貧血を伴う腸重積を契機に発見された小腸Gastrointestinal stromal tumorの1例

Abstract

症例は60代女性.心窩部痛,黒色便を主訴に当院救急外来を受診した.心窩部に圧痛を認め,直腸診で黒色便の付着がみられた.血液検査でHb6.4g/dlと貧血を認めた.腹部造影CT検査にて,ターゲット状に肥厚した小腸を認め,その腸管の内部に動脈相で早期濃染する腫瘤を認めた.また,小腸内視鏡検査で切歯列70cmの空腸に約3cm大の粘膜下腫瘍を認めた.手術は腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した.腸重積を解除し,腸管浮腫のない部位で空腸を切離,吻合した.摘出標本の病理組織学的検査で,超低リスク群の小腸Gastrointestinal stromal tumorと診断した.今回,貧血を伴う腸重積を契機に発見された小腸Gastrointestinal stromal tumor の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する

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