Article先進繊維技術科学に関する研究報告 平成11年度成果報告 6: 95-95(2000)research repor

小林,  長夫

山本,  巌

木村,  睦

清水,  義雄

濱田,  州博

白井,  汪芳

Japanese

Shinshu University Institutional Repository

多機能型新色素､染色助剤および評価法の開発(2)溝田州博､清水義雄､山本　巌､小林長夫､ ○木村　睦､白井江芳信州大学繊維学部素材開発化学科･感性工学科･機能高分子学科東北大学大学院理学研究科1.　緒言色素材料は単に発色機能だけでなく､電子機能･触媒機能など多くの機能性を示す｡本研究では､多機能型新色素材科の合成およびそれらの機能探索を目的とし新規な色素群を合成した｡特に金属イオンを含む金属錯体に注目し､新規な構造を持つ金属錯体の合成を行った｡また､合成した錯体群は特異な構造を持つことから､構造由来の機能性について検討を行った｡2.　結果および考察2. 1金属フタロシアニン錯体をコアとするメタロデンドリマ-金属フタロシアニン錯体は､錯体間の強い相互作用により溶液および薄膜内において会合状態で存在する｡金属フタロシアニン錯体単分子での機能を引き出すためには､錯体周辺に大きな立体障害を導入する必要がある｡そこで､多分岐高分子であるデンドリマ-鎖を導入した1を合成した｡世代を増やすことにより､金属フタロシアニン錯体はナノスケール(ca, 6nm)のMolecular Banの中に内包され､錯体間の相互作用をなくすことができた｡さらに､錯体の持つ触媒能について検討を行ったところ､デンドリマー鎖を持たない錯体では触媒反応に伴って錯体の分解が見られたのに対し1ではほとんど触媒の分解が起こらないことが明らかとなった｡2. 2 1,3,5-phenylene骨格を持つメタロデンドリマ-先の研究では､デンドリマ-鎖は機能性分子を覆う　Molecular BaLlとして機能することを明らかとした｡そこで､デンドリマ-鎖と機能性分子との協同的な機能発現を目指し､ 2を合成した｡色素分子であるポルフィリンと相互作用させるためすべてベンゼン骨格からなるデンドリマ-鎖を選択した｡得られたデンドリマ-の光化学的特性について検討を行ったところ､デンドリマ-骨格からポルフィリンへの高効率なエネルギー移動が見られた｡3.結論今回､色素分子をデンドリマ-内に包括させることによる色素の機能変化について検討を行った｡デンドリマ-鎖は色素を包むマトリックスとしてだけでなく､色素分子との協同的な機能発現が可能であることが明らかとなった｡協同的な機能発現によりこれまでにない高機能色素を作り出すことが可能であることが示唆された｡ー95-

多機能型新色素､染色助剤および評価法の開発(2)

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多機能型新色素､染色助剤および評価法の開発(2)

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