ポストコロナの日本語授業に向けて: 遠隔から対面授業を体験した初級学習者の継続的な観察からわかること

Abstract

本研究では、コロナ禍で遠隔、以後対面授業へ移行した初級学習者の学習経験の調査を目的に、筆者ら の大学で 2020 年秋から遠隔で日本語 1 年生を履修、2021 年秋に対面で日本語 2 年生を続けた学生らを対 象に、匿名アンケートとインタビューをし、その結果に加え、授業観察やエッセイ等をデータとして分 析した。また、インタビューを元に、遠隔授業と対面授業をそれぞれ担当した教師の対話もデータとし て考察した。本稿では、遠隔と対面授業で学習者が感じた違いとそれに伴う学習観の構築を探り、同価 値理論を背景とした遠隔から対面カリキュラム移行の際に生じた学習観のズレや、其々の学習環境にお ける学習の有効性について考察する。本研究は、遠隔授業を経験した初級学習者を対面授業後も継続的 に観察した報告例として、ポスト・コロナの日本語授業を考える上で、学習観を踏まえた教師側の情報 交換や振り返りの機会に貢献できるのではないかと考える

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