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奥本,克己

Japanese

Japanese Red Cross Repository / 赤十字リポジトリ

Y-11-10COVID-19 感染症病棟で健康に活き活き働く取り組み深谷赤十字病院　看護部○‌篠しのだ田　寿ひさよ代、柿澤由紀子【はじめに】当院は、S県北部での感染症医療に携わり、新型コロナウイルス感染症に対して感染症専用病棟を開設した。病棟管理者としては、安全と心身の健康維持を念頭においた管理を心がけている。二年を経た今、一人も健康不調による異動希望や長期休暇、退職を選択するスタッフを出していない。その取り組みについて報告する。【取り組みの実際】開設は、COVID-19感染症に関しての原因や治療法等が明確となっていない中であった。罹患すれば死さえ考える緊張が張り詰める特殊な状況下であり、初めて顔を合わせるスタッフもいた。この状況を災害と捉え、安全に乗り越えるためにはチームワークと和が大切とし、初顔あわせでは緊張をほぐすアイスブレーキングを行い、1日をかけて病棟目標と役割を話し合いで決定した。始業時はラジオ体操と1日の情報を共有し、音楽をかけリラックスできる環境を作っている。また、健康観察表からスタッフの体調を確認し、面談により精神面をサポートしている。自分の看護を肯定する事はモチベーションの維持に必要と考え、デス・倫理カンファレンスでの振り返りを取りいれた。スタッフ自身が心にもやもやしている事例を選びファシリテーターとなり、病棟全体でのリフレクションに結びつける支援を行っている。【考察と課題】健康で活き活き働くには、どのような状況下でも職場環境が重要となってくる。安全な組織であり、自己免疫力が高まる癒しと笑い、自分の看護を肯定し想いの表出ができる環境が必要と考える。看護管理者としては、その体制作りとスタッフ一人一人に常に目を向け、様々な変化を捉え対応する事が大切である。課題としては、状況の変化を素早く捉え対応出来る体制を整える事である。この貴重な体験を活かし、今後もスタッフの支援者としてのマネージメントを行っていきたい。Y-11-11コロナ第 6 波による職員の就業制限の実態さいたま赤十字病院　感染管理室1）、さいたま赤十字病院　医療安全管理課2）○‌大おおかわ川　直なおみ美1）、富田　貴之2）【はじめに】2020年3月より、職員の新型コロナウイルス感染を早期に発見するために、「体調不良者の発生報告書」（以下、報告書とする）の提出を院内に周知していた。今回は第6波の期間に提出された報告書を分析したので報告する。【背景】新型コロナウイルス感染症の第6波では国内で1日10万人の陽性者が確認され、社会機能の維持が懸念された。当院においても2022年1月から陽性者や濃厚接触者、保育園等の全面休園により就業できない職員が増加した。抗原検査やPCR検査で陰性を確認しながら就業を許可することも可能であったが、当院では検査に伴う人員配置や時間調整に労力が掛かるため、体調不良者は速やかに業務から離れることを推奨した。【結果】2022年1月から4月まで感染管理室に提出された報告書を分析した。職員の陽性者は72名（全職員の4.2％）、濃厚接触者はのべ144名（同8.4％）であった。濃厚接触者で陽性者との隔離が不可能な場合は、陽性者の療養期間＋濃厚接触者としての自宅隔離期間を就業禁止とした。濃厚接触者の就業禁止期間は平均7日間、最長20日間であった。濃厚接触者の就業禁止期間中に陽性者となった職員は20名であった。保育園等の休園により就業が不可能となった職員も含めると、平日日勤必要職員数の2％が2ヶ月近く戦線離脱することになった。感染管理室では報告書受理時に詳細を聞き取り、隔離期間中の感染対策と就業禁止期間の明確な提示を所属長に対して行った。【考察】「休むこと」を最優先にした当院では、第6波によって多くの職員が就業できない状況になったが、部署間の支援・受援体制を適用し辛うじて病院機能を維持することができた。人員不足による現場の苦悩と感染リスク低減の間でジレンマが生じたが、感染症蔓延時の人的支援や業務調整を見直す機会になった。Y-11-12アンチコロナ！ -病院清掃の在り方と見直し-熊本赤十字病院　事務部・総務課○‌北きたじま島　辰たつや哉1 背景・目的　病院清掃は防疫・感染対策を伴うということをコロナ渦でより意識するようになった方も少なくないだろう。病院清掃とは単に建物内の美観を保つだけでなく、感染対策の徹底など特殊な技能や知識が求められる。新型コロナウイルス感染拡大により、清掃員の退職者が相次ぎ、以前より問題となっていた人手不足がより深刻化したため、コロナに関する教育や感染対策の強化、清掃員管理体制の見直しを検討した。2 取組内容　まず清掃員が退職する原因として、新型コロナウイルス感染への恐れが挙げられたため、当院ICTよりコロナウイルスに関する正しい知識を身に付けさせ、感染防護具（PPE）の着脱方法や汚染エリアに対する清掃方法、ゾーニングの色分け等のレクチャー等を随時実施した。　また病院全体の感染対策強化に伴い、清掃の業務負担が増加したため、人員増員はもちろんのこと、統括責任者や副責任者の選任を追加で義務付け、清掃責任者の管理体制を見直した。3　結果　今回の取組により、新型コロナウイルスに対する正しい知識や対処法が身に付き、清掃員らが定着化してきたことで、昨年より約20％人員補充することができた。また、清掃責任者の管理体制を見直したことで、院内でコロナ陽性者が発生した際もすばやく対応することができるようになった。さらに、取組前後で清掃に対する苦情件数を比較したところ、50～60％減少していた。4 考察　今回の結果から、感染対策に関する教育やレクチャーの重要性が示唆されたため、今後も継続して取り組んでいく必要がある。また、清掃員の新規職員もすばやく順応し対応できるよう清掃マニュアルを新たに作成し、全清掃員の業務標準化にも努めていかなければならない。　一方、今後急な人手不足にも対応できるようロボット掃除機の導入や活用できるエリアの拡充など検討していく必要がある。Y-11-13先の見えないコロナ禍で先を見据えた災害対応を熊本赤十字病院　事務部・救急業務課○‌中なかの野　航こうた汰、奥本　克己、DTGメンバー新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度は院内外での災害対応訓練や関連する研修会が全て中止となった。ディザスタートレーニンググループ（DTG）である私達は、このままコロナ禍が続き訓練や研修会が中止ばかりでは基幹災害拠点病院としての質が落ちてしまうと危惧していた。そこで令和3年度は、どんな状況でも開催できる体制を構築すべく、全ての訓練や研修会において下記3パターンを準備した。1つ目は、通常通りの集合開催。2つ目は、ICTを活用しての非集合開催。3つ目は、それぞれを取り入れたハイブリッド方式での開催。この3パターンを準備したことにより、コロナ禍のどのフェーズにおいても全ての訓練・研修会を中止することなく実施することができた。具体例として、300名規模で実施する訓練をハイブリッド方式で開催。災害対応について10分程度の動画を10本制作し、SNSを活用して配信することで業務の隙間時間や自宅でも視聴できるようにした。これにより、参加者を拘束する必要がなくなり、人件費等の経費削減にも繋がった。また、動画を視聴する形式は予習、復習にも有用で、コロナ禍においても災害対応の質の維持、職員の意識向上にも繋がり、事後のアンケートでも高評価であった。今後は、動画のブラッシュアップや災害時でも視聴可能な新しいコンテンツの制作を行い、集合訓練にもICTを積極的に活用していきたい。また、すでに一部行っている関係機関への配信についても引き続き計画したい。そうすることで運営にかかるコスト削減や働き方改革の一助となればと考える。「熊本赤十字病院はどんな状況下でも中止という選択はない」という強い気持ちをもち、常に先をさらに先を見据えた訓練・研修会を含む災害対応を行うことで、基幹災害拠点病院としの役割も果たすことができると考える。Y-11-14重症COVID-19 肺炎に対するHFNCを併用した覚醒下自己腹臥位の有用性の検討長浜赤十字病院　集中治療科1）、長浜赤十字病院　麻酔科2）、長浜赤十字病院　循環器内科3）、長浜赤十字病院　外科4）○‌長ながと門　　優まさる1）、藤井　雅士2）、西前　博司2）、河端　恭代2）、植村　裕樹3）、村崎　　岬4）、三中　淳史4）、徳田　　彩4）、児玉　泰一4）、張　　弘富4）、谷口　正展4）、丹後　泰久4）、中村　一郎4）、中村　誠昌4）、塩見　尚礼4）人工呼吸器を装着した重症ARDS患者に対し腹臥位呼吸療法が有用であることはよく知られており、挿管された重症COVID-19肺炎患者にも積極的に施行されている。腹臥位になることで、背側障害肺に多く分布した血流が健常肺へ再分配され換気血流比が改善するとともに、横隔膜運動の変化や心臓により圧排される左肺下葉換気の改善、体位ドレナージによる気道分泌物の排出などにより酸素化の改善が期待できる。一方で、挿管せずに覚醒下で自己にて腹臥位になることでも、呼吸生理学的には同様の効果が得られるはずである。また、陽圧をかけないことで肺胞への圧損傷を防ぎ、鎮静剤や筋弛緩剤を使用しないことで呼吸筋萎縮や全身の筋力低下を来さないという利点も考えられる。加えて、人工呼吸器装着患者に比べて管理する医療スタッフの負担は軽減し、腹臥位にするためのマンパワーも必要としないことで、パンデミック下の医療逼迫に対しても有益となりうる。当院で、中等症2以上のCOVID-19肺炎患者に対し、高流量鼻カニュラ酸素療法（HFNC）を併用した覚醒下自己腹臥位を施行した13名中10名が、挿管を回避し呼吸状態改善に至った。うち3名はP/F比100未満の重度呼吸不全症例であり、その有用性を実感した。その間、従事した医療スタッフに院内感染は認めなかった。今回我々は、文献的考察とともに実際の症例提示を加え、覚醒下に腹臥位療法を行うことがなぜ有用なのか、またHFNCを併用することのメリットとデメリットをともに検討し報告する。Y-11-15COVID-19 重症患者受け入れ体制の構築－安全かつ迅速にECMO導入する為に－長浜赤十字病院　看護部○‌今いまい井ひひ と みと美はじめに　当病棟はコロナ病棟となる以前、感染症病床を併設する消化器内科病棟であった。しかし、COVID-19の流行に伴い軽症から重症までを担当する重点医療機関のコロナ専用病棟に編成され、看護師はそのまま配置する事となった。流行当初より重症患者の受け入れが始まったが、殆どのスタッフが人工呼吸器管理を含む重症ケアの経験が少ない為、救急病棟の看護師と連携し重症ケアの学習と経験を重ねた。ECMOの導入も開始され、初回から入念に打ち合わせを行い多職種と連携を図り安全な医療が提供できるよう取り組んだ。更に症例毎に評価を行い、次回のECMOの重症ケアに活かせるよう活動したので報告する。方法　1.学習会でECMO導入の適応の周知と患者ケアの学習　2.初回シミュレーションの開催　3.症例件数　4.症例毎にECMO導入検討会　5.振り返りによる評価　結果　1.学習会開催：2回 麻酔科医師・救急病棟看護師による看護ケアの学習会に参加　2.マニュアル・アクションカードを元に多職種でシミュレーションを行い、物品の位置や個々の動きを 確認し導入準備を行った　3.ECMO：5症例稼働　4.患者情報の共有と適応を検討し、実際に介入するメンバーで最終ミーティングを実施した　5.導入時から離脱までの人・物・時間などの体制を多職種で評価し成果と課題を明確にした考察・まとめ　ECMO導入自体が始めての経験であったが、事前の学習会や導入検討会、シミュレーションを行う事でトラブルなく導入できた。症例毎に多職種によるリフレクションを行うことで、次回に繋がる課題や改善点を見いだすことができ、同時に2症例稼働できるまでに成長した。ECMO対応の部屋が一室である為、十分な場所の確保が難しく構造上の課題はあったが、多職種が各々の強みを活かし連携することで、症例を重ねる毎に安全かつ迅速に対応できるようになったと考える。14510月6日㈭要望演題抄録

先の見えないコロナ禍で先を見据えた災害対応を

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