9%）、有効回答率は 100%。回答者は医師 5 名、看護師 75 名。術後疼痛管理チームを知っているかについて 91.3%が知っていると回答。術後疼痛回診の対象となる患者については 66.3%が知らないと回答。術後疼痛管理チームが記載した記録を参考にしているかについて、少し参考にしている、とても参考にしているが 81.3％。術後疼痛管理チームが与えた変化について25%以上の回答を得ているもので、患者の積極的な鎮痛薬の希望、スタッフの痛みについての考え方・対応の変化、病棟薬剤師に相談しやすくなった、鎮痛薬使用について知識や理解が深まった、と回答。しかし、術後疼痛管理チームスタッフと患者について話し合ったことがあるかについて 60%がないと回答し、回診の対象患者も知らないとの回答が多いことより、術後疼痛管理チームの存在、活動については把握していても実際にどのように行われているについては十分に周知されていない可能性が示唆された結果となった。O-4-16 もの忘れ外来における認知症ケア専門士の役割とその取り組み 大津赤十字志賀病院  ○邑樂おはらぎきみ子こ、中村ゆかり、南　早知子、手島　信代、大塚　宏美、 　近藤　永穂  【はじめに】当病院では、医師の診察の前に、現在、6 名の認知症ケア専門士が交代で、患者・家族に問診を行っている。物忘れ外来の流れを明確にし、外来手順を作成、問診表の見直しを行い、認知症ケア専門士間だけでなく、他の外来、医療ソーシャルワーカーと連携し、患者家族の思いを尊重し、統一した関わりをもてたことを報告する。 【活動の実際】初回受診時に診断後支援に繋げるために、問診表の見直しを行い、看護プロファイルに追記し、情報共有できるように統一した。患者、家族から主観的な情報だけでなく、客観的な情報を得ることで、情報を統合しアセスメントを行っている。初回時や定期受診の中で、困難事例に対しては、共同問題を立案、認知症ケア専門士の中で情報共有を行い、また、他科受診担当看護師と連携をとり、問題となる点を共有した。退院支援室への介入依頼も明確にしマニュアルに記載、認知症ケア専門士間の連携方法を院内メールの利用での情報共有することとし、困難事例の検討、看護記録での確認を行うことを統一した。困難事例と判断した場合は、その都度医師と診察の前後にカンファレンスで情報の共有を行っている。 【考察】受診時の看護介入には、患者の特徴を見極めて限られた時間の中で情報収集できるコミュニケーションスキルに加え、アセスメントする能力、介護保険などの患者・家族を支えるための包括的な支援体制を整える調整力が重要である。患者だけでなく、家族の状態を合わせてアセスメントすることで問題点を明確にすることができる。癌末期の困難事例では問題点を明確にし、共同問題の立案、看護プロファイルの情報整理を行い、他部署のスタッフとタイミングを逃さずに、癌末期のケア、安楽への介入が出来たと考える。11月10日㈮ 一般演題（口演）抄録

電子カルテシステム更新におけるハード費用圧縮の試み～再利用と保守見直し～

https://redcross.repo.nii.ac.jp/record/2001934/files/187.pdf

電子カルテシステム更新におけるハード費用圧縮の試み～再利用と保守見直し～

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