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池野, 順一

Japanese

Saitama University Cyber Repository of Academic Resources

平成２０年度埼玉大学総合研究機構研究プロジェクト(研究経費)研究成果報告書 プロジェクト名：汎用性プラナリゼーションＣＭＰテクノロジー大系化に関する総合研究 プロジェクト代表者：池野順一（理工学研究科・助教授）  [概 要]  本プロジェクトでは、高集積・高速・低電力化をねらう次々世代ULSIデバイスを想定してプラナリゼーションCMP（Chemical Mechanical Polishing）プロセス技術を確立すると同時に、他の分野の部品に適用し得る汎用的テクノロジーとすることを目的とする。今年度は、これまで検討してきたベルジャー型環境雰囲気制御ＣＭＰ装置における新しい援用作用を付加することの可能性を追求すべく、電解複合CMPに関する研究を展開した。本報告では、超ＬＳＩデバイスの多層配線化でプラナリゼーション（平坦化）が不可欠となっている中で、注目を浴びているCu/Low-kに関連し低加工圧力化で高能率化を目指すCu基板の電解複合CMP法の概要とパッドの溝形状に着目した基本的加工特性を把握し。本研究によって、次世代ベルジャー型環境雰囲気制御ＣＭＰ装置への新たな援用作用付加の可能性を追求していく。  １ 本研究の目的 超LSIにおけるCu多層配線技術では層間絶縁膜の低誘電率（Low-k）化とともに研究が展開されている中で、Low-k膜は機械的強度が弱いために低圧力CMPの開発が課題となっている。電解複合CMP（E-CMP）はCu配線材を電気化学的に溶解除去する方法で、電解作用を複合化したCMP手法である。本研究では、加工レート及び表面粗さの改善を目指し、現状の研磨装置でも可能なE-CMPの基本的加工機構を試作し、パッドと電解液の両面から新しいE-CMPの設計指針を得ることとする。 ２ 実験装置及び加工条件  図１に、試作したE-CMP加工装置の構成と各種形状のパッドに形成した溝の例を示す。導電性をもたせたプラテンに陰極を、Cu基板に陽極を、それぞれ印加・接続した。このようにして電気化学的セルが形成され、その結果Cuが溶解除去される。パッド溝の形状は電解液の保持性能が変化するため加工特性に大きく影響するものと思われるので、本研究では溝の形状に着目する。他方、電解液も加工特性に大きな影響を及ぼすものであるが、ここでは、電解液として亜硝酸ナトリウム水溶液をベースとして、添加剤(Cu表面に錯体を形成して軟化を促す錯体形成剤)にグリシン、過酸化水素、水酸化カリウムをとりあげ、加工レート 及び表面粗さ向上をねらい砥粒の混合も検討した。              Fig.1 Experimental device図１ E-CMP加工装置の構成と各種形状のパッドに形成した溝の例 平成２０年度埼玉大学総合研究機構研究プロジェクト(研究経費)研究成果報告書 ３ 実験結果と考察  図２に、加工レート及び加工中の電流密度のパッド溝形状依存性を示す。傾斜溝を施したパッドが最も高い加工レートを示した。また、傾斜溝パッドにおいて最も大きい電流密度が観測された。これらの結果から、加工レートと電流密度は正の相関関係にあることが明らかである。本研究では、パッドの電気化学的セル部分の面積は等しくなるよう設計・製作してあり、加工レートに影響を与える要因は電解液の保持力に影響しているものと思われ、今後はプラテンの回転数とスラリー（電解液）の供給量などにも着目して検討する。一方、電解液等の条件として、亜硝酸ナトリウムのみ、亜硝酸Na＋砥粒、Na＋砥粒＋錯体形成剤、Na＋砥粒＋錯体形成剤＋仕上げ加工の、それぞれの条件における加工レート及び表面粗さの電解液条件依存性を検討した（図３）。亜硝酸ナトリウムのみでの加工と比べ、仕上げ加工まで施した場合の表面粗さは1/10以下まで向上する。また、砥粒を加えただけでは表面粗さはわずかしか向上しないため、錯体形成剤が有効に作用したと考えられるが、砥粒の濃度、粒径、などにも大きく依存するものと思われるので、今後の検討課題とする。          0100020003000400050001 1+2 1+2+3 1+2+3+41=亜硝酸Na     2=砥粒3=錯体形成剤  4=仕上げ加工加工レート(nm/min)0200400600800100012001400表面粗さRa(nm)加工レート 表面粗さ図２ E-CMPにおける加工レート及び表面粗さの   電解液条件依存性   図２ E-CMPにおける加工レート及び加工中の電流    密度のパッド溝形状依存性  050010001500放射状傾斜ストッパ付螺旋状加工レート(nm/min)00.511.522.5電流密度加工レート 電流密度 ４ むすび パッドに溝を形成し電解液を保持させて電気化学的セルを形成することで，Cu の E-CMP の基本検討を行った．今後、今回考案した溝の形状が効率よく機能するようにより詳細な加工条件を明らかにすべくより詳細な検討を続行して基本的なE-CMP 加工特性を把握した上で、次世代ベルジャー型環境雰囲気制御ＣＭＰ装置への新たな援用作用付加の実現を目指していく。 【謝辞】  本研究を進めるに当たり、河西敏雄(埼玉大学名誉教授)、土肥俊郎（九州大学教授、前埼玉大学教授）の両氏はじめ、共同研究者の方々に感謝いたします。 PressuregaugeObservation windowBolts for fastening the capBell-jar cover (Leaving open,”Conventional open-type CMP”)Regulator for vacuumRegulator for gasGasWeightWorkpieceSealing-ring(O-ring)PadSlurry pompSlurryVacuum pumpUltraviolet rays（SiC基板）TiO2粒子含有スラリーへのUV照射（パッド上のスラリーへ照射）( O2  )( Colloidal silica+ Anatase-type TiO2 )（参考図） 新しい援用作用を付加して次世代の加工装置をねらうベルジャー型環境雰囲気制御ＣＭＰ装置 

汎用性プラナリゼーションＣＭＰテクノロジー大系化に関する総合研究

https://sucra.repo.nii.ac.jp/record/11681/files/KP20B06-01.pdf

汎用性プラナリゼーションＣＭＰテクノロジー大系化に関する総合研究

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