説得の受け手の受容度の違いが観察者の態度変容に及ぼす効果

Abstract

application/pdf本研究は、説得的コミュニケーション場面を見ている観察者に対する説得効果を問題とし、説得的コミュニケーションにおける受け手の説得に対する受容度の違いが、観察者の態度変容にいかなる効果を及ぼすのかについて検討しようとした探索的実験研究である。説得を聞いている人間（受け手）の受容度を操作した説得的コミュニケーションのビデオを被験者（観察者）に見せ、被験者（観察者）の観察後の態度を測定し、初期態度との差で定義される態度変化量を分析した。結果は、説得的コミュニケーションにおける受け手の受容度が肯定的な場合、その説得的コミュニケーションを見ていた観察者は受け手の受容に同調し、説得方向への態度変容が大きくなった。さらに、被験者によって認知された説得者の魅力との関係についても検討が加えられ、説得者の印象が悪い場合に、受け手の受容度が説得により大きな効果をもつという興味深い結果も得られた