仲辻,良仁

仲辻,里美

向嶋,啓介

山本,和雅

樋田,貴紀

Undetermined

Japanese Red Cross Repository / 赤十字リポジトリ

O-9-40上腕二頭筋腱遠位皮下断裂の一例武蔵野赤十字病院　整形外科○‌木こ ば場　　健たけし、原　　慶宏、小久保吉恭【症例】52 歳男性、落ちた重量物を支えようとして受傷し、7日目に紹介受診したが手術を躊躇され受傷後21日目に手術を行なった。 手術は前方皮切により侵入した。上腕二頭筋遠位端は橈骨粗面より剥離していた。５分間持続牽引を行いMyostatic contructureを改善したのちSuture Anchorを用いて肘関節 90度、 前腕最大回外位で橈骨粗面に固定した。術後は肘関節90度屈曲/回外位でシーネ固定し、術後4週間目よりactive ROMを開始し、 ６週間目より他動運動を開始、 術後4ヶ月目よりレシスタンストレーニングを許可した。 術後2年経過した現在、 左肘関節の可動域制限を認めず、 上腕二頭筋力も健測に比して95%まで回復し、 日曜大工に従事できるまでに回復した。【考察】解剖学的修復（橈骨粗面へ逢着）する方法が基本であり、Single-incisionとDouble incisionで行う方法があり前者の法がより侵襲がすくなく手技も簡便であると考えられるが後骨幹膜神経麻痺の可能性がある、 しかしながら前腕回外位の操作であれば神経損傷は回避しうる。対して後者では異所性骨化の可能性が高いとされ、 海外においては橈尺骨癒合症の報告もあり手技もやや煩雑である。また2-incisionの方が屈曲力の回復がやや早いが、 術後4年の両者の間で筋力、ROM、合併症において有意差はないと報告されている。また腱の短縮や変性が問題点としてあげられ、 3週間以内の手術加療が推奨されているが持続牽引によるMyostatic contructureの改善、 Single-Incisionによる確実な視野確保、 前腕回外位での操作により、 神経損傷は回避し解剖学的位置に正しく強固に逢着することにより可動域及び筋力も左右差なく良好な成績を得ることが出来た。【結語】Single-incision法による修復を行い、最終観察時に筋力低下、 伸展制限、 回内制限はなかった。O-9-41帯状疱疹後に生じたL5 神経障害（SZP：segmental zoster paresis）武蔵野赤十字病院　整形外科○‌都つづき築　和かずや弥、佐藤　雄亮、游　　　敬、立花　直寛、河原　　洋、原　　慶宏【はじめに】帯状疱疹罹患後に四肢の運動神経麻痺を来たすものは1.5-5.0％とされ、 稀に下肢の運動神経障害をきたす。 帯状疱疹罹患後に生じたL5神経障害（segmental zoster paresis、 以下SZP）の症例を経験したため報告する。 【症例】87歳男性。 基礎疾患に肝細胞癌、 胃癌、 前立腺癌があった。 当科受診2ヶ月前に左腰部から左下肢にかけての帯状疱疹に罹患し、 近医にて内服加療を行った。 治療終了2週間後に左足背屈困難を自覚し近医受診。 腓骨神経麻痺が疑われ当院に紹介となった。 初診時の徒手筋力テスト（Munual Muscle Test、 以下MMT）で、 腸腰筋、大腿四頭筋は MMT 5/5、前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋はMMT 5/2、腓腹筋はMMT 5/5だった。 左臀部から大腿前面、 左下腿外側、 左足関節背面にかけてdysesthesiaがあった。 神経伝導検査では腓骨神経の振幅が右1.8mV、 左0.024mVと左優位に低下、 伝導速度も右3.1mV/ms、 左0.025mV/msと左優位で低下していた。 針筋電図ではL5神経支配領域の筋肉（前脛骨筋、 半腱様筋、 中殿筋）で脱神経所見が見られた。 腰椎MRIで椎間孔含め有意な脊柱管狭窄所見はなかった。 以上よりSZPと診断し、 計16日間のステロイド投与を行った。 治療開始後、 前脛骨筋は MMT 5/3と筋力回復が見られた。 【考察】本症例の運動麻痺は帯状疱疹罹患に続く形で出現した。 神経伝導検査からL5神経の軸索損傷が疑われ、 針筋電図で同神経の支配筋に異常が見られた。 中殿筋にも脱髄所見が見られたことから、 腓骨神経麻痺などの末梢神経障害ではなく中枢神経障害であることが示唆された。 腰椎MRIで有意な所見がなく、  SZPと診断するに至った。 【結語】帯状疱疹罹患後のSZP発生に留意しておく必要がある。O-10-12急性期病院における病棟リハビリテーションの取り組み熊本赤十字病院　リハビリテーション科○‌村むらた田竜りゅういちろう一郎、立野　伸一、高毛禮敏行、後藤　智美、高村　雅直、石橋　輝彦【はじめに】当院は、総合救命救急センターやこども医療センター、ドクターヘリを有し、基幹災害医療センターの指定を受ける急性期施設である。リハビリテーション科においても、救命救急センターや集中治療室からの超急性期リハビリテーションに携わっている。超急性期リハビリテーション強化プロジェクトの一つとして、2014年3月に一般病棟内に病棟リハビリステーション（以下：リハステーション）を設立した。そして今回、更なるバージョンアップとして、2020年4月SCU開設に併せ、隣接した位置に新たなリハステーションを新設した。このリハステーションは、院内連携の拠点として多職種が有効利用できる学際超越的な空間創りを目指し開設した。新設したリハステーションによる効果とリハビリテーション科の取り組みについて報告する。【方法】2019年度から2021年度までの脳卒中リハビリテーションを施行した患者を対象とした。今回、新設したリハステーション稼働前後での脳血管疾患リハビリテーション算定の推移調査を実施した。【結果】脳血管疾患リハビリテーション取得単位数（以下：脳リハ単位数）としては、2019年度は40461単位、2020年度は39604単位、2021年度は47706単位であった。【考察】今回、新設したリハステーションを設置したことによる急性期からの効率的且つ積極的なリハ医療体制について紹介した。脳リハ単位数としては、新設した年度は前年度と比べ僅かに減少していたが、次年度は47706単位と大きく増加しており、SCUに隣接した位置にリハステーションを新設した効果と思われた。今後の計画としては、心臓血管外科、循環器内科病棟にリハステーションを開設し、心臓リハビリテーション分野においても、更なる包括的リハシステムの構築を進めていきたいと考えている。O-10-13当院でのレンタルコルセットを用いた早期離床の取り組み盛岡赤十字病院　リハビリテーション技術課○‌川かわさき崎　真しんご吾現在、当院の整形外科では脊椎の術後や圧迫骨折の治療にはオーダーメイドのコルセットが処方される。オーダーメイドのコルセットは義肢装具の製作会社が作成し、装具の型取りから完成までにはおおよそ１週間かかることが多い。医師の指示ではコルセット装着後より離床開始ということが多く、実際はコルセットの完成待ちで約１週間離床できないというのが現状である。そこで、当院では義肢装具製作会社と連携しながら、コルセットの完成待ちまでの間に装着するレンタルコルセットを試作し、早期離床に貢献できないか試験的に取り組みをおこなってみた。レンタルコルセットは、感染症の流行している背景から、使用する患者が変わるたびに、義肢装具製作会社のスタッフが持ち帰り、毎回アルコール消毒と内側のパッド類の交換をおこなった。脊椎圧迫骨折により当院に保存治療のため入院した患者の入院日から離床開始日までの平均日数は、レンタルコルセットなし13人　9.4日　レンタルコルセットあり12人　3.8日となった。レンタルコルセットを装着することにより早期より離床が行えるためADLの拡大が図れた。また看護師からは「レンタルコルセットを付けると、一人でトイレに行ける方もいるためおむつ介助の時間が減った。」「食事の際も疼痛の範囲でベッドをギャッジアップできるため、食事介助の時間も減った。」「身体を起こして食事できりるためご本人の食事に対する前向きな気持ちが生まれた。」という声が聞かれた。しかし、一方で「身体にフィットしていないため当たって痛い」など形状についても改善の余地がみられた。今後も医師や看護師、提供元である義肢装具の製作会社と連携しながら改善を行い、院内でより早期に離床できる環境づくりに取り組んでいきたいと考えている。O-10-14当院における早期離床とアルブミン値の関係性について伊豆赤十字病院　医療技術部リハビリテーション課○‌坂さかべ部　圭けいいち一、蜂谷　　稔、井上　義文【はじめに】近年、高齢入院患者の栄養状態を考慮したリハビリテーションの必要性が叫ばれている。当院の理学療法対象患者も低栄養状態である場合が多く、また早期離床に難渋するケースも少なくない。そこで今回、早期離床と低栄養状態の関連性について検証した。【対象】本研究の適格基準は2021年5月～10月に内科疾患で入院した65歳以上の患者とした。また本研究はヘルシンキ宣言に基づき、対象者の保護には十分注意し行った。【方法】理学療法処方後48時間以内に離床した患者を早期群、48時間以降に離床した患者を遅延群とし、入院時のアルブミン値と離床までの昼食の摂取量、退院先についてそれぞれ3段階に分類し比較検討した。 統計処理は入院時のアルブミン値の比較にはχ2検定を使用し、有意水準は5％未満とした。また、昼食の摂取量と退院先については割合を算出した。【結果】早期群32名、遅延群20名の計52名が解析対象となった。入院時のアルブミン値は早期群が基準値範囲内7名、要注意値1名、異常値24名、遅延群が基準値範囲内1名、要注意値1名、異常値28名であったが統計学的有意差を認めなかった。 離床までの昼食の摂取量は、 早期群が4～7割が最も多く遅延群は3割以下が最も多かった。 退院先は死亡において早期群の3%に対し遅延群は20%であった。【考察】低栄養の指標となるアルブミン値について、遅延群においては基準値範囲内の対象者が少なく、昼食摂取量は約半数が3割以下であり退院先は死亡割合が20%であったことから、栄養状態が不良で死亡に至った人数が多い傾向を読み取ることができた。このことにより入院時のアルブミン値が早期離床や退院先などの指標となる可能性が示唆された。O-10-15当院消化器内科病棟患者における在院日数が長期化する因子福井赤十字病院　リハビリテーション科部○‌向むこうじま嶋　啓けいすけ介、仲辻　里美、樋田　貴紀、山本　和雅、仲辻　良仁【目的】本研究の目的は当院における消化器内科病棟患者の在院日数が長期化する因子を明らかにすることである。【方法】対象は2020年12～2021年12月に当院消化器内科病棟よりリハ依頼のあった患者で他診療科例、データ欠損例、死亡退院例を除外した161名とした。独立変数は年齢、体重、BMI、診断名、在院日数、リハ開始までの日数、入院前の食事摂取状況、ADL、IADL、転倒歴・認知症の有無、1年以内の入退院歴、入院時の血液検査、GNRI、リハビリ開始時FIM、家族歴、社会背景、投薬状況とし診療録より調査した。従属変数は在院日数を中央値で短期入院群と長期入院群に分け、2群間において各独立変数と差の検定、分割表の検定を行った。有意差を認めた独立変数を多重ロジステック回帰分析に投入しオッズ比（OR）を算出した。統計解析はR4.2.0を使用、有意水準は5%未満とした。【結果】対象者の年齢は中央値で84歳（76-89）、短期入院群79例、長期入院群84例であった。単変量解析にて有意差を認めた項目は、診断名、リハ開始までの日数、低アルブミン血症の有無、GNRI、FIM運動項目合計、FIM歩行、抗がん剤使用有無、1年以内の入退院歴であった。多重ロジステック回帰分析の結果、入院時CRP、リハ開始までの日数、FIM歩行、抗がん剤使用有無、1年以内の入退院歴が有意な因子として抽出された。（モデルx2検定 P＜0.05、OR: 1.12、1.20、0.69、5.66、1.81）【結論】消化器内科疾患は治療初期から絶食や臥床状態となり、リハ介入時にはすでに廃用症候群を併発していることが多い。在院日数が長期化するか否かを判断するためには入院時の炎症所見、リハ開始までの日数、リハ開始時の歩行介助量、抗がん剤使用有無、1年以内の入退院歴の有無の評価が重要である。【倫理的配慮】本研究は当院倫理審査委員会の承認を得て行った。20910月7日㈮一般演題（口演）抄録

当院消化器内科病棟患者における在院日数が長期化する因子

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当院消化器内科病棟患者における在院日数が長期化する因子

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