Article先進繊維技術科学に関する研究成果報告書 8: 62-62(2002)research repor

小林,  悟

山浦,  逸雄

白井,  汪芳

赤松,  幹雄

Japanese

Shinshu University Institutional Repository

E5_3　活性炭素繊維フェルトの通電加熱による再生方法の開発山浦逸雄,白井江芳,小林　悟※,赤松幹雄※※信州大学繊維学部, ※ (独)産業技術総合研究所, ※※東邦化工建設株式会社1.緒言溶剤回収装置における吸着材料として吸着性能に優れた活性炭素繊維(ACF)フェルトが広く使用されている｡この脱着,再生にはスチームが用いられるが,諸般の事情から加熱効率の高い乾式の溶剤回収装置の開発が望まれていた. ACFフェルトの素材は炭素であるため,電気伝導性を有することはよく知られている.この性質を利用して,直接電流を流すことによってACFを発熱させる試みが以前からなされてきた.しかし,実用化するには至っていない.この理由としては,ACFフェルトの電気的性質が明確に分かっていなかったこと,これと通電用電極との組み合わせが適切ではなかったこと,さらに通電時のショートパスの形成などにより,フェルトの一様加熱ができなかったことによる.本研究の開始によって, ACFフェルトの体積抵抗率の正確な測定とこの値に応じた通電用電極の適用法などの検討からショートパスの生じない通電方法を見出した.これまでの結果から本方法による溶剤回収装置の実用化の見通しが得られたので,ここでは,装置内に装備する吸脱着エレメントの小型実証化モデルを製作し,電極抵抗,発熱特性等について検討を行った.2.実験方法モデルの形状は実用しているものと同じ円筒状で,寸法は約1/3である.試作したエレメントをFig｣に示す.エレメントのACF部内径は4. 2cm,外径6cm,長さ25cmである.金網をロール状に巻き心材とし,その上にACFとの絶縁を図るガラスクロスを巻きつけ,さらにその上にACFフェルトを4周巻きつける.このときフェルトの両端部には,幅2cm,厚さ0.1mmの燐青銅板を電極としてロールに巻き込む.巻き終わったところで電極部をシールド用導電性粘着テープで締め付けながら止める.電極には通電用のリード線を接続する.製作したエレメントの電極抵抗を調べるため,4電極法によってACF部の抵抗を測定し,この値をエレメントのリード線間の抵抗から差し引くことによって求める.さらに電極の単位面積当たりの抵抗も算出する.次にリード線を60HzAC電源に接続し,適当な電流で熱平衡状態になったときのエレメントの温度分布をサーモカメラによって撮り,発熱分布の一様性をチェックする.Fig.I Manufactured element3.結果と考察製作したエレメントの抵抗測定を行った結果,ACFフェルト加熱部の抵抗は7. 07E2,電極抵抗は両端部合わせて2. 4 5E2が得られた.蛋極の単位面積あたりの抵抗は290E2 A cm2である.電極抵抗それ自身の値は従来の検討から十分実用できる値であるが,試作モデル全体のパフォーマンスを考えると,注入した電力の26%は電極部で発熱するので,全体の効率を上げるためには, ACFフェルト部の長さを長くすることが必要である.通電試験によるエレメントの発熱分布については,円筒形状に対して側面の熱画像を検討した.その結果,良好な温度分布が得られ,かつ電極部の温度上昇も少なく,長時間通電においてもショートパス現象の起こらないことを確認した.4.緒言実用化モデルとして,活性炭素繊維フェルトをロール状に形成した.良好な電極抵抗特性と発熱分布の得られることが分かり, ACFエレメントを乾式で有効に再生する方法が開発された.一62-

E5_3 活性炭素繊維フェルトの通電加熱による再生方法の開発

https://soar-ir.repo.nii.ac.jp/record/14722/files/SAFTST08_05_06.pdf

E5_3 活性炭素繊維フェルトの通電加熱による再生方法の開発

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