付記する学位プログラム名: デザイン学大学院連携プログラム京都大学新制・課程博士博士(工学)甲第24607号工博第5113号新制||工||1978(附属図書館)京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻(主査)教授 椹木 哲夫, 教授 小森 雅晴, 教授 泉井 一浩学位規則第4条第1項該当Doctor of Philosophy (Engineering)Kyoto UniversityDFA

Chen, Weiya

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RIGHT:URL:CITATION:AUTHOR(S):ISSUE DATE:TITLE:Analysis of Driver's Mental Workloads forDesigning Adaptive Multimodal Interface forTransition from Automated Driving toManual( Digest_要約 )Chen, WeiyaChen, Weiya. Analysis of Driver's Mental Workloads for Designing Adaptive Multimodal Interface for Transition fromAutomated Driving to Manual. 京都大学, 2023, 博士(工学)2023-03-23https://doi.org/10.14989/doctor.k24607許諾条件により本文は2024-10-01に公開; 学位規則第9条第2項により要約公開; 許諾条件により要旨は2023-06-22に公開; W. Chen, T. Sawaragi & T. Hiraoka (2021), Adaptive multi-modal interface model concerning mental workload intake-over request during semi-autonomous driving, SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration,2021 14:2, 10-21, DOI: 10.1080/18824889.2021.1894023 W. Chen, T. Sawaragi, T. Hiraoka (2022), Comparing eye-trackingmetrics of mental workload caused by NDRTs in semi-autonomous driving, Transportation Research Part F: TrafficPsychology and Behaviour, Volume 89, 2022, Pages 109-128, ISSN 1369-8478, https://doi.org/10.1016/j.trf.2022.05.004.  京都大学 博士（工学） 氏名 陳 薇雅 論文題目 Analysis of Driver’s Mental Workloads for Designing Adaptive Multimodal Interface for Transition from Automated Driving to Manual （半自動運転時の権限移譲を支援する適応型マルチモーダル・インタフェースのデザインのためのドライバの心的負荷の分析） （論文内容の要旨） 自動運転技術はコンピュータービジョンや機械学習技術の発展により注目を集めている．なかでも国際自動車技術者協会 (SAE) の定義による自動運転レベル 3 (SAE Level 3)では，自動運転機能が実行されている状態では運転者による運転操作は必要ないものの，システムが自動運転走行を継続できない場合に，運転者への権限移譲を求め，それを受けて運転者が走行を引き継いで運転をしなければならない．そのため，レベル 3 のような半自動運転による走行中には，運転者が引き継げる状態にあるか否かといった運転者の状態監視や，実際に運転の移譲を安全に終えられるまでの移行時間の管理や確保などが重要な課題となる． 本論文は，運転者が半自動運転走行中に，システムが発する運転交代要請（ take-over request :TOR)を受ける際に走行状態に適した運転操作が行える状態への移行が円滑に行えることを保証するための人間機械系設計について論じている．とくに，運転者の心的負荷（mental workload）に着目し，複数の課題遂行時に認知資源の干渉が生じることを述べた Wickens による注意の多重資源理論（Multiple Resource Theory: MRT）を拡張し，運転者の心的負荷をリアルタイムで測定するための視線追跡指標の妥当性と運転者の個々の特性への影響について，一連の二次課題法による実験を通じて調べ，運転者の円滑な運転移譲を支援するためのマルチモーダル・インタフェースのデザインについて論じている． 本論文は，以下の全 6章から構成される． 第 1 章は緒言であり，自動運転技術に係る研究開発の現状と課題について，とくに自動運転が運転者の運転時の状況認識と運転者の心的負荷に対して与える影響についてまとめている．主観的な心的負荷の測定にかかる過去の研究や，人の活動の系統的構造分析手法である活動理論について紹介し，活動の時間構造から各活動要素の複雑さに基づいてタスク全体の複雑さを定量評価するための既存の手法を紹介している．そして本論文が根差すところの複数の課題遂行時の認知資源の干渉について論じた注意の多重資源理論についてその概要をまとめている． 第 2 章では，本論文で取り扱う 3 つの課題の概要についてまとめている．最初に，自動運転機能が実行されている状態から運転交代要請（TOR）を受けて権限移譲が短時間の間に求められる状況を想定し，手動で運転する際の運転者の注意資源配分や心的負荷についての課題を提起している．つぎに 3 つの異なる自動運転レベルで走行中の運転者に対して二次課題法による実験を行い，質問表による主観的心的負荷の計測結果と，二次課題の成績，さらに実験中の運転者の視線追跡・眼球追跡のデータから得られる生理学的指標のデータを取得した上で，心的負荷量の同定のための生理学的指標の妥当性を明らかにする課題を挙げている．そして最後に，運転者に対する運転交代要請（TOR）の通知手段として，視覚と聴覚によるインタフェースを使った実験を実施し，インタフェースのモダリティの違いによって，運転移譲時の心的負荷に対する種々の運転者固有の影響因子や TORへの運転者の応答行動への影響を明らかにする課題を挙げている． つづく第 3 章から第 5 章では，注意の多重資源理論を拡張したモデルの提案を行い，その有効性について，様々な運転シミュレータを用いた実験協力者に対する実験の結果とともに示している． まず第 3 章では，運転者と自動運転システムとの間で発生する相互作用事象の時系列として，システムが自動運転の継続を困難にする事象の検知に始まり，運転者への運転交代要請，運転者の走行状態に対する状況認識の開始，システムから運転者への運転権限の移譲，運転者による安全な手京都大学 博士（工学） 氏名 陳 薇雅 動運転への移行完了，からなる時区間の分類を行なった．その上で，まず運転者が手動運転を行う際の心的負荷の計測実験について述べている．このフェーズは，システムから運転者への運転権限の移譲後の手動運転時における心的負荷に相当する．実験では手動運転を一次課題とし，さらに二次課題として異なる認知資源を要する課題を複数用意し，その中のいずれかを一次課題と同時に実行させる．二次課題の遂行成績（誤反応や反応時間等）から，どのような認知資源の競合が遂行成績の悪化につながっているかを明らかにした．また同計測法以外に，NASA-TLX による主観的心的負荷の計測法も併せて実施し，これらの結果から，視覚チャンネルと空間チャンネル，および空間チャンネルと言語チャンネルの間の競合が起こり得ること，運転中の視覚チャンネルが最も競合を起こしやすく，言語チャンネルが最も競合を起こしにくいことを確認した． 第 4 章では，自動運転のレベルの違いによる運転者の運転中の心的負荷に関するシミュレータ実験を行なった．NASA-TLXによる主観的心的負荷の計測法の結果では，自動化のレベルが上がるとともに心的負荷は減少する結果を得た．さらに瞳孔径の変化，サッケード頻度，サッケード持続時間，凝視回数および 3D 視線エントロピの生理学指標に基づく分析からも同様の結果が得られ，これらの指標を用いた実験結果のクラスタリングにより，これらの指標群が運転中の心的負荷の評価の信頼性を高くできるとの結論を得た． 第 5章では，前章までの議論に加え，システムからの運転交代要請を視覚および聴覚の TORインタフェースを用いて知らせた場合の運転者の心的負荷が，運転スタイルや性格等の個人特性によりどのような影響を受けるかについて，ドライビングシミュレータを用いた 33 人の実験協力者による実験を行ってデータを収集した．運転者の個人特性はドライビング・スタイル・アンケート (DSQ)およびワークロード・センシティビティ・アンケート (WSQ)への回答として測定した．収集したデータを構造方程式モデリング (SEM) に適用することで，運転者の個々の特性が，視覚と聴覚のインタフェースを用いた場合において，TOR への運転者の応答行動の時系列と心的負荷に対して異なった影響を与えることを確認した．とくに影響を与える上位 3 つの運転者の特性としては，せっかちな運転傾向，几帳面な運転傾向，不安定な運転傾向，が認められた． 最後に第 6章では結論として，本論文の内容をまとめたあと，今後の展望について述べている．   

半自動運転時の権限移譲を支援する適応型マルチモーダル・インタフェースのデザインのためのドライバの心的負荷の分析

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