虚血性心疾患の予防

Abstract

従来より「成人病」として広く知られ, 1997年に「生活習慣病」と行政により定義された一群の疾患群の中で, 虚血性心疾患が本邦において重要な位置を占めることはいうまでもない. 欧米ではその発症率・罹患率が高いこともあって狭心症や心筋梗塞の診断治療ガイドラインがこれまで数多く発表されている. 最近我が国においても, 日本循環器学会, 日本心臓病学会をはじめとする複数の学会の合同研究班が「虚血性心疾患の一次予防ガイドライン」, 「心筋梗塞二次予防に関するガイドライン」を発表した. これらのガイドラインは海外の成績の紹介やまとめにとどまらず, 本邦におけるこれまでの疫学調査や臨床研究をもとにして冠動脈疾患の病態や危険因子について日本人の特徴を詳細に検討し, 一次予防・二次予防の治療指針を提言している点が特徴である. 本稿ではこれらの診療ガイドラインを中心にして, 日本人の虚血性心疾患の予防について概説する

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