KOBAYASHI, Tatsuko

Kobayashi, Tatsuko

SAKAMOTO, Masako

Sakamoto, Masako

TERADA, Ayumi

Terada, Ayumi

コバヤシ, タツコ

サカモト, マサコ

テラダ, アユミ

坂本, 雅子

寺田, あゆみ

小林, たつ子

【目的】本研究の目的は、今後の高齢者関連施設における尿失禁ケアへの方向性の示唆を得るために、老人保健施設、特別養護老人ホーム、長期療養型病棟の尿失禁ケアの実態と尿失禁に対する看護師・介護福祉士・介護員の認識を明らかにすることとした。【方法】研究対象は、Ｙ県内の高齢者関連施設66施設に勤務している看護職及び介護専門職1,022人で、質問紙を用いたアンケート調査を行った。【結果】調査対象の構成は、介護員が40.0％、次いで看護師が33.7％、介護福祉士が26.3％であった。尿失禁者は入所者の59.3％で、その内尿意がある者は21.4％であった。如失禁についてスタッフ間での話し合いを行わない理由として、「必要時のみ検討」が最も多く、次いで「加齢現象」と「業務多忙」という理由がほぼ同数であった。尿失禁者に対して、医学的に判断を行っていないと44.2％が回答し、その理由については、「医療スタッフ間の認識が低い」が最も多く、次いで「高齢・認知症患者で改善が期待できない」、「看護・介護職が独自で尿失禁ケアができる」、「医療スタッフ間の連携不足」、「時間・経済的困難」の順であった。これらのカテゴリー毎の、職種間の３群で比較すると有意差は見られなかった。最も多かった「医療スタッフ間の認識が低い」というカテゴリーは、“病的なものと思わないから、仕方ないと思う”という内容の記述や“医療的レベルではないと思うから報告しない”等の記述から導き出された。また、尿失禁に関する今後の希望や意見については、「個々に応じたケアをする必要性」が最も多く、次いで「現実の尿失禁ケアの難しさ」、「知識の習得」、「他職種との連携の必要性」の順であった。これらのカテゴリー毎にも、職種間の３群で比較すると有意差は見られなかった。【結論】尿失禁者の中に尿意がある者は２割程度おり、排尿自立の可能性が高いことが示唆された。尿失禁についての認識は、看護師・介護福祉士・介護員の３職種ともに、尿失禁は病的なものと思わないから仕方がないや、医療的なレベルでないから医師に報告する必要がないなどの考えをもっていることから、尿失禁を「疾患」としてとらえる認識がないことが明らかとなった。特に看護師は医療者でもあり健康志向が目的であるにも関わらず、高齢なので仕方ない、改善は期待できないとあきらめの認識をもっている事が明らかになった

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高齢者関連施設における尿失禁ケアに対する看護・介護職の認識の検討

高齢者関連施設における尿失禁ケアに対する看護・介護職の認識の検討

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