若杉, 早苗

Japanese

Seirei Christopher University Repository / 聖隷クリストファー大学学術情報リポジトリ

倫理審査 ■承認番号（22-043-01）□該当しない 利益相反 ■なし  □あり（     ）  包括支援センター職員の持つ「困難さ」「不得意感」に対する支援者マニュアルの開発 －セルフネグレクト(本人の病識の欠如が著しい)及び感情コントロールの不安定さに焦点をあてて－  若杉早苗*１)，鈴木知代２），豊島由樹子２）松山美津代３），宮木裕一郎４），高井志保美４）石間秀美５）， 伊藤智香子 6），青野幸路 7），牧野光子 8），式守晴子１）  聖隷クリストファー大学１),豊橋創造大学 2) ,地域包括支援センター和合３),地域包括支援センター於呂４)，地域包括支援センター北浜５) ,地域包括支援センター高丘 6),地域包括支援センター板屋 7),聖隷ケアプランセンター浅田 8)  [目的] 本研究は, 域包括支援センター(以下,センター)の職員が感じている,支援者への対応の「困 難さ」「不得意感」のうち,不潔な環境や病的な身体レベルに陥っていても,本人が自分の生活の不適切さに対する認識がなく自己管理・改善を放棄している状態(セルフネグレクト）や感情コントロールの不安定さがある支援が困難な対象者に対し,センター職員がどのような情報に着目し対応方法を選択しているのかを明らかにすることを目的とした。  [方法] 質的帰納的研究法。先行文献等を参考にセルフネグレクト及び感情コントロールの不安定さがある支援困難な模擬事例を作成した。調査対象は,センター職員の経験年数が 3年以上とし,模擬事例の相談がセンターに持ち込まれた際に,どのような情報に着目するか,不足している情報は何か,その情報をどのように収集しアセスメントするか,支援を行う際に最も大事にしていることなど,支援のありかたや判断プロセスを確認した。インタビュー内容は対象者の同意を得て録音し逐語録を作成した。分析は 3職種（保健師または経験のある看護師, 社会福祉士,主任ケアマネジャー）ごと,模擬事例の支援に対する思考過程や判断とその根拠に着目し分析をおこなった。本研究は本大学倫理審査委員会の承認事項を遵守した. [結果] A県西部地域に設置されているセンター (6か所) の職員に対し研究の趣旨及び研究協力の依頼文書,インタビューガイド等を送付した。調査期間は 2023年 1月 23日から 2 月 28日。調査協力者は 7名（保健師または経験のある看護師:2 名,社会福祉士:2 名,主任ケアマネジャー:2 名）であった。調査協力者のセンター経験年数は、±6.29年,医療福祉の従事年数は±27.14年。調査時間は±52.86分であった。センター職員は事例に対し,アルコール依存症や脳梗塞の既往など,身体的な情報の他に,部屋の環境（糞尿でぐちゃぐちゃ）や本人の性格やこだわりにも着目して対応を考えていた。さらに本人と家族の繋がりや頼れる方の有無に着目していた。支援として一番重要な事は, 本人がなにを望んでいるのかを十分把握する事,センター職員が対象者に受け入れてもらえる関係性を築くことであると語っていた。3 職種の専門性の違いとしては, 社会福祉士や主任ケアマネは,劣悪な環境に一人で暮らし続ける最低限条件である‘生命の危機’を医療的に判断する難しさを感じていたのに対し,金銭的なトラブルなどの解決は,保健師または経験のある看護師が苦手と語っていた。しかし模擬事例のように,対応に苦慮しそうな事例は,主担当との関係を築きつつ自身の苦手対応を相互に補いながら支援困難な事例に対応する協力関係がある事が語られた。 [考察]センター職員が支援困難事例に対応する際に着目する情報や支援として重要な事は共有点,相違点がある事が確認された。その相違点を相互で補いつつ円滑に支援ができるような体制も構築されている事が明らかとなった. 

包括支援センター職員の持つ「困難さ」「不得意感」に対する支援者マニュアルの開発 : セルフネグレクト (本人の病識の欠如が著しい）及び感情コントロールの不安定さに焦点をあてて

https://seirei-univ.repo.nii.ac.jp/record/2000071/files/kyodoB202201.pdf

包括支援センター職員の持つ「困難さ」「不得意感」に対する支援者マニュアルの開発 : セルフネグレクト (本人の病識の欠如が著しい）及び感情コントロールの不安定さに焦点をあてて

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