京都大学新制・課程博士博士(医学)甲第24799号医博第4991号新制||医||1066(附属図書館)京都大学大学院医学研究科医学専攻(主査)教授 武藤 学, 教授 石見 拓, 教授 川口 義弥学位規則第4条第1項該当Doctor of Medical ScienceKyoto UniversityDFA

Aoyama, Ryuhei

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RIGHT:URL:CITATION:AUTHOR(S):ISSUE DATE:TITLE:Comparison of minimally invasive surgerywith open surgery for remnant gastriccancer: A Multi-institutional Cohort Study(Abstract_要旨 )Aoyama, RyuheiAoyama, Ryuhei. Comparison of minimally invasive surgery with open surgery for remnant gastric cancer: A Multi-institutional Cohort Study. 京都大学, 2023, 博士(医学)2023-05-23https://doi.org/10.14989/doctor.k24799京都大学 博士（ 医学 ） 氏 名 青山龍平 論文題目 Comparison of minimally invasive surgery with open surgery for remnant gastric cancer: A Multi-institutional Cohort Study  (残胃癌切除における低侵襲手術と開腹手術の比較、多施設共同観察研究)  （論文内容の要旨） 【背景】 残胃癌とは、幽門側胃切除術後などの残胃に発生する癌である。初発胃癌に対する低侵襲手術（腹腔鏡下手術、ロボット手術）の有用性と安全性に関する報告は近年増えているが、残胃癌は希少疾患であるために、残胃癌切除における低侵襲手術に関する報告は非常に限られているのが現状である。  【目的】 残胃癌に対する低侵襲手術の有用性と妥当性を多施設コホートで検討する。  【方法】 対象は2005-2020年に残胃癌に対して外科切除を施行した症例であり、除外基準は姑息手術症例、緊急手術症例、遠隔転移症例、同時重複癌切除症例とした。日本の 17施設よりデータ収集を行い、傾向スコアマッチングを用いて交絡を調整した統計解析を行った。傾向スコアはロジスティック回帰を用いて算出した。主要評価項目はClavien-Dindo分類グレードII以上の合併症とした。副次評価項目として、グレードIII以上の重篤な合併症、周術期成績（出血量、手術時間、術後在院日数など）、長期予後（全生存期間、無再発生存期間）を評価した。2 値のアウトカムに対しては修正ポアソン回帰を用いてリスク比（95%信頼区間）、連続量アウトカムに対しては線形回帰を用いて平均差（95%信頼区間）、長期予後に対してはコックス回帰を用いてハザード比（95%信頼区間）を算出した。  【結果】 適格基準を満たした症例は全部で 327 症例であり、内訳としては低侵襲群 132 症例と開腹群195症例であった。傾向スコアマッチングの結果、片群93症例となった。傾向スコアの算出に投入した 16 変数の標準化平均差はマッチング後にすべて 0.1 未満であり、マッチング後の集団はバランスがとれていると判断した。主要評価項目であるClavien-Dindo 分類グレード II 以上の合併症のリスク比は 0.76 (95%CI: 0.45, 1.27; p=0.198)、Grade III以上で0.65 (95%CI: 0.32, 1.29; p=0.199)であった。低侵襲群で手術時間は長かった(平均差 [95% CI], 62 min [35, 91]; P<0.001)が、術中出血量は少なく(平均差 [95% CI], -409 mL [-538, -281]; P<0.001)、術後在院日数は短かった(平均差 [95% CI], -6.5 days [-13.1, 0.1]; P=0.055)。観察期間中央値は全体で4.6年であり、全生存期間と無再発生存期間のハザード比はそれぞれ0.78, (95%CI: 0.45, 1.36; p=0.400)、0.71 (95%CI: 0.44, 1.16; p=0.200)であった。 【考察】 残胃癌切除において、低侵襲手術は開腹手術と比較して合併症は少ない傾向にあった。術中出血量は有意に少量であり、術後在院日数も短期で、長期予後に関しても良好な結果であった。残胃癌切除における低侵襲手術は有用な治療選択であることを示すことができた。  （論文審査の結果の要旨） 残胃癌は稀な疾患であり、残胃癌に対する低侵襲手術の有用性と妥当性を検討した大規模な報告はこれまでにない。2005-2020 年で根治を企図した残胃癌外科切除症例を 17 施設より369症例を収集し、傾向スコアマッチングを用いて低侵襲手術と開腹手術の短期・長期成績を比較した。 マッチング後は片群 93 症例であった。低侵襲手術の開腹手術に対する術後合併症のリスク比はClavien-Dindo分類Grade II以上で 0.76 (95%CI: 0.45, 1.27; P = 0.198)、Grade III以上で0.65 (95%CI: 0.32, 1.29; P = 0.199)であった。観察期間中央値は4.6年であり、全生存期間と無再発生存期間のハザード比はそれぞれ 0.78 (95%CI: 0.45, 1.36; P = 0.400)、0.71 (95%CI: 0.44, 1.16; P = 0.200)であった。残胃癌に対する低侵襲手術は、術後合併症と長期予後において有意差を示すには至らなかったが、治療選択肢となりうることが示唆された。 以上の研究は、残胃癌に対する低侵襲手術の妥当性を明らかにし、残胃癌診療に寄与するところが多い。  したがって、本論文は博士（ 医学 ）の学位論文として価値あるものと認める。  なお、本学位授与申請者は、令和5年4月5日実施の論文内容とそれに関連した研究分野並びに学識確認のための試問を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日：      年   月   日 以降 

残胃癌切除における低侵襲手術と開腹手術の比較、多施設共同観察研究

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残胃癌切除における低侵襲手術と開腹手術の比較、多施設共同観察研究

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