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抗がん剤の細胞内代謝および代謝修飾による効果増強と耐性克服に関する研究
Authors
Koizumi Shoichi
小泉 晶一
Publication date
21 April 2016
Publisher
Abstract
金沢大学医学部・附属病院[はじめに]Methotrexate(MTX)耐性克服を目的として、新しい葉酸代謝拮抗剤であるtrimetrexate(TMQ)とCB3717の薬剤に関して、K562白血病細胞およびMTX耐性K562/MTX細胞を標的としてその抗腫瘍効果を調べ、MTXと比較した。また正常ヒト骨髄球系前駆細胞(CFUーG)に対する細胞毒性も検討した。さらにl型leucovorin(lーLV)投与によるこれら腫瘍細胞の細胞障害減弱と骨髄細胞レスキュ-の程度を検討した。[方法]K562とMTX耐性K562/MTX細胞(2x10^3/ml)を10^M〜10^M MTX TMQまたはCB3717とともに24時間培養した。その後lーLV(日本レダリ-)を最終濃度で10^M〜10^M添加し、メチルセルロ-ス(0.8%)を加えて5日間培養し、cloning efficiencyを比較した。正常ヒト骨髄(BM)単核細胞(2x10^5/ml)も抗癌剤と共に24時間培養し、その後lーLVとコロニ-刺激因子(GーCSF、10ng/ml、中外製薬)を添加してさらに14日間培養後、コロニ-形成能(CFUーG)を計数した。[結果]K562細胞とK562/MTX細胞に対するIC_と比較すると、MTXでは100倍以上の耐性が認められたが、TMQとCB3717ではそれぞれ1.5倍、2.2倍であり、耐性度は著明に減少した。骨髄細胞はいずれの抗癌剤に対しても強い耐性を示した。lーLV添加によって腫瘍細胞においてもレスキュ-効果が認められた。K562細胞についてみると、約95%の細胞障害性を示す10^M MTXに10^MlーLVを添加した場合、40.3%+7.1%にまでcloning efficiencyは回復した。TNQとCB3717における回復率はやや低かった(15.1%+5.0%と27.4%+10.8%)。MTX耐性のK562/MTX細胞ではlーLVレスキュ-率はK562細胞に比較して有意に高かった。骨髄(BM)CFUーGについてみると、MTX耐性を克服する高濃度のMTX、TMQ、CB3717いずれの薬剤に対しても、lーLVは50%以上のレスキュ-率を示した。[結論]TMQ、CB3717はいずれもMTX耐性克服に有効と思われた。一方、lーLV添加により、腫瘍細胞も種々の程度でレスキュ-されることが知れた。BM細胞に対するlーLVのレスキュ-効果は高濃度のTMQやCB3717に対しても強く認められ、以上の結果から、適当な薬剤投与量と投与時間を配慮すれば、TMQやCB3717はlーLVの併用でMTX耐性克服に有効と思われる。研究課題/領域番号:02670429, 研究期間(年度):1990出典:研究課題「抗がん剤の細胞内代謝および代謝修飾による効果増強と耐性克服に関する研究」課題番号02670429(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02670429/)を加工して作
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