学位記号番号 : 博理工甲第848号博士の専攻分野の名称 : 博士(学術)
学位授与年月日 : 平成23年9月16日textapplication/pdfthesi

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SAJEEWANI, RAJIKA AMARASINGHE

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－　　－35論文の内容の要旨Precise estimation of unsaturated hydraulic properties of porous media is indispensable in various study areas, such as analyzing the moisture fl ow, the drying process occurring from the surface by evaporation, and the pollutant migration beneath the ground surface. Although many empirical/theoretical models describing the unsaturated hydraulic properties have been proposed by several previous researchers, the general model fi tting for the different types of soil/rock has not been clarifi ed yet. Thus, the model selection process and the estimation technique of the parameters included in the models should be developed. In the present study, the inverse technique using the transient evaporation change data was investigated to select the model and estimate the model parameters. The experimental work was performed using a relatively high permeable sandy soil (Toyoura standard sand) and a relatively low permeable soft rock. The objectives of this study are; 1) to see the applicability of the Van Genuchten, Campbell, and Brooks-Corey/Burdine models for sandy soil and soft rock, 2) to estimate the parameters in these models by inverse estimation technique using the Genetic Algorithm 3) to develop a technique for model selection and parameter estimation using information on evaporation as well as saturation distribution. Accordingly, in the fi rst part of the study, experimental equipment was developed to precisely measure the evaporation rate for the high permeable sandy soil. A soil column was designed with an evaporation chamber for the measurement of transient evaporation under the constant temperature and humidity conditions. In the second part of this study, the transient evaporation of sedimentary soft rock was measured using a weighing lysimeter. As there is no specifi c model identifi ed specially for soft rock, the applicability of three empirical models which are originally proposed for soil was investigated. Thin samples were used to measure the transient evaporation only from the top surface in a constant temperature and humidity chamber. 氏 名 SAJEEWANI RAJIKA AMARASINGHE博士の専攻分野の名称 博士（学術）学 位 記 号 番 号 博理工甲第 848 号学位授与年月日 平成 23 年 9月 16 日学位授与の条件 学位規則第 4条第 1項該当学 位 論 文 題 目 ESTIMATION OF UNSATURATED HYDRAULIC PROPERTIES OF POROUS MEDIA USING EVAPORATION MEASUREMENT TECHNIQUES （蒸発量計測による多孔質媒体の不飽和浸透特性の評価）論 文 審 査 委 員 委員長　　教 　 授　　渡邉　邦夫 委　員　　教 　 授　　桑野　二郎 委　員　　准 教 授　　小口　千明 委　員　　准 教 授　　長田　昌彦－　　－36The Genetic Algorithm (GA) was adopted in the inverse technique as an optimization tool in both studies. In order to simplify the problem, only the drying process from the saturated condition was considered. It was clearly concluded that the information concerning the transient evaporation change could be used for the model selection and parameter estimation. Further, the saturation distribution could be used for the selection of the models. However, the saturation distribution profi le of soft rock is diffi cult to obtain because of the thin samples taken for the experiment. Therefore, the saturation distribution profi le was obtained only in the sandy soil. It was also concluded that the both transient evaporation and saturation profi le are used for the model selection. The present study provides important information for the development of this model selection process.－　　－37論文の審査結果の要旨本論文は、蒸発量の非定常変化から多様な多孔質媒体の不飽和透水特性、すなわち飽和度、不飽和透水係数および毛管圧との関係を評価する方法の研究について取りまとめたものである。従来から、多孔質媒体である土の不飽和特性については多くの研究があり、実験式を含めて多くの式が提案されている。同時に、それらの式を、岩石など土とは異なった媒体に適用する試みも多くなされている。不飽和透水特性評価の難しい理由は、不飽和状態の水や水蒸気移動が複雑であり、理論的な定式化が極めて難しい事によるものである。確かに、実験式は、砂など研究で取り扱かわれた多孔質媒体については、近似的に成立することは確かである。しかし、別種の媒体について成立するかは疑問である。このような問題があったが、従来は不飽和地盤内の浸透流の解析のしやすさなどの理由で不飽和透水特性に関する式が選ばれてきた。その式が内在するパラメーターは、主に水分特性曲線から推定されてきた。そのため、選ばれた式が本当に妥当な物であるかは必ずしも調べられてこなかった。水分特性曲線は、飽和度と毛管圧との関係を表すものであり、飽和度と不飽和透水係数との関係まで表現するものではない。しかし、不飽和透水係数の測定が困難なことからこのような推定が主流であった。つまり、流れに関する情報が欠けていたと言いうる。本研究は、流れの情報として、多孔質媒体表面からの蒸発量の非定常変化に着目して、従来提案されていた不飽和透水特性を表す式の適用性を評価する方法を研究したものである。本論文は、研究の成果を 6章に分けて記述している。第 1章は、研究の背景と目的および本論文の全体構成について取りまとめている。研究の背景と目的の中で、不飽和透水特性を評価する重要性や問題点を過去の論文レビューを併せて論述している。その上で、不飽和透水特性評価では蒸発量変化など、実際の流れに起因する現象を逆推定する方法が現実的で精度が高い事を示している。第２章では、まず、第 1章の中で触れた逆推定の妥当性についてより詳細に論述し、本研究では蒸発量変化を用いる事を述べている。ついで、多孔質媒体からの蒸発量変化現象を説明し、蒸発に伴う媒体内の水分移動と水蒸気移動の基礎式とその数値解析手法について解析している。さらに、不飽和透水特性の特徴について論述している。第３章では、逆推定の中で基礎となる、実験結果と解析結果のフィッティング方法について説明している。最適なフィッティングには多くの方法があるが、解の収束性の良さから、遺伝的アルゴリズム（ＧＡ）を用いる事が実用性が大きい事を論述した上で、本研究でもそれを用いる事を述べ、開発した具体的な計算プログラムについて説明している。計算では、基礎として用いる不飽和特性式として、Campbell 式、Van Genuchten 式、 Brooks-Corey/Burdine 式を選んでいる。選定した理由は、①不飽和浸透流解析で一般に使われている事、②式の形態に閾値の有無で大きな違いがあることである。本章では、遺伝的アルゴリズムを用いた逆推定の妥当性について得られた結果を記述している。第４章では、豊浦標準砂を充填した円筒形土槽上面からの蒸発量の非定常変化を解析した結果について記述している。まず、この研究のために新たに作製した土槽や蒸発量計測システムについて詳述している。蒸－　　－38発測定は、土槽上部に取り付けられたチャンバーに流入出する空気の温度・湿度変化から測定された。解析では、蒸発量の変化をCampbell 式及び Van Genuchten 式で計算し、それらの式中の最適パラメーターを求めた。ついで、土槽中の水分分布を計算して各々の指揮を用いた解析値と比較し、Campbell 式に比べてVan Genuchten 式の適用性が高い事を示した。この研究により、蒸発量変化の逆推定により、容易に不飽和透水特性が推定できる事を明らかにした。第５章では、第４章の結果を踏まえて、この方法を堆積軟岩の不飽和特性評価に適用した研究成果を示している。岩石資料としては青森県六ヶ所村の凝灰岩及び凝灰質砂岩を用いた。その結果、Campbell 式、Brooks-Corey/Burdine 式が Van Genuchten 式に比べて妥当性が高い事が明らかとなった。一般に岩は透水性が小さく、飽和度と不飽和透水係数の関係を直接的な計測で評価することが難しかったが、本方法により容易に推定できる事が示された。また、対象とする岩に合致した不飽和透水特性を表す式を選択するプロセスを新たに提案できた。本研究は、蒸発量の非定常変化から不飽和透水特性を評価する方法の妥当性を総合的に研究したものである。研究によって、対象とする多孔質媒体に適合した不飽和特性式を系統的に選択するプロセスを明らかにする事ができた。また、堆積軟岩など、従来不飽和特性が良くわからなかった媒体について明らかにする事ができた。これらは大きな新知見である。研究成果は J. Environmental Earth Sciences に受理された他、2編がAnn. J. Hydraulic Engineering に掲載された。これらは、主著者としての査読付き論文である。これらから、本論文は、学位論文として合格と判定した。

ESTIMATION OF UNSATURATED HYDRAULIC PROPERTIES OF POROUS MEDIA USING EVAPORATION MEASUREMENT TECHNIQUES

https://sucra.repo.nii.ac.jp/record/9850/files/GD0000317.pdf

ESTIMATION OF UNSATURATED HYDRAULIC PROPERTIES OF POROUS MEDIA USING EVAPORATION MEASUREMENT TECHNIQUES

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