人工肺を用いて,人工呼吸器の加温加湿器Fisher & Paykel社製のMR730の適正な設定を検討した。設定温度9パターンの口元の温度・湿度・口元への垂れ込み量及び回路内の結露・気化量を測定した。今回の実験結果から人工呼吸器の加温加湿器の設定は『37℃・+2.39℃・-2.39℃・±0』が適していると考える。しかし,人工肺での単発の実験結果であり,患者の状態・病室内の環境によって設定を変化させる必要がある。Article信州大学医学部附属病院看護研究集録 31(1): 143-149(2003)departmental bulletin pape

中村,  歩子

壬生,  菊代

楊箸,  隆哉

橋本,  みづほ

石井,  留美子

高尾,  ゆきえ

Japanese

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人工呼吸器の加温加湿効果についてThe examination with the modellung for the setting of the respiratory humidifier救急部集中治療部 : 壬生菊代　石井留美子　橋本みづほ中村歩子　高尾ゆきえ信州大学医療短期大学部 : 楊箸隆哉くキーワード)人工呼吸器 ･加温加湿器要旨:人工肺を用いて,人工呼吸器の加温加湿器Fisher&Paykel社製のMR730の適正な設定を検討した｡設定温度9パターンの口元の温度 ･湿度 ･口元への垂れ込み量及び回路内の結露 ･気化量を測定した｡今回の実験結果から人工呼吸器の加温加湿器の設定は r37℃ ･+2.39℃･-2.39℃ ･土OJが適していると考える｡しかし,人工肺での単発の実験結果であり,患者の状態 ･病室内の環境によって設定を変化させる必要がある｡はじめに大気を呼吸している場合,吸入された空気は上部気道を通過していくうちに,気道粘膜から加温加湿され,気管に送られている｡しかし,人工呼吸器管理中の患者は,挿管チューブを通し乾燥した吸入ガスが直接気管に送られており,乾燥ガスを吸入すると,気管 ･気管支の上皮細胞の損傷,線毛運動が障害され無気肺を起こしたり,感染を受けやすくなる｡そのため,人工呼吸器管理中の吸入ガスの加温加湿は重要である｡当院ICUでは,人工呼吸器の加温加湿に,Fisher&Paykel社製のMR730を使用しているo同社は加温加湿の温度設定を,r39℃ ･-2Jが望ましいと推奨しているが,今まで私たちは r37℃ ･±01の設定で使用していたOそこで,加温加湿器の安全性と最適な設定を検討したのでここに報告する｡研究目的1.挿管チューブと人工呼吸器の接続部の温度 ･湿度を測定し加温加湿器の安全性を検討する｡2.挿管チューブに垂れ込む危険性がある回路内の結露及び加湿に使用した水分を測定し最適な設定を検討する｡研究方法実験前に呼吸器回路 ･人工肺 ･蒸留水それぞれの重量を測定する｡人工肺を用い,呼吸器を24時間作動させる｡人工肺の口元に温湿度モニターを装着し,加温加湿器の温度設定を変更し,口元の温度 ･湿度を24時間連続して測定するOまた,口元にウオータートラップをとりつけ,口元への垂れ込み量及び回路内の結露 ･気化量を測定する｡24時間後,実験前同株に呼吸器回路 ･人工肺 ･蒸留水それぞれの重量を測定する｡- 143-く使用物品)人工呼吸器 :TバードAVSⅢ (株アイエムアイ)加温加湿器 :Fisher&Paykel社製MR730温湿度モニター '.モイスコ-プ (株スカイネット)人工肺 .'加温加湿器に熱線回路をつけテスト肺に接続し作成 (自作)(測定方法)人工呼吸器の設定 :CMV 12国分 TV500 FiO20.5 peepO人工肺 :37℃±0図- 1 実験回路加温加湿器の温度設定 :口元温 ･チャンバー温の組み合わせで下記の9パターン口元温チャンバー温図-2 用語の定義粘-.:蛋 也-ごと_β-1辛/)をち1-1i-=i£真美等紬;lr=加那…､し芋たきI官 ∫+護+.套諾駁'3支∴た.llf蒸藍霞やミ 琵義認三+≡i .家7<ゝ≡誌 ∵∴∴柳潔ぎ諾 ,i/三望くさJS.芸彰_茄還菜ノ_三業賢 …3,㌔l★ ･∴∴ -鳥- - 藍 挙- 144-*垂れ込み量 :人工肺の口元にウオータートラップをとりつけ,挿管チューブ内に垂れ込むだろうと思われる水分量｡(ウオータートラップに溜まった水分量)*結露量 :実験前後の呼吸器回路の重量差｡*気化量 :実験前後に測定した蒸留水の差｡(使用水分量から結露量を引いた量)結 果1)口元の温度 ･湿度はどの設定でも,24時間の平均値は,アメリカ呼吸ケア協会が定義する ｢危険な吸入ガス温37℃｣を超えなかった｡また,アメリカ標準規格が定義する ｢絶対湿度の下限30m9/de｣を上回っていた (衣-1).しかし,39℃･+Zは (衣-2a),危険な吸入ガス温37℃を超えることがあり,35℃ ･-2(衣-2b)と35℃ ･±0 (衣-2C)は,絶対湿度の下限である30m9/Iに達していないことがあった｡2)すべての口元温の設定でチャンバー温の目盛 りがプラス方向になると,気化量が増加した (衣-3)03)口元ウォータトラップへの垂れ込みは,35℃ ･+2から発生し,39℃の設定になると増加した(衣-4)04)37℃ ･士0より低い設定では,呼吸器側で使用した蒸留水より回路全体の気化量が多く,人工肺の蒸留水がより多く使用されていた (衣-5)0考 察安全性については,アメリカ呼吸ケア協会 ･アメリカ標準規格の定義より,今回基準にあてはまった設定は,35℃･+2から39℃ ･土0までの6パターンだった｡最適な設定は,気化量が多いほど有効な加湿が得られると考えると,より加湿をかけたい時は,チャンバーをプラス方向にした方がよいと考えられる｡また,結露量 ･垂れ込み量が少ないほど感染のリスクが低いと考えると口元温は,より低い温度でチャンバ一時マイナス方向にしたほうがよいと考えられるoしかし,37℃･士0以下では,呼吸器回路で使用した水分量よりも,全体の気化量が多くなっていた｡この事は,本来,呼吸器回路側で使用された水は全体の気化量よりも少ないはずなのに,この多くなった水分は,人工肺回路から水分を奪っていると考えられる｡以上のことから加温加湿器の設定は,r37℃･+2.39℃ ･-2.39℃ ･士OJの3パターンが適していると考えられる.但し,いずれの設定においても,口元への垂れ込みと呼吸器回路内の結露が認められているため,挿管チューブ内に水分が垂れ込まないよう厳重な呼吸器回路の管理が必要である｡結 語今回の実験結果から人口呼吸器の加温加湿器の設定は r37℃ ･+2.39℃ ･-2.39℃ ･±OJが適していると考える｡しかし,人工肺での単発の実験結果であり,患者の状態 ･病室内の環境によって設定を変化させる必要で,今後,実際この設定で患者に使用し,さらなる検討が必要と考える｡引用 ･参考文献1)MR700,MR7犯 MR730 Respiratory HumidifiersOperrationManual.Fisher&Paykel- 145-Healthcare,NewZealand,19972)AARCClinicalP;acticeGuidelines･.HumidificationduringMechanicalVentilation,Respi,a.torycare,37:887-890,1992を抄訳 ･改変3)AmericanNationalStandardsInstitute(ANSI).AmericannationalstandardforhumidifiersnebuliZSrSformedicaluse.ANSIZ79.9,1979温度(℃)･絶対湿度(mg′L)45■′ヽ ;i + 120 【+ ＼lゝ1 I,ぷ;う てこ:仁 一-;:.㌔35 二彰一､=トごγL<-よこ∴三I5㌧たき′, ,oo ーl危凱 吸入力ス温-37℃ l8D rt桂対湿度の下限-30mUL30251 -/6-請+>pJuた1∴+ 潔.一p二 r5-三j'教･=/#;.l-普…pi､J. 妻子護-,Lちなン71号p/γW/(.巧 /fiこ′三vrナふ-/ヒ-.1ふて(～),Iル roや､-.'iき美食てfj∴/i十 ,トでナが舟3} 芸きip:…さもま:､-./ 絹､l十寸,-.㌢?'>よく､二<?㌣ Q ～ ㌣ O ～ ㌣ jlQ +～g i g+ ざ g" ぎ ざ ぎ ざ｡ ED q O)加温加湿器設定39℃十2設定の口元温湿度の時間経過仰3530252口元温度(℃)′絶対湿度(mg′L)潔 :A-R+/,._>●/ # J;1㌢､キミ,≡二1,5讃/I号. ケ/i;;てづ一三. 丘1≧ぺ: 蔓とダ′ 寸人-∫i,i ｢G fL' 80 相対湿6 度%42 一一一口元温度(℃)一 絶対湿 mg/七.-相 圧 帆-うー Oc斗ト 〟､ミ～trこ+ ･Yと9-:刈 り貰,i 汁 -●一相対湿度(帆){ぎゝ匿ヨi:礼 -1.,br:t,諺_kJ- 147-表 39008義雷 7求の 6使果 5D豊 43,321 Q } うむも 薄さ√…冴Jl 垂藩去投 薫諸宗- 言 十 二∴F鱒を煎シー好一撮∴i'けさ+十十十 料 ★登志子雛_-,.:;＼+§ 頴-,! IT桝rtyi(r触ヽ 貰い Ij-jFヨモrゝ{>十∴ j 守･｡ '′一J†≦{才,_A +iri嘗 ;号 ⊂: ､モ;謀至jrぎ;*3;滋〉′て{,～㌔~こ′∴:㍗7､-i 恵子二も 読 ､),.)ぎ-ミIi I.～+,･hCJP. 十 i:撃義･/旨淡 ;L ､雀++. ヽ jモl十二.蒙半+i十 汝髪I_ナ凄JL.:- J.う一式蛋転も.首､簸.葺貸 .A,琵 '言縄 蒜黙退藷李～ Q rレ rレ Q ～ ～ O rレ- 148-J盲蒜三言油=.宴_-髪やぶ蔓+iL._+ gf 強捲",:鵬二よう A 群立路 第翠.軽さ.;,/講を 護 ++iゝ'):tl' ?.fr,3>h->､<!:蝉･F.t ∵;禁等≡送､ ry/㌔:≒I;史 >/うh. 二一着'/:̀.ミ∝< ･んr:㌔-; ･詩≡(,1Jĵ5- 5_.>/i1ti蕪-;:i.チJー{～こ++:;み)さ;i <､ぐ:-2/へ/} -Z､:I/I:-;.-)/Spt>'{ ＼r'∴ ㌔-ノLも iち.∴を i;£:l _/iゝ1 ー′i㌣'jJ,̀ /'照Jipう:‥三 ､vr-i1.p1- 3涼が施 さit＼ニー.-:A-/r'L;こ′ゝいて>1㌢､<Pl<と､Lp･三li_∫ :TEを乙は.二村 ;～:I/Lゲバ'こ1 -′､T二E.hit -′ず<ヽノ､ l←迄､ :↓′-㌔- 149-

The examination with the modellung for the setting of the respiratory humidifier

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人工呼吸器の加温加湿効果について

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