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増田, 悠

Japanese

YNU-Repository (Yokohama National University)

教育デザイン研究　第９号（2018年１月）　　　279学校現場における教員とアーティストの協働についてー横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局「学校プログラム」の調査研究ー教育デザインコース　美術領域増田　悠１．はじめに昨今、アーティストが学校に出向いて授業に参画する例が増えている。国や自治体、NPO、美術館などの支援を受けた活動、同じ地域のアーティストと学校や教員との繋がりによる活動など、さまざまである。本研究の目的は、教員や学校が現在抱える問題を明らかにしながら、学校教育におけるアーティストの役割と可能性に期待し、その在り方と意義を探ることである。2. 研究方法横浜市立小学校におけるフィールドワーク調査【日時】2015年 10月 7日【対象】横浜市X小学校5年 1組、2組【時間】各クラス全4時間（2時間×2日間）【コーディネーター】アートフォーラムあざみ野【アーティスト】Y（アーティスト名）【活動】巨大モビールの作成調査対象校におけるインタビューの概要【日時・場所】③と同じ【対象】教職員、アーティスト、コーディネーター【目的】それぞれの立場からの話を訊き、様々な視点から教育現場が直面している問題や、学校教育におけるアーティストの役割・可能性について考察する。【内容】当日の授業を行った上での「アーティストが学校に出向いて授業に参画すること」について、半構造化面接により実施し、内容はボイスレコーダーに録音しすべて逐語録に起こした。分析には修正版グランデッド・セオリーアプローチを用いた。3. 結果対象者の逐語録から 5つのカテゴリー、18のサブカテゴリーが抽出された。【教員の苦悩】　・日々の業務に追われ不十分な授業研究　・教員自身の図工への苦手意識　・図工の指導方法の不安　・教員自身の経験のみに基づく授業【学校の窮屈さ】　・求められる成果（完成、見栄え、発表）　・評価を前提とした活動　・活動の制約（机の上に乗ることの禁止等）【学校教育にないもの】　・高い専門性・インパクト・非日常　・セッション、対話・学校と異なる価値観【アーティストならではの効果】　・アーティストの児童との関係性　・アーティストが図工が好きなことが児童にも伝わり、児童がいきいきと活動　・児童が努力し工夫する意外な一面　・巨大モビールの「スケール感」や吊るすものの「多様さ」による非日常【外部人材が学校現場で教育活動を行う難しさ】・大勢に向けた一斉指示・授業時間内に活動をまとめる4. 考察このプログラムにおいてアーティストは、【教員の苦悩】や【学校の窮屈さ】に対応した【学校にはないもの】を期待されていることが、今回の調査で分かった。しかし、教員、アーティスト、コーディネーター、管理職というそれぞれの立場において、多少のズレが生じていることも明らかになった。これのズレは、このプログラムにおける教員、アーティスト、コーディネーターで授業準備を行う時間が十分に確保されていないことが原因として考えられる。この点において、重要な働きをしているのが、教員とアーティストを繋ぐコーディネーターであると考えられる。また、【外部人材が学校現場で教育活動を行う難しさ】は、日頃から学校で教育活動を行う教員との協働により解決できる可能性がある。この点においても、コーディネーターが重要であると考えられる。

<教育デザインフォーラム学生発表会>学校現場における教員とアーティストの協働について－横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局「学校プログラム」の調査研究－(ポスター発表の要旨)

https://ynu.repo.nii.ac.jp/record/8904/files/9-57.pdf

<教育デザインフォーラム学生発表会>学校現場における教員とアーティストの協働について－横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局「学校プログラム」の調査研究－(ポスター発表の要旨)

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