京都大学新制・課程博士博士(工学)甲第24235号工博第5063号京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻(主査)教授 陰山 洋, 教授 藤田 晃司, 教授 作花 哲夫学位規則第4条第1項該当Doctor of Philosophy (Engineering)Kyoto UniversityDGA

GAO, SHENGHAN

京都大学新制・課程博士博士(工学)甲第24235号工博第5063号新制||工||1790(附属図書館)京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻(主査)教授 陰山 洋, 教授 藤田 晃司, 教授 作花 哲夫学位規則第4条第1項該当Doctor of Philosophy (Engineering)Kyoto UniversityDGA

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RIGHT:URL:CITATION:AUTHOR(S):ISSUE DATE:TITLE:Anion Engineering on FunctionalAntiperovskites：From Solid-stateElectrolytes to Polar Materials( Digest_要約 )GAO, SHENGHANGAO, SHENGHAN. Anion Engineering on Functional Antiperovskites：From Solid-stateElectrolytes to Polar Materials. 京都大学, 2022, 博士(工学)2022-09-26https://doi.org/10.14989/doctor.k24235学位規則第9条第2項により要約公開; 許諾条件により要約は2023-09-07に公開; 許諾条件により要旨は2022-12-26に公開 京都大学 博士（ 工 学 ） 氏名 GAO SHENGHAN 論文題目 Anion Engineering on Functional Antiperovskites: From Solid-state Electrolytes to Polar Materials （アニオン視点による逆ペロブスカイトの機能開拓：固体電解質から極性物質まで） （論文内容の要旨）  ペロブスカイト ABX3は、最も化学的に多様な結晶の 1 つであり、その多彩な機能性と柔軟な構造骨格により、常に固体化学や物理学の主要な役割を担ってきた。また、X3BA 逆ペロブスカイトは、A サイトと B サイトにアニオン、X サイトにカチオンを持ち、超伝導、負の熱膨張、磁性、触媒活性など多くの特性を示すことが可能であり、電子反転ペロブスカイトと呼ばれる。ペロブスカイトとは対照的に、このような「逆」類似物にはあまり注意が払われてこなかったが、これは主に逆ペロブスカイト化合物の報告が比較的少ないことに起因している。  逆ペロブスカイトの混合アニオン配置は、アニオン中心の化学反応によって新しい材料を設計するための理想的なプラットフォームとなる。本論文では、電荷、イオン半径、電気陰性度、分極率などの異なるアニオン特性を利用・組み合わせ、逆ペロブスカイト型材料の構造、ひいては物性を制御・調整することを目的としている。第 1-2 章では、2 種の分極性アニオンを組み合わせ、超イオン伝導に有利なソフトアニオン副格子を構築した。11種類の新しい M3BCh (M = Li+, Na+; B = H–, F–; Ch = S2–, Se2–, Te2–) 逆ペロブスカイト型固体電解質を合成し、相安定性とイオン伝導におけるアニオンの役割を考察した。第 3 章では、無機分子アニオンの導入により、Na3H(ZnH4)逆ペロブスカイトの極性歪みの起源を初めて明らかにした。また、第 4 章では、3 次元ナトリウム八面体骨格の空間に平面状炭酸基が c 軸に沿って右巻きヘリックスに配列した、極性を持ちキラルな無機Na3FCO3逆ペロブスカイトを初めて合成することに成功した。  第 1 章では、ヒドリドアニオンの大きな分極率をカルコゲナイドアニオン(Ch = S2–, Se2–, Te2–)とともに利用し、アルカリ金属に富む M3HCh (M = Li+, Na+) 逆ペロブスカイトを高圧法により合成した。中性子回折、放射光 X 線回折、核磁気共鳴などの構造解析を行い、斜方晶の Na3HS を除くM3HCh 逆ペロブスカイトが理想的な立方体構造を示すことを確認した。これらのヒドリド系逆ペロブスカイトにおける特異な立方体構造の嗜好性を調べた。立方晶 M3HCh 逆ペロブスカイトは、体心立方(bcc)で柔らかく分極しやすいアニオン副格子を持ち、金属イオン伝導に優れた物質であることが明らかになった。さらに、理論計算と電気化学測定により、高いイオン伝導度と低い活性化障壁エネルギーを確認し、逆ペロブスカイトのイオン伝導を促進する柔らかい格子モードを初めて見出した。  第 2 章では、相安定性とイオン伝導性におけるアニオンの役割を調べるために、八面体中心の分極性 H–アニオンをイオン性の F–アニオンに置き換えた。得られた M3FCh 逆ペロブスカイトを理論的および実験的に検討した。M3FCh の高圧下での格子動力学計算を行い、高圧法を用いての合成に成功した。M3FCh の金属イオン伝導の活性化障壁エネルギーを計算し、M3HCh や M3FCh 族と比較した。ソフトモードと移動障壁の微視的な関連性を解明し定量化した。また、逆ペロブスカイト京都大学 博士（ 工 学 ） 氏名 GAO SHENGHAN 導体の許容因子と活性化障壁エネルギーの一般的な相関をさらに確立した。  第 3 章では、A サイトに分子アニオン ZnH42–を含む新しい逆ペロブスカイト Na3H(ZnH4)の合成を行った。放射光粉末 X線回折と中性子回折により、Na3H(ZnH4)は P4/ncc空間群に結晶化し、Bサイトヒドリドアニオンはその HNa6 配位環境の中心から変位していることが確認された。本研究では、ペロブスカイト強誘電相における d0遷移金属カチオンの 2次ヤーンテラー歪みを想起させる、分子アニオン含有逆ペロブスカイトにおける B サイトの中心ずれとそれに伴う大きな八面体歪みの原因を実験と理論によって明らかにした。さらに、Na3H(ZnH4)の P4/ncc から I4/mcm への高圧相転移を、H–の変位と ZnH42–の再配向と共に理論的に観測した。  第 4 章では、極性またはキラルな有機配位子に頼らず、無機分子アニオンを用いて、逆ペロブスカイトの中心対称性骨格の反転対称性を崩すことに成功した。新しい逆ペロブスカイトNa3FCO3は、高圧合成法により実験的に得られた。3 次元電子回折、放射光 X 線回折、単結晶 X 線回折による精密構造解析によって、Na3FCO3逆ペロブスカイトは P31空間群に結晶し、CO32–三角形分子アニオンが c 軸に沿って右巻きヘリックスを形成するように配置されていることが確認された。結合価数和計算と格子動力学計算を行い、極性とキラルなアンチペロフスカイト構造の安定性を理解した。  結論では本論文で得られた結果を要約している。                     

アニオン視点による逆ペロブスカイトの機能開拓: 固体電解質から極性物質まで

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