ゲンチョ カン ジュンカン チョウセツ ニオケル カテコールアミン ジュヨウタイ ノ ヤクワリ

Abstract

雑種成犬の肝動脈あるいは門脈のいずれか一方の血流を減少させると,肝血行動態に変動が引き起こされる。この変動に対するカテコールアミン受容体遮断剤の影響を求め,肝循環調節に関するカテコールアミン受容体の役割について検討を行なった。門脈を1分間閉塞すると,体血圧(MBP),中心静脈圧(CVP),肝静脈圧(HVP),肝動脈圧(HAP),門脈圧(PVP)は低下した。この際の肝動脈血流量(HAF)は91.6±14.7ml/min (mean±SE,n=7)から112.2±17.8ml/minヘ有意に増加した。これらの反応はβ受容体遮断剤(propranolol 0.1mg/kg,iv)では変化を受けなかった。α2受容体遮断 (yohimbine O.1mg/kg,iv)及びα1受容体遮断(prazosin 0.1mg,iv)を行なうと,HAPの減少率は増強されたが,他のパラメータ-の変化率には有意な変化は認められなかった。これらの結果より,門脈を閉塞することにより引き起こされる肝動脈の血管拡張は,カテコールアミン受容体を介さない反応であることが推察される。一方,肝動脈を閉塞した場合には,MBPは上昇しPVPと門脈血流(PVF)は減少した。門脈血管抵抗(PVR)は変化しなかった。これらの反応はβ受容体遮断を行なっても変化しなかった。α1もしくはα2受容体遮断を行なうと,PVFは増加する方向に反転し,PVRは明らかに低下した。これらの成績より,肝動脈からの流入血液量が減少した場合,門脈血管床はα1及ぴα2受容体を介して血管抵抗を一定に保つよう門脈血流を調節していると推察された。journal articl

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