Article長野県透析研究会誌 26(1): 69-72(2003)journal articl

山田,  吉広

熊藤,  公博

百瀬,  光生

袖山,  孝徳

酒井,  善之

須澤,  大知

Japanese

Shinshu University Institutional Repository

2322-oxacalcitriolを投与した二次性副甲状腺機能亢進症の透析患者での各PTH測定の検討豊科赤十字病院臨床工学課山田吉広　熊藤公博　袖山孝徳同泌尿器科酒井善之　須澤クリニック　須澤大知　百瀬医院　百瀬光坐【日的】近牢､慢性血液透析患者では､糖尿病や高齢者における低回転型の無形成骨と並んで､二次性副甲状腺機能先進症 (以下ⅡoHPr)における､骨痛､骨険下吸収像などの臨床所見を呈する高回転型の線維性骨炎の治療が問題になっているi)｡ⅡoHPrの診断として各種の副甲状腺ホルモン(以下m )の測定が､末期腎不全患者において副甲状腺の機能評価に用いられている｡今回我々は内服ビタミンD3製剤抵抗性のⅢoHPでの血絞透析患者に活性型ビタミン D3誘導体 221m Cakitriol (以下OCT)を投与し､副甲状腺ホルモン C末端 (以下m -C)､高感度Pm (以下PTTIIHS)､副甲状腺ホルモンintact(以下Pm -ink)､副甲状腺ホルモンwhole (以下m -W)､骨型アルカリフォスフアクーゼ (以下 BAP)および補正カルシウム(以下補正Ca)を定期的に測定し､各PTHの有用性を検討した｡【対象と方法】対象は当院に毎週3回通院している慢性腎不全血汝透析愚者6名(男性4名､女性2名､年齢69.0±10.1歳､透析歴3.8±1.1年､孤 -ink350- 50 pg/d)とした OCTを毎回透析終了時にSLgを透析回路から静注し､16週間経過を観索した｡リン吸着剤を内服している患者は5人いたが投与開始時から変更しなかった｡高度な異所性石灰化は認められなかった｡採血は2週間毎の透析前に行い､補正Ca l1.6mg/dl以上またはm 一山 150pg/ml以下になったときは投与を中止することとした｡PTTI-intはアレグロ intact m キッドでimmuJXIradiometricaEL8ay(以下m A)法､孤-WはScandh 杜のm 法､m -Cはm-C(栄研 )キッドここ抗体radioimmum8餌ay､PTTI-HSは 血 gmentFm (ユカ )キッドで IRMA法､アルブミンは和光純薬杜のBCG法､血清Caは〒3E沿･8292 長野棚 丘科■丁壬科6685血糊 LL田 舌xt TL0263(72)317t)L4nX O283(72)2314小野薬品社の酵素法､補正CaはPai1℃らの式 IiIにより算出した｡統計はStuden払い 検定を行い､成績はznean±SDで表し､PeaSK)nの相関係数の検定をおこなった｡また危険率p <0.01を統計的に有意差ありとした｡【結果】1)OCr投与について対象患者6例全症例において16滴まででは､補正Call.5mg/dl以上またはm -int150pg/ml以下になることはなかった2)各PTTIの平均値の推移 (図1)OCr投与前値を1∝)% としで各m の平均値の経時的変化を示すこ16週では m -C､孤 -HSは前値に比し平均 40%減少し､m 一血止､m -Wは前借に比し平均 50% 減少した｡0 4 e 12 18･⊂トFrTH-CI-FrTTl-HSl- PTH-lryL- Fm -W3)各m 間の相関 (表1)m 投与での各PTHの相関はm -Cとm -HSではr-0.82 p<0.01､m -intとm -Wもr-0.86 pく0.01と両群で有意な相関関係が存在した｡また m -HSとPTH-int間にもr-0.53pく0.01で相関関係が存在した｡各Fm 間の相瞬 く表1)PTⅡ.C PTE.ES PTE.intPT王Ⅰ.ES r=0.82pく 01PTE.int r=0.27p< I r=0.63P〈O.01PTA.▼ r=0.14 r=0.36 r-0.86- 69-4)OCT.投与でのBAPの変化 個2)ocr投与によりBAPは､平均 38U/Ⅰより緩やかに低下し､16週では平均 21U/Ⅰまで減少した (p< 0.01)｡また､再上昇を認めることはなかった｡○ ■ Jl 12(叶●●k●)105)各m と透析前祐正Ca(図3)ocT投与でのm -C､m -HSと透析前補正Caとの間では､相関関係は存在しなかったが､Pm -int及び､PnIIW と透析前繊正Caとの間では､負の相関関係が存在した｡(r=0.57､P〈O.01及び r=0.48､p< 0.01)o(汀投与での補正CaとⅧ (図3)N与･敵 ･0 1 8 1Z l o. 10000 20000(mv'd) FrTH-C (･Vd 一 .･■J FrTH-HS bv･'nl)■UHrl0 2乱 _.:ob.35, 0 23;oH-.wo° b.dqqrh6)OCr投与での各m とIN (図4)OCr投与でのm -C､m -HSとBAPの間には相関関係は存在しなかった｡PnI-ink孤-W とBAPとの間に正の相関関係が存在した｡m -intよりm -Wの方が相関係数が高かった｡ (r=0.46､p<0.01及び r=0.63､p<0.01)OCr投与での各m とBAP (図4)0 10 20PTH-C h〟rd● 耶l0 200 40 600PTH-ht 仙 )NS.･芸'.･;I.よ.･010000 20000PTHIHS bdr0 200 仰 IOOpTH-_ b■′d【考察】ⅡoHm､透析患者では 2(X氾年 8月まではVitamidD経口パルス療法が治療の中心であり､m を減少させる効果が得られる半面､Ca値が上昇するなどで治痴継続が困難になる場合が少なくなかった｡しかし同年9月よりOCrの静脈内投与が可能となり､副作用の軽減が期待された｡今回の我々の OCr6JLgの週 3回投与では､対象患者 6例全症例においてOCr投与 16過までに､祐正Call･5mg/dl以上またはm -ink150pg/ml以下になることはなかった｡OCrは血中半減期が短く､副甲状腺細胞-直接に作用することによりnTIの合成分泌を選択的に抑制するので､PTTI値の低下率に比較して､血清Ca濃度の上昇作用が小さいとされている10)12)｡今回もこの利点により高 Ca血症を起こさず､安全に投与できたと考えられた｡OCr投与前値 (孤 -int350-50pg/ml)を10 % としての OCr投与による各mの平均値の推移で､各16週ではm -C､孤-HSは前借に比し平均 40%減少し､またm -int,孤 -Wは前値に比し平均50% 減少した｡各m の減少率を比較するとm -C､m -HSよりm -ink.孤 -Wの方が減少率が高かったが､これは抗体標識アミノ酸部位による差と考えられる｡Fm-Cとm -HSの標識部位は m ホJレモン1-84アミノ酸の- 70-うち､C末端側 (84番目)付近であり､mの活性部位といわれている1-6番目アミノ酸の部位を直接に軌定していない1I)｡これに対してm -int.m -Wではm ホルモン1I84アミノ酸のうち､活性部位1-6番目(N末端側 )より認識しており､m 活性がある部分を含めて1-84アミノ酸の全m を測定しているといわれているID･.m -Cとm -HS､m -intとm -Wはそれぞれほぼ同一のアミノ酸部位を珊定しているため､それぞれの間に強い正の相関相関が存在していると考えられる｡以上のことより､OCrによるm の各測定法による減少率に差が出たものといえる｡BAPは骨芽細胞により形成される基質/J､細胞膜に発現する酵素であり､骨形成の量を良く反映する精度の高いマーカーであり､線維性骨炎に代表される高回転型の骨回転の評価に用いられているか7).ocr投与によりm が減少することに伴いBAPも減少するといわれているが､今回も同様な結果となった｡また､その後再上昇を認めることはなかった｡各m と透析前掠正Caの間には､孤 -Cとm -HSには相関関係は存在しなかったが､FTH-in七､m -Wと負の相関関係が存在した｡この違いも､各 m 測定での標純アミノ酸部位の相異によると考えられる｡CXTはPTHの合成､分泌抑制作用に比して､血消ca上昇作用が少ないとされているが 10)19､今回の検討ではOCr投与時においては､m -ink.m -Wの値が､血清Ca濃度と密接に関係している可能性を示唆する結果が得られた｡OCr投与でわ各 m とBAPの関係では､孤 -int.孤 -WはBAPと有意な相関関係があるのに対し､m -CとPnI-HSに相関関係は存在しなかった｡これも､後者の丙mはPm 抗体標馳 ;活性部位と離れているので､其のm 活性との間にずれがあるためではないかと考えられる｡また､孤 -intが副甲状腺ホルモン軌定の代表的測定項目とされ､臨味に多様されている現状であるが､OCr投与でのm -int､m -WとBAPの間にはそれぞれ正の相関関係が存在したものの､m -Wの方がm -intより相関係数が高かった｡括性型副甲状腺ホルモンである孤 (1-84)frapentにはm (1-6 )丘agment及びbigPm (7-84)血 gwntと呼ばれる分解産物が存在することが明らかになり､現在のm -int測定はbigm (7-84)fragmentも含めて測定していることが報告されているD.またこのbigm (7-84)丘agmentにはm (1｢84)fragmezltの作用を抑制する作用があり､Pm -intの測定書法 のm 活性を評価していないのではないかと言われている3)19.以上より､OCr投与による正確な効果判定には､今後 m -W の方が指標として適していると考えられる｡Ⅱ o HFr透析患者にOCrを授与し､OCr投与下で各m ､mIp値は共に減少し､高 Ca血症を誘発せず､副甲状腺の機能を抑制した｡現在m -intが頻回に測定され､臨床に使用されているが､BAPにより反映される骨回転との相関上では､Pm -Wの方がより有用性が示され､今後の臨床評価が期待される｡【結語】m -Wは他のPm に比し､骨代謝回転に療接した優れたマーカーであり､今後の二次性副甲状腺隣詑冗進症の治療指針となることが期待される｡(参考文献)1)秋滞忠男､黒川 消､秋葉 隆ほか :長期透析息者における副甲状腺機能低下症に関する実態の調査と対策.厚生省腎不全研究班報告書.56-61(1994)2)LepageR,Rqy L,BztB8ardJ-H,etal.:ARon- (1･84)cizmhtingparathyzt)idhonmne (孤 ) 鮎 gmeJlt in teI鳥相88ignih dy with intact孤 a)mnerciala朗aymeaLBurement8 in uremicSamph.ClhChem44:805-8の,1998.3)ShtopobkyE,刑血hJ,etal.:A novelnechaniBm 丘)r8kek)ぬlztniBtaI℃ein.1柁mb.馳 yI血.58､753･761(2000)4)U柁rLaIミ叫 M,Ferreira Aetal:Pb8natotalⅦr8uBbzx)a比alizx)plx栂phtaBe aL8markers0ftx)斑 tLm Wrin Ⅰ℃叫 i8patients.JAm Sw Nephr017:5(冶･512,19965)伽uttenyeMM,Dt王ae8ePC,Vannx)fVO.- 71-et 81:IJ)W 8eru n leⅥ由 of 81kdinph伽phataBeOftx)zx!ori& :agd markerofadynamicbozndigCiLBCinhBmodidpiBpatienb.NeplmDialThJy)Ph血11:1拡5･107旦19966)Jarava C,ArnaBJR,Sd即 eira叫etal'･a)加 aBalim pl加Phatzwe iBW nzyme inzt)nal 鴨teOdyzStmphy. Nephrd Dialnaznplm t ll(Su-pp13)･43･4q19967)三浦義昭､石山剛､寺邑朋子 :透析骨症､とくに無形旋削志の診断におけるISEA法による骨型AIp汎定の有用性について.腎と透析1ゐ145.535･54119998)西井易憩森捕腎性江滞郁子 小島至:PTHとpTTh:Pの測定法と血液温度.カルシウムと骨240･244.2∝)19)GaoP,Scln加l S,D-amo叩 P,CT:M由wing ぬき hiohgcaly aCか8 0rauthe血 wh)le paLratyymid brnone(孤 )witharKNelirnnum dbmetriCが8aywithout crtu -zt)血 n tD th m (7-84)血gnent,JIbJB M血 払 姐 14;SU057,1999.10)加藤尚彦､重松隆:新しいビタミンD誘導体の治療-の応用.M CALCAm Vj19.764･769 19991D深川雅史 黒川晴'･透析骨症と二次副甲状腺機詰瓦進症CW CALM uMVom 707･7102(刀212)黒川清､秋沢忠男:慢性期腎不全患者の二次性副 甲状腺機能克進症 に対す る 22 -chACakitriol(OCI)注射剤の安全性及び有効性の検討 腎と透析 第48巻 第6号 別冊 2∝瓜6-72-

22-oxacalcitriolを投与した二次性副甲状腺機能亢進症の透析患者での各PTH測定の検討

https://soar-ir.repo.nii.ac.jp/record/7957/files/Nagano_Dialysis_26-01-23.pdf

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