research

<原著>一次性外傷性動眼神経麻痺症例の検討

Abstract

頭部外傷による一次性動眼神経麻痺症例13例について検討した. 発生頻度は, 過去8. 5年間に入院した頭部外傷症例1052例中13例(1. 2%)であった. 年齢は7歳から83歳(平均32歳)で, 男7例, 女6例であった. 受傷機転は全例交通外傷で, 受傷部位は前頭部8例, 後頭部3例, 側頭部1例で, 1例は不明であった. 入院時の意識レベルは, Glasgow Coma Scale で4点から14点(平均7点)であった. 頭蓋単純写で骨折が3例に認められた. CT では, くも膜下出血が4例, 脳室内出血が2例, 脳挫傷が5例に認められた. MRI は4例に施行され, 3例に脳挫傷が認められた. 予後は6カ月の観察期間で, 完全回復10例, 不完全回復2例, 不変1例であった. 今回検討した症例では, 前後方向の外力により, tentorial gap で動眼神経の損傷をきたした症例が多いと考えられた. 予後は比較的良好であった

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