上田,豊実

上神田,憲男

友金,幹視

君和田,貢

坂本,好史

小口,正義

尼崎,正路

森,英樹

池田,能利子

牛山,利昭

藤永,理恵子

谷村,学

高津戸,敬

Japanese

Japanese Red Cross Repository / 赤十字リポジトリ

O-5-16救急外来に常駐する薬剤師によるタスクシフティングの現状調査京都第二赤十字病院　薬剤部1）、看護部2）、救命救急センター救急科3）○‌中なかにし西　裕ひろあき明1）、大山　　翔1）、熊野　瑛巴1）、藤田　将輝1）、澤田　真嗣1）、野口　裕介1）、小森　玉緒1）、岡橋　孝侍1）、角　典以子2）、飯塚　亮二3）、友金　幹視1）【目的】救急外来では高度な医療を提供する必要があるため、医師や看護師の業務は繁忙である。薬剤師は救急外来での薬物治療に積極的に関与することにより、薬物治療の質の向上に貢献するとともに、医師や看護師の業務負担を軽減できる可能性がある。京都第二赤十字病院では、2021年4月から平日日勤帯の救急外来に薬剤師が常駐し、患者搬入に向けた医薬品の準備、医薬品の指示確認、薬歴の収集、処方支援、相談応需などの業務を行っている。今回、救急外来に常駐する薬剤師によるタスクシフティングの現状を調査した。【方法】調査期間は2021年9月から2022年2月とした。救急外来に常駐する薬剤師の業務内容、ならびに処方支援および相談応需の件数を調査した。【結果】期間内の平日日勤帯に救急外来を受診したのべ患者数は1626名であり、薬剤師はそのうち895名（55.0%）に関与していた。業務内容の内訳は、薬歴の収集（666名）、医薬品の指示確認（517名）および患者搬入に向けた医薬品の準備（80名）であった。また、処方支援は72件、相談応需は93件であった。【考察】救急外来に常駐する薬剤師は、来院した約半数の患者に関与し、薬物治療に関するさまざまな業務を行なった。これにより、医師や看護師はそれぞれの職種の優先度が高い業務に専念することができ、結果として業務の負担は軽減されたと考えられる。また、薬剤師が他職種に対して正確な医薬品情報を迅速に提供することにより、救急外来における薬物治療の質の向上にもつなげることができたと推察される。今後は、プロトコールに基づいた薬学的管理を構築し、タスクシフティングをより進めていくことを検討している。O-5-17中止薬管理システム構築による抗血栓薬管理の改善福岡赤十字病院　薬剤部1）、福岡赤十字病院　移植外科2）○‌竹たけの野　智ともひこ彦1）、本山健太郎2）、藤永理恵子1）【目的】出血のリスクのある手術または処置の前に抗血栓薬を中止し確実に再開する事は、周術期の薬剤管理において重要である。そこで、多職種で協同し、周術期の抗血栓薬管理を確実に行えるよう、「抗血栓薬中止の同意書」を利用し中止薬管理システム（以下、システム）と紐づけを行い、電子カルテ上にシステムを構築した。その効果を薬剤師の立場から検証した。【方法】システム活用のながれ予定手術の患者が対象となる。主治医の依頼により薬剤師が常用薬を確認し医師へ報告する。術前中止薬があれば主治医が中止指示を出し、中止薬剤名をシステムに登録する。システム上で再開の指示がない限り中止中の薬剤名が残り、薬剤の中止から再開までを一元管理できる。対象患者2020年10月から2021年9月の間に手術が予定され、薬剤師が常用薬確認を実施した患者。調査項目システムの使用件数、術後再開漏れの件数を集計した。2019年10月から2020年9月（システム導入前）の術後再開漏れ件数を集計し、システム稼働前後で比較した。【結論】調査対象期間で常用薬確認を行った患者1411名の介入で、抗血栓薬中止によるシステム利用件数は599名であった。観察期間中の再開漏れは７件であった。システム構築前の1年間で再開漏れは12件発生していた。【考察】システム構築以前にも退院までに薬剤師により12件の再開漏れが発見出来ていたが、実際には再開出来ずに退院した患者がいた可能性もある。観察期間は異なるが、システム構築後、再開漏れになりそうな症例が７件あったが、システム利用により退院までに再開できた。システムを利用することで、再開が忘れられたまま退院することはなく、適切な再開時期を主治医だけでなく多職種で確認でき、退院まで一元管理できる本システムの有用性が示唆される。O-5-18ICUにおける腸管機能改善薬一覧表と薬剤師介入が排便コントロールに与える影響さいたま赤十字病院　薬剤部1）、さいたま赤十字病院　高度救命救急センター2）、さいたま赤十字病院　看護部3）○‌問もんちゅうしょ註 所英ひであき明1）、高野　温志1）、興野　克典1）、町田　　充1）、江川　裕子2）、平澤　真実3）、濱崎　優子3）、吉田　順子3）【背景】重症患者における経腸栄養（以下、EN）開始後は、便秘が問題となることが多い。しかし、実際の現場では、排便障害に対して個々の主観・裁量による介入が散見される。今回、腸管機能改善薬一覧表（以下、一覧表）と薬剤師介入が、排便コントロールへ与える影響について調査したので報告する。【方法】ICU標準化マニュアル内に一覧表を作成した。また、薬剤師介入としてオピオイド使用中の便秘患者に対し、一覧表に記載のナルデメジンの処方提案を開始した。「EN開始後3日間連続して排便がない状態」を便秘と定義した。介入開始前をpre群、介入開始後をpost群とし、ICUでENを7日以上継続した患者のうち便秘の定義を満たした14症例（pre群8名、post群6名）を対象とした。EN開始後から初回排便までの日数（以下、初回排便日数）を両群間で比較検討した。また、対象患者の背景（年齢、性別、SOFAスコア、麻薬使用率、便秘発症率）、一覧表に記載されている薬剤の処方実態も後方視的に調査した。【結果】対象患者の背景に差はなかった。処方実態は（ナルデメジン錠：前13％　後50％、酸化Mg錠：前63％　後83％、ピコスルファートナトリウム：前63％　後50％、大建中湯：前63％　後50％、パントテン酸注：前53％　後66％）であった。初回排便日数の平均は開始前5.8日±0.8日から開始後4.5日±0.5日と減少した。【考察】一覧表の作成により患者の状態に合わせた薬の選定につながったと考えられる。また薬剤師介入により、便秘症例に漏れなく介入できるようになった。【結論】一覧表の作成と薬剤師介入により、ナルメデジン錠と酸化Mg錠の処方率が上昇しており、初回排便日数減少に寄与する可能性がある。O-5-19ビタミンDサプリメントの摂取がビタミンD・カルシウム代謝に及ぼす影響沖縄赤十字病院　薬剤部1）、沖縄赤十字病院　整形外科2）○‌上うえち地めぐみ1）、玉城　久美1）、山崎みわ子1）、鈴木　寛人1）、山城　武志1）、荷川取直樹1）、大湾　一郎2）【目的】ビタミンD欠乏は骨折リスクの一つであり、ビタミンD欠乏をどのように改善させるか対策を練る必要がある。ビタミンDサプリメントを摂取することによって、ビタミンD欠乏の改善の程度を確認することが本研究の目的である。【方法】対象は健常ボランティア19人、ビタミンDサプリメントの種類をA群「大学病院の先生が考えたサプリ饅頭」（天然型ビタミンD 20 μg、カルシウム350ｍｇを含有）、B群Nature Made SuperD（天然型ビタミンD 25 μgを含有）を連日4週間摂取した。グループAは男性2人、女性8人、年齢中央値34（26～49）歳、グループBは女性のみ9人、年齢中央値45（28～57歳）歳。摂取開始前、開始2週間後、4週間後に血清25（OH）D、カルシウム、リン、アルブミン、クレアチニン、尿中カルシウム、尿中クレアチニンを測定し、摂取によりビタミンD・カルシウム代謝に変化が生じるかを検討した。【結果】摂取開始前の25（OH）Dの平均値（ng/mL）は15.4（7.2～22.1）で19人中17人が欠乏、2人が不足状態であった。開始前、2週後、4週後の25（OH）D濃度は、A群で15.7、20.4、21.8、B群で15.0、20.8、24.5と開始前と比較して2週後、4週後で有意に増加した。A群、B群とも摂取中に、補正カルシウム、eGFR、尿中カルシウム/尿中クレアチニンの数値が悪化する例は認められなかった。【考察】骨の健康を維持するために必要な25（OH）D濃度は20 ng/mL以上に対し今回比較的若年の健常ボランティアでも25（OH）D濃度が20 ng/mLを超えていたのは19人中2人だけであった。食事だけで15～20 μgのビタミンDを摂取するのは困難であり、ビタミンD欠乏を改善させる方法としてサプリメントの摂取は簡便で有効な方法と考えられた。O-5-20「医薬品共同購入」と「フォーミュラリ」の日赤薬剤師会の活動報告大津赤十字病院　薬剤部1）、日赤薬剤師会薬剤業務委員会2）、諏訪赤十字病院（前：日本赤十字社医療事業推進本部）3）○‌上うえだ田　豊とよみ実1）、上神田憲男2）、坂本　好史2）、高津戸　敬2）、牛山　利昭2）、尼崎　正路2）、池田能利子2）、君和田　貢2）、藤永理恵子2）、友金　幹視2）、森　　英樹2）、谷村　　学2）、小口　正義3）【はじめに】日赤薬剤師会は、「医薬品共同購入（以下、共同購入）」に引き続き、「フォーミュラリ（以下、F）」も日赤本社購買専門部会と協力し、2020年１月、日本赤十字社使用ガイド付きの医薬品集（フォーミュラリ）導入手順書（以下、手順書）を示し、同年4月、日赤初のフォーミュラリとして、抗インフルエンザ薬とＰＰＩを、2021年8月には、DPP-４阻害薬を作成した。【目的】「共同購入」結果及び「F」の導入状況について報告し、今後の課題について報告する。【方法】「共同購入」は2020及び2021年の購入実績を、「F」は「F」導入状況のアンケート調査結果（2020年6月と2021年4月の調査）をまとめた。【結果】「共同購入」は、2020年は、アプレピタントCapとダルベポエチン注の２品目、2021年は、DPP-4阻害薬5品目とタケキャブ錠で、参加施設は延べ147施設と多くの参加があった。「F」の導入状況（92施設）は、「F」の規定を作成した施設数が、2020年6月43施設（46.7％）、2021年4月55施設（59.8%）と増加した。また、2021年4月時点で「F」を作成している施設数は33施設（35.9％）、その内、日赤作成「F」のみの導入施設は17施設（51.5％）と半数を占めた。「F」の作成数は、一施設あたり平均3.4領域、最大19領域であった。【考察】「F」の手順書と推奨薬の提示は、「F」の導入に大きく寄与したと思われる。今後は、「F」の作成数の施設間格差に対して新たな推奨薬を提案して一層の推進を図り、日赤のスケールメリットを生かした「共同購入」と「F」の両輪を回すことで更なる経済的効果が得られるものと考える。O-5-21日赤薬剤師会「薬剤師業務活動状況調査」より業務報告日本赤十字社長崎原爆病院　薬剤部1）、日赤薬剤師会業務委員会2）、諏訪赤十字病院（前：日本赤十字社医療事業推進本部）3）○‌池いけだ田能の り こ利子1）、尼崎　正路2）、上神田憲男2）、上田　豊実2）、牛山　利昭2）、高津戸　敬2）、坂本　好史2）、柳田真樹子2）、君和田　貢2）、藤永理恵子2）、友金　幹視2）、谷村　　学2）、森　　英樹2）、小口　正義3）【はじめに】2022年度の診療報酬改定では「術後疼痛管理チーム」加算が新設され、チームの構成に薬剤師が記載された。また、「医師の働き方改革」推進のための「タスクシフト」も積極的に取り組むべき課題となっている。日赤薬剤師会では全日赤病院に対し、業務の実施状況、業務内容の変化、人員の増減等の調査を毎年実施している。2020年度の調査結果から、薬剤師の業務の現状について報告する。【調査方法】2021年6月、日赤薬剤師会業務委員会は、全国92施設に2020年度業務を対象にアンケート調査を実施し、結果を集計した。回収率は100％であった。【結果】病棟実施加算を取得している施設は62％で、2019年度と比較して「加算1」のみ取得している施設が2％減少した。しかし、「薬剤管理指導料」を取得している施設は97.8％と前年度と同数であり、総数では「服薬指導実施率」は前年度と比較して7.7％ほど増加していた。「タスクシフトシェア」を実施している施設は70％で「検討中」も含めると85％の施設が取り組んでいた。また「手術室で業務を行っている」施設は95％あった。【考察】「新型コロナ対応」が「病棟実施加算」取得施設減少の影響とも考えられる。しかし「薬剤管理指導料実施率」は増加しており、薬剤師としての患者への対応は向上していると思われる。また「タスクシフトシェア」には、すでに各施設が意識を持って取り組んでいることが窺える。ほとんどの施設で手術室に薬剤師が参入しており、「術後疼痛管理チーム」加算取得への取り組みも進んでいくものと予想された。166

「医薬品共同購入」と「フォーミュラリー」の日赤薬剤師会の活動報告

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