京都大学新制・課程博士博士(医学)甲第24883号医博第5017号京都大学大学院医学研究科医学専攻(主査)教授 中島 貴子, 教授 石見 拓, 教授 中山 健夫学位規則第4条第1項該当Doctor of Medical ScienceKyoto UniversityDFA

Yoshida, Shinya

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京都大学新制・課程博士博士(医学)甲第24883号医博第5017号新制||医||1068(附属図書館)京都大学大学院医学研究科医学専攻(主査)教授 中島 貴子, 教授 石見 拓, 教授 中山 健夫学位規則第4条第1項該当Doctor of Medical ScienceKyoto UniversityDFA

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RIGHT:URL:CITATION:AUTHOR(S):ISSUE DATE:TITLE:Comparison of cytoreductive surgery and resection ofisolated peritoneal metastases in patients with peritonealmetastases from colorectal cancer: a retrospective study(Abstract_要旨 )Yoshida, ShinyaYoshida, Shinya. Comparison of cytoreductive surgery and resection of isolated peritoneal metastases in patients withperitoneal metastases from colorectal cancer: a retrospective study. 京都大学, 2023, 博士(医学)2023-09-25https://doi.org/10.14989/doctor.k24883京都大学 博士（ 医 学） 氏 名 吉 田 真 也 論文題目 Comparison of cytoreductive surgery and resection of isolated peritoneal metastases in patients with peritoneal metastases from colorectal cancer: a retrospective study（大腸癌腹膜播種に対する完全減量切除術と腹膜播種局所切除術の比較：後ろ向き観察研究） （論文内容の要旨） 大腸癌腹膜播種患者に対する治療は、緩和的な全身化学療法や手術が中心であると考えられてきた。しかし、腹腔内温熱化学療法を伴った完全減量切除術（cytoreductive surgery; CRS）の有用性が報告され、欧米では広く行われるようになった。一方で、本邦では、過大な侵襲とならない程度の腹膜播種切除（腹膜播種局所切除術, resection of isolated peritoneal metastases; RIPM）が推奨されている。これまで、大腸癌腹膜播種患者に対する腹腔内温熱化学療法を伴う CRS と RIPM を比較した報告は無い。そこで、本研究では、大腸癌腹膜播種に対して、腹腔内温熱化学療法を伴う CRS を受けた患者と RIPM を受けた患者の短期・長期成績を比較し、その有用性を検討した。2013 年から 2019年の間に、計 14 施設の多施設データベースとカルテレビューによりデータを収集した。大腸癌腹膜播種に対する手術を受けた患者の内、緊急手術例、切除不能遠隔転移例、姑息的手術例を除き解析した。CRS 群と RIPM 群の 2 群に分け、全生存率、術後死亡率、術後合併症、完全切除率について検討した。腹膜播種の広がりは、腹膜播種指数にてスコア化し、完全切除については、減量切除スコアが 0-1 点と定義した。大腸癌腹膜播種患者 630 人の内、適格であった 413人が解析された（CRS 群 257 人、RIPM 群 156 人）。CRS 群と RIPM 群で比較すると、65 歳未満が 71% vs 26%、同時性腹膜播種 53% vs 82%、肝転移 22% vs 10%、術前化学療法 87% vs 13%であった。CRS 群では、骨盤腹膜切除(77%)、横隔膜下腹膜切除(40%)、腹壁腹膜切除(25%)が施行され、開腹手術のみであったが、RIPM 群では 58%で低侵襲手術が行われた。腹膜播種指数 6 点以上の高値の患者は、62% vs 28%と CRS 群で多かったが、全生存率には統計学的に有意な差を認めなかった（ハザード比 1.27、95%信頼区間 0.81-2.00）。CRS 群では 6 例（2.3%）の周術期死亡を認めたが、RIPM 群では周術期死亡を認めなかった。術後合併症は、RIPM 群よりも、CRS 群で有意に多かった（リスク比2.02、95%信頼区間 1.18-2.48）が、多変量解析では有意な差を認めなかった（リスク比 1.42、95%信頼区間 0.62-3.25）。腹膜播種指数が 6 点以上の進行した大腸癌腹膜播種の患者では、完全切除を得られた患者は、CRS 群で 115/157 (73%)、RIPM 群で 15/44 (34%)であった。大腸癌腹膜播種患者に対する CRS の長期生存に対する有効性は示されなかった。しかし、CRS は腹膜播種指数が 6 点以上の高値の患者であっても、高い完全切除率を得ることができた。完全切除を達成した患者では、良好な長期成績が得られており、切除可能と考えられる大腸癌腹膜播種患者に対しては、完全切除を目指した手術を行うべきであることが示唆された。広範な播種を伴う患者では CRS が必要と考えられるが、限局した播種のみの患者では、RIPM により完全切除が達成できる可能性がある。腹膜播種の広がりの程度に応じてどのような手術を適応すべきか、さらなる研究が望まれる。 （論文審査の結果の要旨） 本研究は、多機関共同の観察研究で、大腸癌腹膜播種に対する完全減量切除術（Cytoreductive surgery; 以下CRS）と腹膜播種局所切除術（Resection of isolated peritoneal metastases; 以下RIPM）を比較検討した。 主要な評価項目は患者予後とし、播種の初回治療開始日から死亡までの期間を指標とした。副次評価項目として、術後合併症と完全切除割合を検討した。 その結果、完全切除割合は、腹膜播種指数の低い患者では有意差は認めなかったが、腹膜播種指数の高い患者ではCRS 群で有意に高かった。また、重要な交絡要因を調整した多変量解析では、CRS 群とRIPM 群で術後合併症（リスク比；1.42、95%信頼区間；0.62~3.25、P=0.41）と予後（ハザード比；1.27、95%信頼区間；0.81~2.00、P=0.29）に有意な差は認められなかった。 腹膜播種指数の低い患者ではRIPM でも多くの患者で完全切除を達成し、CRS に遜色ない治療成績が得られる可能性があるため、RIPM が大腸癌腹膜播種の治療選択肢になると考えられる。一方で、腹膜播種指数の高い患者では RIPM での完全切除割合は低く、播種の程度に応じた切除術式の検討が今後も必要である。  以上の研究は大腸癌腹膜播種に対するCRSとRIPMの治療成績の違いの解明に貢献し大腸癌腹膜播種を有する患者の治療に寄与するところが多い。   したがって、本論文は博士（ 医学 ）の学位論文として価値あるものと認める。   なお、本学位授与申請者は、令和 5 年 8 月 8 日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日：      年   月   日 以降 

大腸癌腹膜播種に対する完全減量切除術と腹膜播種局所切除術の比較：後ろ向き観察研究

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大腸癌腹膜播種に対する完全減量切除術と腹膜播種局所切除術の比較：後ろ向き観察研究

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