SDGs をめぐるESG 投資を通じた グローバル・ガバナンスの可能性 ― ビッグデータを用いた株保有ネットワークの分析 ―

Abstract

要 旨本稿はESG 投資を通したSDGs 達成のためのグローバル・ガバナンスの可能性を模索すべく、ビッグデータを用いてグローバルな株保有ネットワークと、上場投資信託(ETF)の分析を行なった。その際、これまでのESG 投資に関する分析の射程を拡大するため二つの新機軸を打ち出した。一つは、ESG 投資の基準として、これまでは非ESG 企業への直接的な投融資に着目していたところ、本稿は、複数リンク先への株保有の連結を分析する方法を提示することで、間接投資を分析射程に収めることが可能であることを示した。もう一つは、ESG投資の実践手法として、ICAN のネガティブキャンペーンに代表されるような非ESG 企業からの投資撤退ではなく、個人・機関投資家が保有する非ESG 企業の株式を合従して集合的に経営決定に対して影響力を発揮するスチュワードシップの可能性を可視化した

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