神奈川歯科大学博士（歯学）2022application/pdfdoctoral thesi

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Inoue, Makoto

イノウエ, マコト

井上, 允

English

Kanagawa Dental University Repository

論 文 内 容 要 旨    Oral environment and cerebral blood flow in patients with neurodegenerative dementia: comparison of Alzheimer type dementia and dementia with Lewy bodies                   神奈川歯科大学大学院歯学研究科  クラウンブリッジ補綴学分野  井上 允  （指 導： 木本 克彦 教授）    論 文 内 容 要 旨  本研究の目的は、認知症患者の脳の画像イメージ検査を用い、軽度認知障害および認知症（アルツハイマー型認知症［ATD］またはレビー小体型認知症［DLB］）患者における口腔内環境と脳血管各部位の血流量の関連性を検討することである。 神奈川歯科大学病院認知症高齢者内科を受診した ATD患者と DLB患者を対象とした。患者は認知症のスクリーニングおよびステージ分類を行い、さらに画像イメージ検査として SPECT等を用い、ATD患者と DLB患者を分類した。さらに、日本認知症学会専門医により ATDおよび DLB の各診断基準に基づき、ATD患者と DLB患者を正確に鑑別した。また、必要症例数は、ケースコントロールにより ATD患者 25名、DLB 患者 25名と設定された。ATDや DLBのうち、肉眼的血管病変、ラクナ梗塞、重度の深部白質虚血性変化を伴う症例は本研究から除外された。これら対象者に対し脳血流 SPECTを行い、前大脳動脈（ACA）、中大脳動脈（MCA）、MCAのM2 segment前方（M2ant）およびMCAのM2 segment後方（M2post）の脳血流量を解析した。口腔機能については、舌圧、咀嚼能力、最大咬合力、EAT-10を行い、歯周組織検査として残存歯数、bleeding on probing (BOP)、plaque control record (PCR)、pocket probing depth (PPD)を測定した。これら口腔内環境それぞれのスコアと SPECTで算出した脳各部位の血流量の相関を検討した。 DLB群では、咀嚼能力と両側 ACA, MCA, M2ant, M2postの脳血流量の間に有意な正の相関が認められたが、ATD群ではそのような相関は認められなかった。DLB 患者では、PPDは両側 ACA、右側MCA、両側M2antの血流と有意な負の相関が認められた。一方、ATD患者では、PPDは左側M2postを除く 7領域で、BOPは右側MCAと右側M2postの血流と有意な負の相関が認められた。 口腔内環境の変化と脳血流の関連は、ATD 患者と DLB 患者では、異なる可能性が示唆された。DLB群では、ACAとMCA（前頭葉、側頭葉、頭頂葉と前脳のほぼ 3分の 2に供給）の脳血流は咀嚼能力と相関していたが、ATD群では同様の関係は認められなかった。また、両群の多くの脳血管の血流量と PPDに有意な相関がみられた。認知症患者における口腔機能と脳機能の関係についてはほとんどエビデンスがないため、認知症と口腔機能や歯周所見との間に関連がある可能性が示唆された。 

Oral environment and cerebral blood flow in patients with neurodegenerative dementia: comparison of Alzheimer type dementia and dementia with Lewy bodies

https://kdu.repo.nii.ac.jp/record/1437/files/kou601_summary.pdf

Oral environment and cerebral blood flow in patients with neurodegenerative dementia: comparison of Alzheimer type dementia and dementia with Lewy bodies

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