包接クロマトグラフィ-の生体内ステロイド分析への応用

Abstract

金沢大学薬学部本研究はシクロデキストリン(CD)を高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)の移動相に添加する包接クロマトグラフィ-の優れた分離能に着目したもので、従来法では困難な生体体ステロイドの分析法を確立し、それを基に臨床診断、病態解析に信頼度の高い方法論を提供する目的で行われた。1.生体内エストロゲン分析への応用近年、エストロゲン服用と発癌との関係が示唆されている。そしてエストロゲンの代謝経路を明らかにすることはこれらの解明の一助になると考えられ、数多くの試みがなされている。しかし、優れた分析法のないエストリオ-ルのそれについては未だ十分な検討がなされていない。そこでまず包接クロマトグラフィ-を用いて予想代謝産物である2-及び4-ヒドロキシエストリオ-ルの分析法を確立した。ついでラット肝ホモジネ-トを酵素源として検討したところ、エストロン、エストラジオ-ルとは異なり、2位の水酸化のみが見られ、4位へのそれは認められなかった。2.胆汁酸分析への応用近年、肝胆道疾患と抱合型胆汁酸の消長との関係が注目されている。現在HPLCがプロファイル分析に優れることから汎用されているが、分離に長時間を要するなど多くの問題点を有している。そこで包接クロマトグラフィ-を用いて各種胆汁酸の化学構造と溶出挙動の関係を明らかとすると共に、従来法に比し短時間で可能な一斉分析法を確立した。さらに実試料への応用も検討中である。以上のようにCDを用いる包接クロマトグラフィ-は、生体内ステロイドの分析に極めて有用なことが明らかとなった。研究課題/領域番号:01571175, 研究期間(年度):1989出典:研究課題「包接クロマトグラフィ-の生体内ステロイド分析への応用」課題番号01571175(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-01571175/)を加工して作

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