ODA, Kaori

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Okayama University Scientific Achievement Repository

 氏     名 小田 香織授与した学位 博 士専攻分野の名称 医 学学位授与番号 博 甲第  6 7 6 0 号学位授与の日付 2023 年 3 月 24 日 学位授与の要件 医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 （学位規則第 4 条第 1 項該当） 学位論文題目  論文審査委員 教授 竹居孝二 教授 荒木元朗 准教授 山田浩司学位論文内容の要旨 糖尿病性腎臓病(DKD)は我が国における末期腎不全の最大の原因疾患であり、その発症・進展には炎症が深く関わっていることが知られている。インフラマソームは炎症を惹起する蛋白複合体であり、ATP 等の刺激により P2 受容体を介して活性化される。我々は肥満糖尿病モデルの KK-Ay マウスを用いて、P2 受容体阻害薬(suramin)がインフラマソームの活性化を阻害することにより DKD の進展を抑制するか否かを検討した。その結果、suraminは KK-Ay マウスのアルブミン尿と、糸球体肥大やメサンギウム基質の増加を抑制した。また、腎皮質のインフラマソーム関連遺伝子・蛋白や炎症関連遺伝子の発現、糸球体におけるマクロファージの浸潤や、ポドシンおよびネフリン蛋白の減少も suramin によって抑制された。P2X 受容体はメサンギウム細胞に発現しており、in vitro では、ATP 刺激によるインフラマソームの活性化が suramin により抑制された。以上の結果から、DKD の発症にインフラマソームが関していることが示唆されるとともに、suramin の DKD に対する有効性が期待される。論文審査結果の要旨 糖尿病性腎臓病(DKD)は P2 受容体を介するインフラマソーム形成と炎症の惹起により発症・進展するが、DKD に対する P2 受容体阻害薬の効果は十分な検討がなされていない。本研究において申請者は、肥満糖尿病モデル KK-Ay マウスに P2 受容体阻害薬 suramin を投与し、インフラマソーム形成と DKD の進展に対する抑制効果を検討した。P2X 受容体はメサンギウム細胞に発現しており、Suramin 投与により KK-Ay マウスで観られたアルブミン尿、糸球体肥大、メサンギウムの増加は抑制された。腎皮質のインフラマソーム関連遺伝子・蛋白や炎症関連遺伝子の発現、糸球体のマクロファージ浸潤、ポドシンやネフリンの減少もsuramin により抑制された。in vitro では、suramin は ATP 刺激によるインフラマソームの活性化を直接抑制した。以上の結果より、DKD 発症におけるインフラマソームの関与と、DKD に対する suramin の有効性を示した。本研究は DKD の病態解明に関する重要な知見を得た価値ある業績であると認める。よって本研究者は博士（医学）の学位を得る資格があると認める。 Suramin prevents the development of diabetic kidney disease by inhibiting NLRP3 inflammasome activation in KK-Ay mice （Suramin は KK-Ay マウスにおいて NLRP3 インフラマソームの活性化を阻害することにより糖尿病性腎臓病の進展を抑制する）

SuraminはKK-AyマウスにおいてNLRP3インフラマソームの活性化を阻害することにより糖尿病性腎臓病の進展を抑制する

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/6/65321/20230605151155783465/K0006760_abstract_review.pdf

SuraminはKK-AyマウスにおいてNLRP3インフラマソームの活性化を阻害することにより糖尿病性腎臓病の進展を抑制する

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