難病患者の就労に関する闘病記による学生の学び —学生の感想文の分析から—

Abstract

学生の難病患者の就労支援を含めた生活支援の理解を深めることをねらい,クローン病患者の就労に関する闘病記の感想文を課題とした。本研究は,A大学看護学科3年生29名を対象とし,感想文の内容分析を行い学生の学びを明らかにすることを目的とした。感想文29名分から,167記録単位を抽出し,37のサブカテゴリにまとめ,最終的に9のカテゴリに分類した。9のカテゴリは【身体面の影響】,【精神・心理面の影響】,【生活・社会面の影響】,【就労による影響】,【看護職としての役割意識】,【難病のイメージ】,【患者への尊敬の気持ち】,【今の自分との比較】,【自身の人生観への示唆】であった。学生は闘病記を読むことで,難病患者の就労を含めた生活・社会面への影響,患者の就労とQOL実現のために必要な支援と情報提供の必要性が理解できた。また,病気の不安や心配が多いとの難病のマイナスのイメージだけでなく,難病であってもできることがあるとのプラスのイメージを抱くことができた。さらに,難病患者を支援するために看護職に求められる姿勢とスキルを再認識し,今後の学習への動機づけと将来への意欲が喚起される機会となり効果的であった

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