中国語：日中纳米医学的交流　p.6

Kato, Koichi

Chinese

Hiroshima University Institutional Repository

橋け架　日本と中国におけるナノメディシン研究者の架け橋となるため、これまで 10 年余りにわたって日中間の交流活動を続けてきました。その内容についてご紹介したいと思います。　物質をナノメートルスケールで自在に操り、また、ナノスケール特有の物理化学的性質を巧みに利用して物質生産や情報変換などを効率よく進めようとする技術をナノテクノロジーと呼びます。その最も重要な応用の一つとして医療があげられ、そのような分野をナノメディシンと称します。このナノメディシンに関連する研究を通して革新的で多様な医療技術がもたらされるものと大いに期待されています。　2000 年代初頭、米国は国家戦略の一環としてナノテクノロジー研究への重点投資を開始しました。これが契機となって世界各国でナノテクノロジー研究熱が高まり、ナノスケールの材料創製、生体イメージング、生体情報センシング、薬剤送達など、多種多様なナノメディシン関連技術が盛んに研究されました。その結果、がんの診断や治療、再生医療、ワクチン療法などに関連する新しい医療技術が数多く提案され、現在もなお進展の勢いは衰えることがありません。　以上のような国際的な潮流は日本や中国においても同様でした。そうした中、2012 年頃、中国科学院化学研究所・教授・万立駿博士（現在は中国侨联第十届委員会主席）を代表とするトップクラスのナノメディシン研究者集団から、日本ナノメディシン交流協会・宇理須恒雄会長を通して、最先端研究に関する情報交換の場を設けないかとの提案がありました。これに賛同した有志が集い、2013 年秋に中国南京市にて第１回日中ナノメディシン・シンポジウムを開催しました。その後、同シンポジウムを日本と中国で毎年交互に開催し、交流を深めるとともにナノメディシン研究分野の発展を図ってきました（表 1）。　現在、筆者と北京協和医学院・許海燕教授が日本と中国それぞれの取りまとめ役を担っています。紙面の都合上、これまで交流活動に関わってきた有志をすべて挙げることはできませんが、日本と中国のそれぞれから約 25 名の研究者が積極的に参画し、互いに緊密な関係を築いてきました。かつての日中笹川医学奨学生である空軍軍医大学第三附属医院・吴江博士も第 7 回シンポジウムに参加してくれました。また、日本ナノメディシン交流協会とも緩やかに連携しながら活動しています。さらに、日本学術振興会、中国国家自然科学基金、幹事大学、開催地の自治体等からの支援にも恵まれました。この場をお借りして御礼申し上げます。　最後に、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が一日も早く収束し、中国のナノメディシン研究者らと再び対面しながら親交を深めたいと願っています。今後も日中ナノメディシン交流に対する皆様のご理解とご指導を賜りたくお願い申し上げます。日中ナノメディシン交流略歴： 1988年 京都大学農学部卒業 1996年 京都大学博士（工学）取得 1996年 神戸大学助手 1999年 フライブルグ大学研究員 2001年 京都大学助教授 2011年 広島大学教授 2016年 広島大学歯学部長現職： 広島大学大学院医系科学研究科教授 広島大学ナノデバイス研究所副所長広島大学大学院医系科学研究科教授加藤功一表 1　 日中ナノメディシン・シンポジウムの開催実績及び計画シンポジウム 開催年 開催都市 幹事第 1 回 2013 南京 東南大学・教授・顾 宁第 2 回 2014 広島 広島大学・教授・加藤 功一第 3 回 2015 北京 北京協和医学院・教授・許 海燕第 4 回 2016 北九州 九州工業大学・教授・竹中 繁織第 5 回 2017 蘇州 中国科学院・教授・王 强斌第 6 回 2018 松江 島根大学・教授・藤田 恭久第 7 回 2019 西安 西北大学・教授・樊 海明第 8 回 * 2021 津 三重大学・教授・冨田 昌弘第 9 回 ** 2022 上海 上海交通大学・教授・崔 大祥第10回 ** 2023 宇部 山口大学・教授・中村 教泰* 新型コロナウイルス感染症拡大防止のためオンラインにて開催．** 準備中．第 5回日中ナノメディシン・シンポジウム（蘇州）での集合写真35日中医学　2022.8：Vol.37 No.2纽带简历： 1988年 京都大学农学系毕业 1996年 京都大学博士（工学） 1996年 神户大学助教 1999年 弗莱堡大学研究员 2001年 京都大学副教授 2011年 广岛大学教授 2016年 广岛大学口腔系主任现职： 广岛大学研究生院医学科学研究科教授 广岛大学纳米器件研究所副所长为搭建日中两国纳米医学学者之间沟通的桥梁，在过去的 10 多年间，我们持续开展了日中两国间的交流活动。现就其活动内容作以介绍。在纳米尺度灵活掌控物质、巧妙利用纳米特有的物理化学性质、高效推进物质生产和信息交换等技术被称为纳米技术。医疗领域是其中最重要的应用领域之一，该领域被称为纳米医学领域。通过纳米医学的相关研究，培育出创新型、多样化的医疗技术正备受期待。21 世纪初期，美国将纳米技术的研究作为国家战略之一进行了重点投资。以此为契机，世界各国对纳米技术的研究热情日益高涨，纳米尺度的材料研发、生物成像、生物传感、药品配送等丰富多彩的纳米医学相关技术的研究得以蓬勃开展。最终引发出很多有关癌症诊断与治疗、再生医疗、免疫疗法等新的医疗技术，这一发展势头仍在持续。这样的国际潮流同样也席卷了日本和中国。在 2012 年前后 , 以中国科学院化学研究所万立骏教授（现中国侨联第十届主席）为首的中国顶级纳米医学学者团队，通过日本纳米医学交流协会的宇理须恒雄会长，提出了建立中日尖端研究信息交流平台的建议。赞同此提议的有识之士们汇聚一堂，于 2013 年秋在中国南京市召开了第１届日中纳米医学研讨会。之后，研讨会每年在日中两国轮流举办，在加深交流的同时推进了纳米医学的相关研究（表１）。现在，笔者与北京协和医学院的许海燕教授分别担任日本和中国的总负责人。因篇幅所限，笔者不能将参与过交流活动的所有有识之士的姓名全部列出来，日本和中国各有 25 名研究人员积极参与了活动企划，双方建立了密切的关系。曾经是日中笹川医学奖学金项目研究员的空军军医大学第三附属医院的吴江博士也参加了第七届研讨会，并与日本纳米医学交流协会在稳步推进相关合作。日本学术振兴会、中国国家自然科学基金、各承办大学、研讨会举办地政府等也给我们提供了很多帮助，借此深表谢意。最后，祈愿新冠疫情的全球大流行能尽快结束，希望能与中国纳米医学界的学者们再次相聚，继续加深相互间的友谊。今后还望继续对日中纳米医学的交流予以理解和支持。日中纳米医学的交流广岛大学研究生院医疗系科学研究科教授加藤功一表 1　日中纳米医学学术研讨会的举办成绩和计划学术研讨会 举办年 举办城市 大会干事第 1届 2013 南京 東南大学教授　　　　顾 宁第 2届 2014 广岛 广岛大学教授　　　　加藤 功一第 3届 2015 北京 北京协和医学院教授　许 海燕第 4届 2016 北九州 九州工业大学教授　　竹中 繁织第 5届 2017 苏州 中国科学院教授　　　王　 强斌第 6届 2018 松江 岛根大学教授　　　　藤田 恭久第 7届 2019 西安 西北大学教授　　　　樊　 海明第 8届 * 2021 津 三重大学教授　　　　富田 昌弘第 9届 ** 2022 上海 上海交大教授　　　　崔　 大祥第10届 ** 2023 宇部 山口大学教授　　　　中村 教泰*为防止新冠疫情扩散线上举办** 准备中．第 5届日中纳米医学学术研讨会（苏州）集体照60 日中医学　2022.8：Vol.37 No.2

日中ナノメディシン交流＜架け橋＞

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Japan-China academic exchange in nanomedicine

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