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女子尿道細網肉腫の1例

Abstract

83歳の女子で排尿困難を主訴として当科受診,外尿道口部に直径約3cmの腫瘤を認め,生検にて細網肉腫と判明。胸部X線写真およびリンパ管造影にて転移所見なし。入院後全身状態が悪化し, 14日目にたまたま右下腹部の激痛と腹部膨満を訴え,発熱と白血球増多を認めたため虫垂穿孔による汎発性腹膜炎の疑いにて開腹符を施行した。虫垂および上部消化管に異常なく子宮底中央部より膿汁が腹膜腔内に流出するのが認められた。子宮膿瘍穿孔による腹膜炎の診断のもとに,同部を切除縫合し腹膜腔内にドレーンを設置し手術を終えた。術中,傍大動脈および腸間膜リンパ節を観察する機会が与えられたが, とくに異常を認めなかった。術後経過は悪く嚥下性肺炎のため死亡した。剖検はおこなわれなかった。女子尿道の悪性リンパ題症例の報告は原発性にしろ転移性にしろ非常に少ない。われわれの症例は剖検できなかったので,厳密にいうと臨床検査や手術時観察の到達しうる以外の部位に原発巣が絶無であるとはいえないが,臨床所見からすると,あきらかに原発性細網肉腫症例と考えられる。本文の要旨は第87回日本泌尿器科学会関西地方会にて発表した。Primary reticulum cell sarcoma of the urethra seen in an 83-year-old woman is described

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